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2012/11/01 九州 
九州温泉道 鹿児島、宮崎編1 

1霧島温泉  湯之谷温泉

九州温泉道という企画があり、主に私が選定した温泉施設や宿のうち88か所に入浴すると泉人になれるというものである。今回鹿児島を中心に廻った。湯之谷温泉は霧島の中心地、丸尾から少々山に入ってゆくと丸尾の滝があり、そこをすぎてすぐの温泉宿である。丸尾の滝は温泉成分が含有されていてやや白濁している。温度もヌルいそうだ。



湯之谷温泉は何度目かの訪問であるが変わらずに存在していた。木造の内湯に2つの源泉が注がれており、一つはヌル湯で炭酸泉と呼ばれている。ただし1000mgには達していないので正確には炭酸泉ではない。しかし炭酸味を感じる源泉である。



これが小さな浴槽に注がれており、大きな浴槽は44.1度の単純硫黄泉である。総計985mgでHS 0.2mg H2S 10.8mg S2O3 0.3mgの含有量である。この熱い浴槽は白濁し、少炭酸味、硫黄臭である。



ヌル湯のほうは透明白湯の華浮遊、少炭酸味、微硫黄臭であった。このヌル湯と熱い湯の混合浴槽が中央にあった。ここが適温である。露天風呂は離れにあり昔は入浴出来たが、今回は宿泊者専用になっていた。小さな岩造りの浴槽である。



2霧島硫黄谷温泉 霧島ホテル

霧島ではいわさきホテルと並ぶ大きな宿で、緑渓湯苑などとも並ぶ大湯量の温泉宿である。大きな千人風呂の内湯浴槽があり深くかつ広いので50メートルプールのような大内湯が名物である。久しぶりに訪問した。



その大浴槽の周囲にも小さな浴槽がいくつかあって、これらは鉄泉、明礬泉、塩類泉、硫黄泉と4つに分かれている。しかし違いは湯が透明か、白濁かの違いで便宜上の泉質名の違いにしているが分析表が4枚あるわけではない。



代表的な一番大きな浴槽の湯は薄白濁、少明礬味、少硫黄臭であった。奥に行くと内湯を出て露天風呂になるがここの湯が明礬味が濃く、色も白濁しもっとも成分が多いと感じた。



塩類泉は透明、無味、無臭であまり存在感はない。昔は別棟に明礬泉、硫黄泉、鉄泉の3つの浴槽が並んだ温泉があったが現在はなくなってしまった。とにかく大きな内湯で国内でも屈指の千人風呂といえるであろう。



3湯穴温泉

宮崎県に入って都城に向かう途中にある個性的な鉱泉の入浴施設。炭酸を充分に含有し、CO2 677.9mgで炭酸泉に近い。温度が22.5度しかないのでCa-HCO3冷鉱泉である。総計2723mgでカルシウムが370mgも入っているので炭酸カルシウムとなって析出し、浴槽の縁は析出物でいっぱいである。九州温泉道には私が推薦した。



湯の存在感も大きく茶褐色に濁り、炭酸鉄味、弱金気臭であった。湯面近くは析出物が迫り出し庇のようになっている。個性的温泉の一つである。



湯の色、味、匂いも変わっており、良い泉質であった。源泉に触れられるのが良い、よく加熱の温泉は源泉に触れられないで循環していることが多いが、ここは湯口のカランが自在で温泉の感触を楽しめるのが良い。たくさん投入すれば加熱掛け流しである。このような鉱泉の使い方がベターである。



4湯之元温泉

霧島の東側の山麓は宮崎県の高原町になっており、日本有数の炭酸泉湧出地域である。近くに極楽温泉、血捨の木(東霧島温泉)、皇子原温泉などの炭酸泉または炭酸含有泉がある。温泉がたいへん良い使い方になっていた。



この湯之元温泉は21.6度の含炭酸重炭酸土類泉(CO2-Mg、Na、Ca-HCO3)で炭酸の含有量は1314mgである。使い方が素晴らしい。源泉のままの高濃度炭酸泉と少加熱の中濃度炭酸泉と加熱した赤い浴槽の3ヶ所があり、炭酸の温度による含有量が入浴することによって分かるというものである。



まず高濃度浴槽に入ると炭酸清涼感が体感できる。そしてものすごい量の気泡が身体中に付着する。味は炭酸えぐ味である。匂いは炭酸の刺激臭がする。弱く加熱した中濃度炭酸泉も気泡が付き、ややヌルメの浴槽である。



加熱した浴槽は鉄分の含有が5.3mgあるので赤く濁り、炭酸味も弱くなっているに従い、鉄渋味が出てくる。匂いも金気臭である。炭酸泉の劣化の状況が分かる日本唯一の温泉であろう。



庭には以前から変わらずに飲泉場がありここでペットボトルに源泉を汲むことも出来る。宮崎の誇る炭酸泉の名湯といって間違いないであろう。



5サンヨーフラワー温泉

私が以前出版した「日本全国マル秘湯」という本で紹介した温泉。温度がありながら、炭酸分を含有しているので入浴すると少し熱く感じるという、炭酸清涼感がある。



露天風呂が掛け流しで良い。浴槽の縁は赤く染まりこの温泉の存在感がある。湯は46.1度の重炭酸土類泉(Ca、Na,Mg-HCO3)で総計3330mgとなかなか多い含有量である。



46.1度の温度ながら炭酸を647mg含有しており、長湯などよりも炭酸泉という感触がある。特記するべき際立った個性はその匂いであろう。



香ばしい匂いがして炭酸刺激臭ではない。どちらかというと掘削直後のノッチタンク入浴のような香ばしい香りである。湯口から香っている。芳香である。



6神の郷温泉

以前違う名前だったときに訪問した温泉。以前は紀の島温泉と言った。温度のある土類重曹泉(Na、Mg、Ca-HCO3)が湧出しており毎分2000リットルを誇っている。



そのため男女とも内湯、露天風呂ともに豪快な掛け流しである。ここも炭酸分を充分に含んでおり、入浴したときに熱く感じる体感清涼感を感じることができる。湯がたいへんフレッシュである。析出物も浴槽の縁に付いており雰囲気は良い。



透明、炭酸味、少香ばしい香りと観察した。宿泊者専用温泉や部屋付き露天風呂も掛け流しで良い温泉である。




7妙見温泉 おりはし旅館 宿泊

おりはし旅館の旧館の2階の風情が良く、ここに泊まりたいなあ、とかねてから思っていた。このたびまさに2階の角部屋に宿泊できた。欄間の透かし彫りが素敵である。2面が窓で廊下が廻っており古い造りで私の好みの部屋である。



デザイナー系や新築おこもり系の宿などより私はこのような昔ながらの客室に感動する。湯は妙見同系の土類重曹泉(Na、Mg,Ca-HCO3)で46.9度である。総計は2211mgと比較的少ないが湯の存在感はある。





薄緑褐色で炭酸の痕跡のある味覚で、少エグ味もある。匂いは土類臭であろう。内湯は4分の1円形の浴槽に掛け流しされている。

内湯

露天風呂は庭園風岩組である。離れにキズ湯という浴舎があり入りに行った。33度のヌル湯でキズを治すのであろう。また51度の源泉も引かれているので熱い湯にも入れる。

キズ湯

 

 



 

 

 

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