元のページに戻る
2012/05/27 九州 
別府の個人宅温泉や野湯と大御所、竹瓦温泉

1湯山温泉 東温泉下野湯

湯山温泉は国道を境に上に西共同湯、下に東共同湯がある。明礬小屋の連なる坂道の上には西共同湯があり、風情のある外観で過去にお願いして入浴したことがあるが、綺麗な透明の湯がドバドバの掛け流しで良い記憶になっている。



東共同湯は沢筋に下って行く。10年以上前から使われておらず廃墟のようになっている。湯山温泉の野湯は山中にあり発見は困難であろう。川沿いに小さな露天風呂があるだけの施設で、横にブルーシートで覆われた脱衣場がある。地元専用共同湯のような使われ方で許可なしでは入浴不可である。



ここの湯が個性的である。赤褐色でえぐ味と薬味があり、金気臭と少硫黄臭である。コンクリートの浴槽1つで湯口から49度の源泉が掛け流しされ浴槽では42.2度の適温になっている。赤い湯が少ない別府では珍しい存在であろう。



2血の池地獄 個人宅温泉

別府の鉄輪から柴石に至る地獄群は観光名所となっているが、これらの存在は非常に貴重で世界遺産にも匹敵すると思っている。その中で赤い湯で有名な血の池地獄の湯に入浴した。



近年、足湯が出来て湯に触ることはできるが入浴施設はない。以前にも入浴させていただいたが、社員用の個人宅に入浴させていただいた。小さな家庭用のポリバスである。



ここに血の池地獄の泥とともに赤い湯が入れられている。この赤さは一般の鉄鉱泉のような赤褐色ではなく、より血の色に似た濃い赤色である。ともに酸化鉄の表現であるが、ここの湯は赤さが鮮明である。66度の酸性芒硝食塩泉(H-Na―Cl、SO4)である。



PH2.8の酸性の湯だ。鉄分(Fe)は0.9+3.3で少量だがマグネシウムを49mgカルシウムを56.7mg含有しており相互作用であろうか?色が特徴的である。赤褐色(3センチ)、少酸味+渋味、粉っぽい、少金気臭であった。入浴感触は泥を混入しているためかキシキシしている。個性的な湯だ。なお近隣でも小さな個人宅の湯でこの湯を使っている場所を知っている。



3別府温泉 竹瓦温泉

日本一の温泉はまちがいなく別府で市内に160ヶ所以上もある共同湯の盟主は堂々たる外観の竹瓦温泉でしょう。国内でも道後温泉本館と並んで屈指の共同湯である。このたび国指定有形文化財に指定された。昭和13年建築のこの共同湯は豪放華麗な建築でまるで寺院のような風格である。



このたびゆっくりと建築を見学し、入浴した。外観の写真を撮っていると観光客は必ずといってよいほど正面で記念写真を撮っていた。この建築の立派な外観に感動するのでしょう。



入母屋造りの2階建てで瓦の屋根であるが、正面には銅版葺きの唐破風が付いて立派である。向かって左側は砂湯浴室でこちらは寄棟造りになっている。2階の窓には高欄が廻り白い壁と黒い柱や桁が際立っている。窓は縦長で1層の階高が高い造りである。



屋根裏は肘木の木組みと垂木が重厚さを演出している。左側の棟には裳階が付けられ気品に溢れている。玄関を入ると広い格天井のホールで、右側が浴室である。2階も格天井の公民館になっている。以前ここで講演会を行ったことがあり感慨無量であった。



湯は2つの源泉があり1号泉は土類食塩重曹泉(NaMg―HCO3,Cl)で総計1637mgの湯 57.9度である。2号泉は純重曹泉で総計1436mg 55度である。浴室は半地下のようになっており1階部分の1段高くなったところが脱衣場である。階段で浴槽に下りてゆく仕組みである。



湯はささ濁り、少苦味、微金気臭で以前より渋味と金気臭が少なかった。温泉は生き物であるため、再訪時に違った感触のことも多くある。浴槽は半円形の大きなものが一つだけで簡素なものである。半地下の浴室のため、天井が高く気持ちが良い。折上げの格天井になっている。



砂湯棟も1階よりは低く造られている。入り口を入ると砂落とし用の浴槽がありその奥に砂湯がある。半分ずつ交代で砂の上に湯を張り、砂を暖めるのと同時に清掃して残りの半分で砂蒸しをする人工的な砂風呂である。以前、別府の砂浜は天然の蒸し湯があったことの名残である。





 

4別府温泉 別府ステーションホテル

駅前のシーウェーブホテルに泊まったが温泉は付いておらず、温泉は提携のステーションホテルに入りに行く。2階が浴室で透明、無味、無臭の単純泉で特に個性は無かった。掛け流しで使われている。

 

5同尻温泉 個人宅

大分市のとなりの挾間町にある個人宅の温泉。3回目の訪問である。近くには残念ながら枯れてしまった田淵温泉共同湯もあった。



川沿いの敷地に源泉が自噴して流れている。炭酸を含む土類食塩泉でオリーブ色に濁った良い源泉である。炭酸を含む源泉特有の析出物が堆積し、川には10メートルほどの大きな山になって析出物が積み重なっていた。毎回行くごとに大きくなっている。



味覚は炭酸清涼味に塩苦味がある。花山温泉のような感触である。少金気臭もある。含炭酸土類重曹食塩泉だと思われる。総計は15グラムくらいと推測する。



自噴掛け流しである。温度がやや低めで41度の源泉で浴槽では38.5度ほどになっていた。しかし素晴らしい源泉で良い泉脈があると思った。以前行った近くの観音温泉は泥沼状ではなく配管で川に捨てられていた。30度前後の湯であった。



 

※画像をクリックするとさらに大きな画像がご覧になれます。
この画面に戻る際はブラウザのバックボタンで戻ってください。
元のページに戻る
 このページの先頭へ
Copyright c 2010 Isamu Gunji All Rights Reserved.