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2012/02/26 関東 
横浜の温泉銭湯 7か所

1いなり湯 

重曹泉 総計1035mg 16.8度 有機物35.6mg 黒褐色30センチ

横浜の黒湯の銭湯に久しぶりに訪問した。まず豪快な造りの寺院風建築の本牧湯に向かうがすでに廃業し、マンションになっていた。近くのいなり湯は昔のまま健在であった。タイル貼りの玄関だが、屋根は立派な入母屋、千鳥破風の造りである。

 

このような銭湯特有の寺院風豪快な銭湯が減少しており貴重である。戦後に費用を掛けて造られた温泉銭湯は明治の石造り建築などとも同じく再現不能であろう。末永く健在で居てもらいたい。玄関には木の札の下足入れがあるのは定番である。

 

湯は17.4度の純重曹泉で総計1088mgである(16.8度、1035mg H17年)。CO3を25.4mg含有し弱いすべすべが感じられる。黒褐色(透明度30センチ)と黒さは薄いが加水であろう。いろいろな小物や置物が飾られた脱衣場は高い天井の折上げ格天井である。中央にシャンデリアのある豪華な造りである。

 

温泉は2m角ほどの浴槽1つに使われておりカラン自在である。やはり定番の富士山の壁絵がある。モザイクタイルの絵や、絵の焼付けタイルもある。湯は黒褐色、少エグ味、無臭と観察した。

 

2大和湯(現在廃業しました。この記事は約3年半前のものです)

 

重曹泉 総計1940mg 17.0度 有機物234mg 黒色7センチ

地下鉄吉野町駅前の立派な銭湯の大和湯が廃業するというので、行ってみた。豪快な造りの銭湯建築で3階建てにも見える瓦屋根の本格的銭湯建築である。入口上と、本屋根に付いた2つの千鳥破風が立派である。

 

これだけの建築はもう再現不可能であろう。なくなるのは非常に残念である。脱衣場は定番の折上げ格天井である。白い壁と黒い柱が清楚で寺院のようである。

 

温泉は1つの浴槽で使われており2m角ほどの大きさである。17.0度の純重曹泉で総計1940mgである。有機物は234mgと多量に含有し濃い黒湯になっている。

 

黒褐色(透明度7センチ)、少苦エグ味、少わら臭あり、と観察した。湯の感触はすべすべ程度であった。CO3 15.8mgの含有量である。壁絵ではなくタイルの焼付け絵の壁になっている。内部は奇麗に改修されており廃業は残念である。

 

3第一七福湯

重曹泉 総計1700mg 16.7度 有機物110mg(148mg) 黒色3~4センチ

今回、横浜の銭湯巡りをした中で最も古く鄙びていた銭湯である。入母屋の屋根に千鳥破風の古い造りである。脱衣場はおなじみの格天井である。大和湯よりも小さいが端正な造りである。

 

16.7度の純重曹泉で総計1700mgである。平成16年の分析表では有機物110mgであるがもう一枚は148mgのものもあった。しかし黒さが濃く、本日一番の濃さであった。

 

黒褐色(透明度3~4センチ)手ですくっても透けない。CO3は22.4mgである。よわいすべすべを感じる程度であった。エグ味、わら臭があり黒湯特有の個性を発揮していた。温泉浴槽は左側の角に1つあり、2m角ほどのものでいなり湯、大和湯と同じ造りである。富士山の壁絵があり古い銭湯の定番通りである。

 

黒湯はカラン自在で加湯することが出来る。湯は濃いので溢れると黒い流れが見えて、この湯の濃さが分かる。大田区の黒湯でも濃かった女塚湯や辰己天然温泉、改正湯に匹敵していた。以前のデータでは有機物325mgの分析表もあり、こちらが正しいような気がする。

 

4若宮湯

重曹泉 総計1410mg 17.3度 有機物 記入無し 黒色5センチ

高層マンションの1階にある新築の銭湯。17.3度の純重曹泉で総計1410mgの温泉である。有機物の記入はないが透明度5センチほどの黒褐色で100mg前後であろう。

 

第一七福湯よりは薄いが立派な黒湯である。源泉浴槽があり冷たい水風呂になっている。加熱浴槽と並んでいた。白いタイル貼りの浴槽で冷温の2つの浴槽が並んでいた。黒褐色(5センチ)エグ味、わら臭ありと観察した。

 

5中島館 

重曹泉 総計1291mg 17.6度 有機物 記入無し 黒色5センチ つるつるの湯 循環 

 中島館は新築のコンクリート造りの銭湯になっていた。ビルの1階と2階が温泉で使われている。平成17年の分析表では17.6度の純重曹泉で総計1291mgである。有機物の記入は無かったが、古いデータに拠ると278mgと記録されていた。

 

露天風呂が温泉で循環が残念である。源泉の水風呂もある。黒褐色透明(透明度5センチ)、エグ味、わら臭ありと観察した。循環のためか本日の5ヶ所の温泉の中で一番のつるつるの湯で感触が良い。新しい銭湯になっても黒湯が残り嬉しいことである。

 

6千代の湯 

第一京浜国道(15号線)沿いにある温泉銭湯。えんじ色のトタン屋根の入母屋造りの建築で3棟が寄り添ったような複雑な屋根になっている。格天井の脱衣場に壁絵の浴室である。

 

生麦地区には濃い黒湯が湧出し、現在は廃業となったが松の湯で有機物含有量435mgという記録を持っている。この千代の湯も黒さでは次に来る濃さであり、300mg程度に感じる。

 

分析表が現在作成中とのことで無いのが残念であった。黒湯の銭湯は小さな浴槽のみ黒湯になっていることが多いがここは素晴らしい、3分の2が黒湯で残りの小さな浴槽が白湯である。加熱循環ながらカラン自在でオーバーフローにして入浴することができる。

 

湯は黒褐色(透明度3センチ)で濃厚な黒さである。少苦味、無臭と観察した。しかしつるつる度が高く入浴感触が良い。現在364mgの鎌倉館も本牧湯も廃業した中では日本屈指の黒湯であろう。今後も末永く継続してもらいたい。

 

7朝日湯

千代の湯と同じく第一京浜国道に沿った温泉銭湯。古い造りの瓦屋根の立派な入母屋造りの銭湯である。屋根にラジウム朝日湯とネオンサインがあり立派な建築のアクセントになっている。

 

湯は総計1635mgの純重曹泉で16.5度のものである。黒褐色(4センチ)、少苦味、無臭である。有機物の含有量は190mgであった。千代の湯にほど近いがこちらはつるつるが無く、さっぱりとした湯であった。

 

 

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