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2011/03/13 九州 
析出物の多い城山温泉とつるつるのあきしげ湯

1 城山温泉  (再訪)   

 圧倒的な析出物と新鮮な湯でノックアウトの良さ 



城山温泉はえびの市郊外に突然湧出した良い湯である。近くには、般若寺温泉や原口温泉、鶴丸温泉などの吉松温泉郷や京町温泉などのモール系の温泉ながら、この近くの吉田温泉とともに炭酸分を適度に含有して個性的な温泉になっている。



特にこの城山温泉は土類成分や食塩、硫酸塩、炭酸も含み含食塩芒硝土類重曹泉(NaCaMg-HCO3 SO4 Cl)という何でも含有している温泉である。鉄分Feは4.4mgであるが赤褐色に濁り、甘塩エグ味+炭酸味、土類炭酸臭という複雑な表情であった。



炭酸分は227.7mgと比較的少ないが源泉の味覚に良く残っている。2つの浴槽があり片側に掛け流され、溢れた湯が2槽目に流れる仕組みである。源泉を入れている浴槽の方はやや熱めで2槽目が適温である。こちらに長湯した。小さな共同湯のような湯小屋のみの温泉で男女別に浴室がある。



凄いのは床の析出物である。うろこ状になっているが、その上にさらに襞状に析出物が重なり厚みを持ったコテコテの床になっている。掛け流しの湯が流れ出る部分は、壁のように析出物が高く析出し、三角形に湯船の縁まで析出物が続いている。



成分はナトリウムの977mgのほかにマグネシウム209mgカルシウム354mgアンモニア49.6mg、塩化物646mg 硫酸1241mg 重炭酸2190mgとなっており、総計6120mgの濃厚な源泉である。



浴槽の縁は襞襞になっておりチョコレート菓子のようである。女湯の方も見学させていただいたがほぼ同様に析出物が溜まっており壮観であった。この床の造形は非常に貴重であり時間を掛けないとこのようにはならないのでこのまま残してほしいと思った。浴室が古いので改修されたら残念である。日本有数の析出物固着浴室として保存したい気持ちになった。

 

2 あきしげ湯   

 3回目でやっと入浴できた。今回も問答の末やっと入れる。 困難度最強の温泉 16時に終わると言うが15時40分に着いたら断られる。しかし粘り強く交渉してすぐ出ると言ってやっとゲットした。琥珀色のつるつるの良い湯 



えびの市の郊外にある温泉。京町温泉から線路を越えて山麓温泉の脇を過ぎて丘に登って行き20分ほどの距離である。広く開けた牧場の中のような立地である。



白い宿の横に木造の木の壁で造られた浴室棟がある。この温泉は評判が良いのであるが、時間切れや、取材不可でいままで2回入浴を断られている。3度目でやっと入浴することができた。しかし16時に終了という早さで、少し前にたどり着いたが断られそうになり、お願いしてやっと念願の入浴となった。



木枠の2槽に分かれた内湯と大樽の露天風呂がありレモンイエローの奇麗な湯が掛け流しになっていた。少エグ味もある。つるつるの感触も強く良い温泉である。このつるつる度が強い温泉は記憶に強く残る。この温泉もその一つであった。



また最たる特徴は匂いである。油臭と言おうか、モール臭とも言える濃い匂いが湯口でははっきりと認められ名湯であると思った。色、味、匂い、感触でそれぞれ特徴を持った温泉で個性的である。総計598.8mgのアルカリ性単純泉で単純泉とは思えない存在感のある湯であった。

 

 

 

 

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