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2011/11/23 関東 
那須湯本と甲子温泉ほか4か所 

1那須湯本温泉(鹿の湯共同湯)  

鹿の湯は大盛況であった。駐車場が一杯でしばらく待った。観光客が日帰り入浴することが多くなったのか、または全国的に広がった日帰り温泉センターの普及が原因なのか?かなりの入浴客である。ここの温泉は那須湯本温泉の酸性硫黄泉で白濁した湯と硫黄臭が特徴である。

 

大きな空間に6つの浴槽と打たせ湯、掛け湯があり、合計8箇所の湯船である。ほぼ満員で混んでいた。浴槽は温度差がつけられており、41度、42度、43度、44度、46度、48度の温度がある。白濁、酸味、硫黄臭あり、と観察したが48度の浴槽だけ白濁が濃いものであった。68.4度の酸性含硫黄石膏泉(H,S-Ca―SO4,Cl)で総計1040mgである。

 

水素イオンが2.5mg 遊離硫化水素が28.8mgでこの温泉のほとんどの個性を発揮している。PHは2.5である。塩原新湯が明礬泉、塩原元湯が重曹食塩泉または食塩重曹泉であるのにこちらは石膏泉である。改修はされ浴槽は新しくなっていたが基本的な建築は昔ながらの湯小屋で木造のこじんまりとしたものである。玄関は休憩室である。渡り廊下で沢を渡り、浴室棟に行く。板の壁の木造建築である。48度の浴槽にも入ったが10秒ほどしか入れなかった。この鹿の湯は元湯で那須湯本の14軒の旅館に引き湯されていると書かれていた。

 

2高雄温泉(おおるり山荘)  

那須高雄温泉の火事で焼けた旅館跡におおるり山荘ができた。以前は源泉だけが川のように湧出し、野湯であった。この時は新鮮な湯を味わえる素晴らしい野湯であった。拙著、日本全国丸秘湯112選で紹介した温泉である。その後この旅館が出来てから2回目の訪問である。

 

しかし湯の使い方は良く豪快な掛け流しで、野湯の頃と変らないので安心した。旅館にアプローチすると大量の溢れ湯が湯の川になって流れているのが見える。硫黄分のために真っ白な川である。ここの温泉の湯量豊富さが印象付けられる。高雄湯の川と石碑が建てられていた。旅館に最初に訪問したときには、宿の横にある展望の良い高台に大きな露天風呂に豪快に湯が入れられていたが、今回この露天風呂は半分以下に小さくなっていた。そして宿の前に小さな露天風呂がもう一つ出来ていた。

 

40.1度の含硫黄重炭酸土類石膏泉(S-CaMgNa-SO4、HCO3)でPHは6.1とほぼ中性である。遊離硫化水素を26.2mg含有している。炭酸も261.8mgである。総量は1グラムを越した程度なので、ほぼ純な硫黄泉と言ってよいであろう。湧出量は毎分800リットルで豪快な湯量である。しかし温度が少し低いので内湯のみ蒸気で少し加熱している。白濁、まったりしたたまご味、硫黄臭と観察した。

 

3甲子温泉(千人風呂) 大黒屋  

甲子温泉は湯量も多く下流にある新甲子温泉に引き湯もしている湯元である。この大黒屋は大きな混浴千人風呂があることで有名な温泉である。沢に向かって下って行き、橋を渡ると湯小屋がある。この中は一つの空間で大きな浴槽1つだけあり、周囲に脱衣場が付いている。大岩風呂と呼ばれている。

 

小屋裏の合掌梁が連続して見える大空間である。以前、雑誌通販生活で取材した時以来である。泉質は石膏泉だと思っていたが、石膏系の単純泉で総計964mgで45.1度であった。透明、少苦味、無臭のきれいな湯である。大きな浴槽は5メートル×15メートルの大きさである。深さも1.2メートルあるので、大きな容量の浴槽である。横の壁から源泉を入れている。

 

ここから自噴していると思っていたが、実は別の場所に源泉があり掘削自噴だそうだ。しかし古いままの浴槽と湯小屋は良い。湯の個性は少ないが雰囲気があり名湯に入るだろう。また白河藩主の別荘であった勝花亭は改築されて綺麗になっていた。このような記念物は古いままが良いと思うがどうだろうか?

 

4芦野温泉(つるつるの湯)  

つるつるのアルカリ性単純温泉で記憶に強い温泉。このたび再訪してみた。28.1度のアルカリ性単純温泉で総計252mgの源泉であるが成分のうち陽イオンはナトリウムが66mg陰イオンが重炭酸(HCO3)が76.3mg 炭酸イオン(CO3)が52mgと純粋な重曹系になっているためつるつるが強くなっていた。

 

透明、少甘味、無臭で源泉と加熱湯を同時に入れて掛け流しにしている良い使い方である。内湯と露天風呂ともに四角い木製の浴槽で「つるつるやや強し」であった。内湯42度、露天風呂40度に設定されていた。露天風呂は長湯の出来る浴槽である。

 

 

 

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