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2011/03/27 九州 
トカラ列島、小宝島の温泉 野湯2か所

1 小宝島湯泊温泉 右側コンクリート3連浴槽   

 黄色白濁 塩味+少たまご味 硫黄臭 2槽目で入浴 



トカラ列島はフェリーの便が通常では週に2便しかないので、長期の休みがないと行くことができない。またせっかく行くのならば、なるべく多くの島に寄りたいのが希望なので、長い間課題になっていた温泉地である。この3月は週に3便出る週があり、これはチャンスと思い出かけた。しかし結局1便欠航し3つの島で1週間の時間がかかってしまった。



このフェリーが曲者である。島の住人や観光客だけでは赤字なのであろう、ほんの些細なことですぐ欠航になる。島では自給自足している生活状況なので、フェリーが止まっても何の不便もないためでもある。聞いた話だが1月間閉じ込められたという話も聞いた。



23時50分発のフェリー「としま」は約13時間かかって一番遠い宝島の一つ手前の小宝島に着いた。さんご礁のような平たい島で、火山があるような島の形ではないが温泉が湧いている。人口は60人ほどの小さな島である。小さいながら温泉が湧出していてトカラでも行きたい島であった。



島で一つの民宿「湯泊荘」に荷物を置いてカメラを持って湯泊温泉に行く。3箇所の野湯と温泉センター、源泉ボッケがある島である。一つ目は昔の船着場のコンクリートで舗装された海岸の右側に湧いている。3連のコンクリート浴槽があり、一番手前の陸側の浴槽に源泉が湧出し、次の浴槽に流れ込む仕組みである。



湧出浴槽は激熱で入浴不能である。次の浴槽が適温になっていた。3つ目の一番海側の浴槽は冷たい湯であった。この温泉は湧出量が海の干満に影響されていると思われる。湧出が周期を持っており、到着したときは湯が少なめで半分ほどしか溜まっていなかった。一つ目の浴槽しか源泉は流入していなく3つ目の浴槽は冷めていたが、夕方遅くに行ってみると、浴槽一杯に湯が湧いており3つとも温度のある浴槽になっていた。



この時は3つ目の浴槽に入浴した。色が変り種で黄白濁している。弱塩味で少たまご味、硫黄臭であった。弱食塩硫黄泉と思われる。海の眺望が良く、海岸や沖合いの小島も見える。ほかの温泉が強食塩泉だが、ここの湯の塩分は少なく、硫黄分が多いと思われる。湯の色が黄色味を帯びているのも個性的であった。



 

2 小宝島湯泊温泉 左側コンクリート3連浴槽   

 白濁した酸性硫黄泉 酸味+強塩味、硫黄臭 入浴して体がピリピリする。玉川温泉のような強力な入浴感に驚く。

 

小宝島で2つ目の温泉は防波堤に囲まれた3連のコンクリート浴槽である。一番陸地側の浴槽は岩が露出しており、足元湧出源泉の浴槽である。そして次の浴槽に溢れてゆく方式である。この湯は特に色が美しい、白濁で真っ白である。



入浴してみて驚いた。強い酸味と塩味があり体感がピリピリとする。強酸性の玉川温泉でもあるような刺激である。塩分の濃いのと酸性の湯の相乗効果でピリピリした刺激になるのであろう。



白濁しているので硫黄分もかなり含有されていると思われるが、この温泉の大きな個性は酸性と濃い食塩分であろう。PH1.5ほどだと推測した。硫黄臭もあり良い温泉である。



ただし周囲が防波堤の壁に囲まれているので展望は効かない。しかし堤防の上にカメラを設置して撮影すれば、沖の小島と、海岸風景と海が一緒に撮影できる。



到着後、午後2時ごろに行くと湧出浴槽しか温泉は溜まっておらず、この自噴浴槽で入浴した。海側の2つの浴槽は透明で温度もなく自噴浴槽のみが白濁していた。夕方に再度行くと、湯量が増えて3つの浴槽ともに白濁し、適温の入浴可能な温泉になっていた。



足元自噴の浴槽から順に白濁が薄くなっており、湧出している浴槽が一番良い。しかし湧出量が多くなると激熱になるので午後早く行ったときが最適な時間であった。底から気泡が立ち昇っており足元湧出であることがわかる。強い食塩泉で白濁した硫黄泉と酸性泉の3つの個性を持った貴重な温泉である。

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