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東北
2012/05/03 東北 

鳴子の野湯3か所ほか 荒湯、片山、湯の川

鳴子温泉郷2日間

1川渡温泉 藤島旅館 (再訪)緑白濁、たまご味、硫黄泉多しHS 1.5 S2O3 0.6 H2S 0.7にしては硫黄分多く感じる。



川渡温泉の老舗旅館。大きな木造の宿である。湯治旅館であるが、入浴料金200円で公衆浴場的にも使われている。以前訪問した通り、立派な玄関があり奥に浴室がある。四角いタイル貼りの大きな内湯が一つのみの簡素な温泉である。



硫黄分で緑白濁し、たまご味+苦味残る、硫黄臭多目、と観察した。分析表ではHS 1.5mg S2O3 0.6mg H2S 0.7mgながらそれ以上の硫黄分を感じる。大きな浴槽に掛け流しで良い温泉であった。



2川渡温泉 共同湯 (再訪)

黄緑色、たまご味、少甘味、硫黄臭あり。HS 2.0 S2O3 4.7 H2S 1.4にしては硫黄分多く感じる。



川渡温泉にある木造の共同湯。柱が表面に出た真壁造りの小さな建築である。立方体の屋根に湯気抜きの小屋根が付いた外観である。中は内湯が一つの温泉でタイルの床に石の縁の浴槽があった。掛け流しの湯の色が美しい。黄緑色白濁でたまご味、少甘味、硫黄臭が多めである。



藤島旅館より硫黄分が多く感じた。熱い湯とのことであったが今回は適温やや熱めで良い温度であった。腰までは白いタイルでその上は木造の壁である。高い天井に湯気抜きが付き共同湯の造りである。硫黄の含有量よりも匂いや色、味覚に硫黄分を多く感じる良い湯である。



3鳴子川の湯

野湯 黒い湯、白い湯あり足元自噴



鳴子の前に流れている大きな川には温泉が湧出し、そちこちでゆけむりが上がっている。河原に湧出しており、足元湧出源泉である。硫黄泉で白い湯と鉄分のある部分は黒い湯になっている。真っ白な沼と、黒い湯の流れがあり湯気が立っている。黒い湯の付近で底をスコップで掘り入浴した。沈殿していた黒い析出物が舞い上がり、その泥で真っ黒である。



少甘味で酸性はない、白い湯の部分でも入浴した。同じ泉質であるが鉄分が無い地点であろう。強い硫黄臭があり鳴子の東多賀の湯、西多賀の湯あたりの源泉に似ている。鳴子の温泉の実力が大きく、河原にも自噴してしまうという、素晴らしい温泉地であることを再認識した。



4鳴子温泉 紫雲峡

鳴子一の析出物の多い浴槽 うろこ状になっている



鳴子の川の対岸は末沢地区であるが、その中に鳴子一の析出物のある温泉があるというので行ってみた。65.5度のNaCa-HCO3、SO4泉で総計2091mgの源泉である。コンクリートの2階建てのホテルでささ濁り、少エグ味、微油臭と観察した。湯は石膏を含む重曹泉である。



個性は少ないが析出物で床がうろこ状になっており、浴槽の縁は析出物で大きく盛り上がっている。鳴子では随一であろう。石膏重曹泉の重曹分が析出するのであろう。黄色いキャラメルのような析出物が付着してごてごての浴槽の縁になっている。壮観である。



5荒湯地獄 (再訪)

野湯 透明、酸味、少硫黄臭 PH 2.0くらいの酸性泉。上下にスポット多し



荒湯地獄に再訪した。荒涼とした地獄地形で草木一本も生えていない真っ白な光景の中に温泉が湧出している。以前は真っ白な砂地を下って行ったが、今回は林の中を行った。沢が合流する地点で、それより上流は激熱で入浴不能である。今回は大きな浴槽が3ヶ所造られており快適に入浴できた。湯は透明な酸性泉でPH2.0ほどであろう。硫黄分は少ない。草津温泉のような感触である。



草木の生えていない白い斜面から湧出した源泉は滝のようになって下り落ち一部、淵のようになった地点で入浴できる。また合流する沢のほうにもブルーシートで造られた浴槽があった。荒湯地獄は白い砂で覆われた広い火口のような風景で噴気が出ているがそれが集まり、1ヶ所から沢に向かってV字谷になって流れ出ている。黄色い湯道になり湧出直後は100度近い高温であろう。



それが滝となって冷まされ入浴できる。湯は透明ながら酸味があり、硫黄臭は少ない。



6片山地獄 (再訪)

野湯 青白濁、少酸味、硫黄苦味、硫黄臭 37度前後 入浴スポット多し



地熱発電所の横を通り血の池沢に沿って湯の川が流れている。荒湯地獄と比べこちらは川が適温でどこでも入浴できる。酸味は少なく青白濁、少酸味+硫黄苦味、硫黄臭ありと観察した。



こちらは硫黄泉であろう。白い斜面や茶色の崖に覆われた沢は荒湯のような真っ白ではないが噴気が所々に立ち昇り野趣に富んだ光景である。裸足で登ってゆくと高温の噴気の場所があり危険である。しかし多くの入浴スポットがあり沢を200mほど入浴して歩いた。



深い部分は肩までしっかりと入浴できて快適である。いろいろな角度から写真を撮り、入浴を繰り返し時間の経つのを忘れてしまうほどであった。

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2012/04/14 東北 

後生掛温泉と野湯2か所、乳頭温泉

1後生掛温泉 湯治部泊

 ここの湯はパワーがない加水のためか?硫黄臭はほぼ無し、少酸味 加水しかし泥湯は楽しめる。

玉川温泉から路線バスで後生掛温泉に戻った。今日はここの自炊部に宿泊である。2食付8500円ほどで5千円台の鉛温泉の安さが分かる。さらに部屋は4畳半だし。しかし山登り後の宿泊には快適だ。

昔から変わらない浴場に行き薄く泥色に濁った弱い酸性泉に入浴する。泥湯も健在だ。しかし泥湯は新鮮味が無い。自炊部の1階はみなオンドル部屋で夏はさすがに暑いだろうと畳部屋にしたが正解であった。

夏の暑い中オンドルでは寝られないそうだ。入浴で暖まった身体を高原の涼しい風が心地よい。虫が多いので網戸にして寝る。テレビは見ないほうだが、この部屋にはテレビも付いていなかった。早くから寝たので早朝暗いうちに起きたが、二度寝をした。

湯は単純硫黄泉の88.4度で水素イオン(H+)0.63mg含有しPHは3.2である。S2O3が3.5mgで硫黄泉の名前が付いている。HSもH2Sもゼロであった。薄墨色濁り、少酸味、ほぼ無臭。であった。湯は高温のために加水掛け流しで使われている。総計も311mgでほとんど単純泉に近い温泉である。

2 叫び沢温泉

 薮こぎ10分で朝露で全身びっしょりとなる。途中の崖に転落1mくらいだが、このとき足を痛める。沢に出ると本流の横に白い硫黄泉が湧出していた。浴槽のようなものもあり快適。もしものためにガスマスク使用。

後生掛温泉から玉川温泉の近くの叫び沢に行く。道路から上部の噴煙は見えるが、入り口の部分は踏み跡がかすかに残る程度の藪である。硫化水素が発生するため立ち入り禁止の看板がある。そこでガスマスクを付ける。

硫化水素は濃くなると無臭になり突然倒れるということなので用心のためである。主に笹の藪漕ぎはそうたいへんではないが、朝露に濡れていて全身がびっしょりに濡れる。藪を抜けて岩肌の出ている沢に出るまで10分ほどであるが全身下着まで濡れてしまった。さらに足元が悪く、沢側にある大きな穴に落ち込んでしまい。足を痛めてしまった。しかし直後はそれほどの痛みは無く、沢登りを続けた。

沢に出るとすでに薄く白濁した湯が流れている。しかし温度が無い。しかし少し上流に行くと真っ白な硫黄泉が湧出している場所があり温度も36度ほどある。硫黄臭が強くガスマスクをしていても感じるので危険地帯であろう。それ以上上流に行くのを止め、その源泉に入浴した。一部浴槽のように掘り下げられ快適な野湯であった。酸味はなく、白濁、硫黄甘味、硫黄臭多し。と記録した。

3 見張りの湯

 林道10キロ強で分岐、右に1キロほどでゲートここから下り30分で吊り橋。その先の小屋裏に露天風呂帰り徒歩40分ほとんど登り。単純硫黄泉と思われる

玉川温泉の下流の沢に湧く温泉で林道を奥深く入ったところから歩き30分ほどの温泉である。ガソリンの残量が少なく心配しながら林道を走る、しかし10キロ強ということなので大丈夫であろう。いくつかの分岐があり、そのたびに道のしっかりしているほうを選ぶがこれで行き着くのか非常に不安である。

そんななか10キロすこし行くとT字路になり右側に立ち入り禁止の看板があった。ここを過ぎると急な下りになり1キロ前後で太いワイヤーの張ってあるゲートに着いた。ここの場面は事前調査の写真で分かっていたので間違いないことが確認できた。

さて徒歩になり林道を下ってゆくが、道は急で4輪駆動でないと戻れないであろう。そのためゲートを付けたと思われる。単調な下りを30分弱続けると平地になりしばらく行くと吊り橋で林道が終わっていた。吊り橋を渡り疎林のなかを歩くと2階建ての小屋に行き着いた。しかし温泉はない。

しばらく探すと小屋の裏手に露天風呂が見つかった。その裏の沢が源泉で高温の湯が自噴して大量に流れている湯の川であった。しかし高温で入浴不能である。川の底はビロードのような硫黄華が繁茂していて白い川になっている。

露天風呂のほうは少量加水されており適温になっている。無人の露天風呂ながらうまく調整されている。さて湯は単純硫黄泉であろう、白い湯の華が舞い、透明、たまご味、無臭であった。石で造った立派な浴槽で旅館の露天風呂のようである。硫黄分は少ないのであろう、ほぼ無臭であった。帰りはずっと登りで40分ほどでゲートに着いた。

4南玉川温泉

 Fe2+3 2.9+0.9は間違っていると思われる。Fe 25から30ほどに感じる。驚くべき真っ赤な湯。 総計5196mgの芒硝泉 60.1度は強力。

乳頭温泉の妙の湯は新装なってからまだ行ってないので、10年以上のご無沙汰である。あの赤い湯に行こうと思い玉川の沢を下って行く。新鳩の湯を過ぎ、ダム湖のほとりに南玉川温泉が新しく出来ていた。

ここは忘れていたが未湯である。気が付いてよかった。さっそく入浴に行く。新築の木造宿で太い柱で立派に造ってある。瀟洒な宿である。湯が強力である。総計5196mgの芒硝泉で60.1度である。国内でも屈指の芒硝泉であろう。湯が赤いという情報を知っていたが驚きの赤さである。オレンジジュースのような明るい赤で透明度30センチほどである。

塩分が少ないのが珍しく、味覚は個性的でエグ味で渋味残るであった。ほぼ無臭。内湯と露天風呂がありともに掛け流しで使われ良い。露天風呂は掛け流し量が多く熱い湯になっており、45度ほどであった。

分析表ではFe2が2.9mg Fe3が0.9mgと少ないが沈殿後の分析ではないだろうか?あの赤さと渋味は30mgくらいあると思われる。赤い湯の南玉川温泉は日本屈指の芒硝泉であった。

5 蟹場温泉 (再訪)

 この頃から叫び沢で滑落した足が猛烈に痛くなる。単純硫黄泉 湯の華ちらほらのきれいな湯

乳頭温泉には何度も来ているが蟹場温泉は久しぶりである。私が以前行った時は、露天風呂が長方形で現在のような石組みではなかった。やはり10年以上は行ってないことになる。まず露天風呂の唐子の湯に行く。綺麗な木造の東屋風の脱衣場が付いた混浴の露天風呂で大きな岩組浴槽である。

透明、たまご味、微硫黄臭の単純硫黄泉であった。HS 3.2 H2S 0.1である。42.9度 総計758mgの分析表があった。内湯は渡り廊下で行く。木風呂が良い。秋田杉の造りの浴舎と浴槽でなかなか風格がある。ほかに岩風呂があるが一般的なものであった。掛け流しで利用されていて良い温泉である。

乳頭温泉のなかでも孫六とここ蟹場が透明な湯である。ともに硫黄分もあり湯の華がちらほら見える程度である。孫六は薄く白濁することもある。乳頭温泉の6軒の一軒宿はみな個性が違って面白いものだと思った。

6 妙の湯温泉(再訪)

 ほとんど片足が付けない状態になる。私の歩き方を見て女将さんが湿布薬を貼ってくれる。混浴の浴槽に行ったり来たりしている不審な男がいて頭にくる。 赤い湯は酸性泉で酸っぱい

妙の湯も新築になってから始めて訪問する。和風の小さな宿である。金泉と呼んでいる赤い酸性CaMg-SO4泉と銀泉と呼んでいる単純泉の2本の源泉がある。金泉は56.3度の酸性 含苦味石膏泉で鉄分をFe2 9.8mg Fe3 4.2mg 合計14mg含有し赤い湯である。水素イオン(H)は3.04mgでかなり酸味がある。

男女別の浴室には透明な単純泉を使った木の浴槽の内湯と赤い湯の露天風呂がある。奥に混浴の露天風呂があり堰堤の滝を見ながら入れる露天風呂が赤い湯である。

単純泉の透明な混浴露天風呂もあるが、渓谷沿いの赤湯の露天風呂が圧巻である。堰堤の滝が見えて開放的な露天風呂である。総計1291mgと薄い温泉であるが3.04mgの水素イオンと14mgの鉄分でたいへん存在感のある湯になっている。

赤褐色、酸味、少金気臭と記録した。宿の風情も洒脱に造られ、情緒のある和風宿であった。

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2012/04/08 東北 

東北の湯治場と野湯4か所 火口の温泉

1 見立温泉

 林道に着くまで道路決壊のため、進入禁止のポールが2ヵ所ある。それらをどけて先に進むが林道はレンタカーのビッツでは腹をこすり放し、いつ亀の子状態になりそうな荒れた林道で諦める。村まで戻り、交渉の末軽トラックで案内してもらうことに成功した。温泉は私が引き返した地点より1キロほど先であった。入口は草に覆われ案内人がいなければ分からなかった。適温の良い温泉

夏油温泉の山を下り、錦秋湖畔を通り穴湯っこの奥にある見立の湯に行った。以前から知っていたが、なぜかまだ未湯で残っていた。道路から徒歩5分と聞いていたので安心していたが道路が決壊していて通行止めである。

最後の民家のところでカラーコーンの進入禁止が立っていたが、行けるところまで行って見ようと、走ってゆく、まだ見立の湯入り口まで遠い地点である。道路は舗装してあるがこの夏は通行止めで人が入っていないのであろう、草が両側から伸びて細い道幅になっていた。不安ながら走ってゆくと2つ目の通行止めがあり、路肩がえぐられそうになっている。ここも突破してついに未舗装になる。

しかし雨のために路面が荒れていて、レンタカーでは腹が摺りっぱなしである。いつか進退不能になるのを恐れて引き返した。迷っていると釣り人が現れ、見立の湯を知っているという。その人を乗せて再度林道を戻り、案内してもらうが入り口がわからない。先ほどより奥まで行ったが、その人も入り口が分からないと言った。

しかたがなく民家のところまで戻り人を探し、見立の湯の入り口を聞いた。しかし言葉では分からないので、その人の軽トラックに乗せてもらうことになった。案内してもらった。謝礼は受け取らなかったが最後にトラックの椅子のところに置いてきた。

先に引き返したところの1kmほど先であった。比較的新しい見立の湯の看板はあるが、入り口は草に覆われ分からなくなっていた。道路からすこし入ると、明確な道が付いておりほんとうに5分くらいでタイル貼りの浴槽に到着した。すこし手前にコンクリートの源泉槽がありそこからパイプで引いているそうだ.。

その源泉槽の沢に手を入れると適温の湯が流れていた。こちらでも子供プールで入浴出来そうである。さてタイル浴槽は2連になっており今回は片側にしか湯は張られていなかった。透明、少苦味、無臭の湯で綺麗に掃除されていて快適である。39度ほどで夏は適温である。入り口は草に覆われてしまったが誰かが来て清掃したのであろう。快適な野湯であった。

2 鉛温泉 藤三旅館  (再訪)

 湯治部泊 足元湧出温泉の白猿の湯は健在。

鉛温泉の湯治部に泊まって良かった。2食付で5800円ほどである。驚いたことに、食事は部屋出しである。木造3階の古い棟で、旅館部のとなりにある。3連休とあって若い人や女性のグループも見受けられた。ここ藤三旅館の名物は混浴の内湯で大きな吹き抜けの底にある白猿の湯であろう。

私もそのために再訪した。天然岩を刳り貫いた足元湧出源泉浴槽で深いので立って入浴する珍しい温泉である。大きな空間と長年使われた浴槽で風格がある。まさにこの足元から湧出しているのが素晴らしい。

昔は河原であったのであろう、半地下のような大きな空間で高い天井の銭湯よりもさらに大きい空間である。湯治部では河鹿の湯という内湯と桂の湯という内湯と露天風呂が付いた浴場も利用できる。桂の湯は露天風呂が2つあり一つは豊沢川の清流に沿った野趣に富んだものであった。以前あったアトミック風呂は改修され白糸の湯、竜宮の湯となった。こちらは旅館部専用である。

部屋は一人旅では充分な広さの6帖間で、一人でくつろいでいると湯治部で充分である。湯は下の湯源泉と河鹿の湯源泉でともに単純温泉で50.2度と50.4度である。透明、無味、無臭のきれいな湯ながら掛け流しで使われよい温泉である。

3 大沢温泉 (再訪)

 ここの自炊部か菊水館に泊まりたかったが満室。菊水館は8月の予定まで聞いたが、休前日全室予約済 アルカリ性単純泉 透明、無味、無臭 つるつるの湯 CO3 23.7mg

大沢温泉は鉛温泉の下流にある大きな一軒宿。山水閣と自炊部、菊水館の3つに分かれている。茅葺きの建築で風情のある菊水館に泊まりたかったが、大人気で予約は一杯である。ちなみに7月だけでなく8月もすべて満室であった。

都会の人は乳頭温泉の鶴の湯やここなどの茅葺きの宿に泊まってゆっくりとしてタイムスリップしたいのだと思う。私もその一人である。自炊部も満室であった。泊まれなかったので朝に日帰り入浴した。

まずここの有名な混浴露天風呂の大沢の湯に入浴した。豊沢川に沿った大きな露天風呂で水色のタイルが底に貼ってあり明るい露天風呂である。透明、無味、無臭ながらつるつるの湯で分析表を見てみると51度のアルカリ性単純温泉でCO3が23.7mgも含有されていた。

対岸に見える菊水館の茅葺きの棟の風情が良く泊まりたい宿である。次に菊水館の内湯、南部の湯に行く。木造の浴槽に伊豆石の床で窓を開けているので半露天風呂のようだ。自炊部の大浴場はコンクリート造の薬師の湯で2つの浴槽がある。

最後に山水閣にある半露天風呂の豊沢の湯に行った。大きな岩を組んだ内湯ながら窓が開放され半露天風呂になっていた。51度のアルカリ性単純温泉が毎分753リットルも湧出し湯量豊富な温泉である。

4 鬼が城温泉

 後生掛から徒歩2時間 硫化水素の心配ありでガスマスクにて入浴

花巻温泉郷から高速道路に乗って八幡平に来た。後生掛温泉の自炊部に「本日泊まりますがこれから焼山の温泉に行きます」と告げて登山道を登り始める。なんとこの登山道は後生掛温泉の浴室の渡り廊下の間から始まっていた。

アスピーテ型火山である八幡平は急峻な山ではなく。緩やかな傾斜である。しかし徐々に高度を上げて1時間もすると全身汗だくになった。ひとりの山行は不安なものである。前を歩いていたカップルに話しかけ一緒に登って行った。また鬼が城、硫黄取りともに硫化水素ガスの不安があり、また火口のために急斜面であるなどの、事前調査が不安を募らせていた。

もうせん峠までの登りを過ぎると、稜線に出て楽になる。次の名残峠までの間に鬼が城の火口温泉があるのだ。後生掛温泉から玉川温泉までを結ぶ登山道は整備され不安はない。後生掛玉川中間点の道標を過ぎると非難小屋がありここで昼食とした。

この小屋の中で6人のパーティが居てこれから鬼が城の温泉に行くと言うと、その人たちも行くことになった。私はガスマスクを持っているがその人たちは危険である。しかし確かめながら行くと言い私に付いて来た。鬼が城の火口を眺める稜線に出ると素晴らしい光景である。真っ白な水面と背後の沸騰する噴気群が見えた。

急斜面を下り一番手前に足を付けてみるとヌルい温度である。32度くらいであろう。足元は白い析出物が泥田のように堆積し足が沼のようにもぐる。中央部や対岸は猛烈に温度が高そうであるが手前側ならばヌル湯であった。少し深いところまで行き入浴した。湯は万座に似たPH3くらいの酸性硫黄泉であろう。濃い白濁、酸味、強い硫黄臭と観察した。

5 硫黄取りの湯

 鬼が城の裏手の沢、20分から30分の歩きで着く。帰りの急斜面の登りが疲れる。 この後玉川温泉まで1時間半

鬼が城の温泉に入浴した後に近くの硫黄取りの湯に向かう。登山道から反対側の稜線の鞍部に向かい登り、沢を見下ろす。10分ほど進むと噴気のある地点が見えてきた。そこには茶色に染まった木材もあり、硫黄取りの湯だと思い急斜面を下って行く。

落石を発生させながら下ってゆく。下に人がいたらたいへんである。噴気地点に着くとそれは大きなボッケ(沸騰源泉)で2mほどの湯溜りが沸騰していた。さらに横にはやや高温の硫黄泉が湧出している場所も発見した。

ボッケから湧出する湯が沢水と混じり適温になる地点と、硫黄泉の湧出している下流で入浴した。さらに下流にはもっと源泉があるということだがここで引き返した。湯は酸性硫黄泉で白濁、酸味、硫黄臭という強い硫黄泉の典型のような源泉である。鬼が城と同系と観察した。

6 玉川温泉の川

 登山道から玉川の噴煙を見ながら下ってきて、一番最初に渡る沢。白い水だなあと思い、手を入れてみると適温、硫黄臭の良い湯であった。

鬼が城と硫黄取り温泉に入浴し後生掛温泉に戻ろうと思ったが、玉川に下るほうが近いというので玉川温泉に下った。山の上からもはっきりとわかる玉川温泉の噴気群が見え出した。山登りの終点に近づいた。荒涼とした玉川温泉の源泉地帯が大きくなりついに下り付いた。至るところから噴気が噴き出し、壮絶な景色となった。

階段の登山道を下りきってから最初に川を渡るが、その色が白濁している。興味本位で下って手を入れてみると適温の湯が流れていた。白濁、硫黄甘味、硫黄臭の湯でそちこちの噴気から溢れた湯が沢に流れ込んで温度があるのであろう。玉川大噴きの強酸性泉ではなく白濁の硫黄泉である。酸味はなかった。橋の上下たくさんの入浴スポットがありいろいろ楽しんだ。

温泉めぐりは予定以外のこういう楽しみも醍醐味である。しかし玉川の岩盤浴のところにある露天風呂がカラであった。入浴しようと思っていたが残念。

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2012/03/31 東北 

夏油温泉周辺の温泉 5か所

7月のレポートです。

1瀬峰坂温泉 宝珠の湯 

 温泉センター系 加水 オーバーフロー循環 総計8379mgもの含Rn-NaCa-Cl 59.5度 

 加水が残念 

 

夏の3連休に湯治宿に泊まって、山の野湯に行こうと出かけた。久しぶりの夏油温泉に向かう途中に新しく瀬峰坂温泉 宝珠の湯という温泉センターが出来ていた。分析表を見ると総計8379mgのNaCa-Cl泉で59.5度という強力な温泉が湧出している。タイル貼りの内湯のみの温泉で大浴槽とヌル湯浴槽の2つだけがあるシンプルなものであった。

 

大浴槽はオーバーフロー循環で少加水していると思われ透明、塩苦味、無臭であった。ヌル湯浴槽は加水が多く薄い湯であった。小さな源泉掛け流し浴槽があれば良いと思う施設であった。

 

2 奥夏油温泉 

 夏油から登山道および林道を約1時間 往復2時間強 豪雨の後で浴槽も源泉もなにも無かった。源泉近くの

 温泉の匂いがするところの川で水浴した。

夏油温泉に10年ぶり以上になるが訪問した。記憶も薄くなり良い湯であった記憶はあるのだがゆっくりと確認しようと思った。その前に夏油温泉の奥にある奥夏油温泉に行こうと出発した。夏油温泉の入り口にある登山道を登り、山の中腹に通っている林道まで急な坂である。すぐに林道に出たのでそれを行くと、天然記念物に指定されている巨大石灰華の天狗岩に行く道であった。350mと書かれていたので見てゆくこととした。

 

高さ30mはあろうかという巨大な石灰華ドームが川の対岸にあった。二股ラジウム温泉のような大きなものであった。さてさらに山道を登り林道に出ると両側から草の生い茂った荒れた道で落石や決壊もあってもう徒歩でないと行けないであろう。林道も結構な登りで、久しぶりの山歩きに全身汗だくになった。

 

途中で右から沢が横切っているところで少休止して、その後10分ほどで林道が終わり川原に出た。元湯夏油で聞いたところ、大雨で崩されて無いかもしれないとのことだったが、やはり何も無かった。上の堰堤までの間をくまなく探したが温泉らしきものは発見できなかった。しかし川原の一部で香ばしい温泉の香りがする地点があり、その近くの川で水浴びをした。

 

3夏油温泉 (再訪)

 1目の湯 足元湧出温泉 炭酸味が感知出来た。濃いNaCa-Cl SO4泉 4100~5400mg 

 2真湯   横に自噴穴のある浴槽 

 3疝気の湯 足元湧出温泉 湯の香が良い 

 4大湯 天然岩の足元湧出温泉 

 5滝の湯 浴槽横の穴から湧出 

 5ヶ所とも混浴 

 6洞窟の湯(蒸し風呂) 以前は入浴できたが、今回は蒸気のみ

 

 夏油温泉に泊まり、ゆっくりしようと思い出かけたが、うまく旅程が合わず日帰り入浴にした。今回は花巻周辺の鉛温泉と後生掛温泉の湯治部に泊まる予定とした。元湯夏油は大きな湯治宿でいくつもの棟が並び、湯治がまだ残っている宿で貴重である。2つの内湯と5つの露天風呂があり露天風呂のうち3ヶ所は足元湧出浴槽である。残りの2ヶ所も浴槽の横に源泉穴があり溢れた湯が゙浴槽に注がれる湧出状況が見える温泉であった。

 

まず一番下流から入浴していった。川の対岸にある目の湯は足元自噴源泉浴槽で天然岩が露出しておりその底から温泉が湧出している。混浴の露天風呂であるが小屋掛けしてあり半露天風呂のようになっている。4から5グラムほどの芒硝食塩泉と思われ重曹分も入っていると感じられた。足元自噴の温泉は新鮮で、透明ながら塩炭酸エグ味が感知できた。

 

匂いもあり特有のえびせんのような香ばしい香りである。特に味覚に清涼な炭酸味が感知できたのは嬉しい。目の湯の向かいにあるのが小屋掛けしてある真湯である。総計4129mgのNaCa-Cl泉で55.1度PH6.4の源泉である。混浴の岩風呂でコンクリートで固められた浴槽が一つある。透明、塩エグ味、無臭で浴槽の隣に自噴の源泉穴がありそこから浴槽に湯ガ流れてくる仕組みであった。

 

少し上流にあるのが疝気の湯で小屋掛けしておらず完全な露天風呂である。岩肌より足元自噴している源泉で渓流側が半円形にコンクリートで固められている浴槽である。夏油温泉の露天風呂の中ではヌル湯で40度前後である。

 

足元より気泡が出続けており、透明ささ濁り、塩エグ味+炭酸味、湯の香あり。と観察した。ここでも新鮮な湯のために炭酸味が感知できて良い。疝気の湯の上に滝の湯がある。ここは露天風呂といいながら内湯のように小屋の中の温泉である。一つの小判型の浴槽が2つに仕切られており熱い湯、ヌル湯になっていた。ヌル湯でも42度ほどあり、熱い湯は46度ほどある。

 

NaCa-Cl泉の54.1度で総計5391mgの源泉である。浴槽の横に源泉湧出口があり自噴の源泉が浴槽に溢れて流れる方式である。やはり新鮮な良い湯で透明、塩エグ味+弱いたまご味、少湯の香であった。一番上流に小屋掛けしてあるのが大湯で天然岩の掘り込み浴槽で足元湧出源泉浴槽である。NaCa-Cl,SO4泉の59.8度で総計5142mgである。夏油温泉は全部の浴槽の湯が微妙に違うが、ほぼ重曹や芒硝を含む食塩泉で総計も4グラムから5グラム強というものである。

 

炭酸も少量含み熱い源泉にもかかわらず感知できる温泉である。大湯の分析表によると様々な成分が何でも適度に含有されているもので、療養効果が高いと推測できる。Na 908 K 143 Mg 56 Ca 457 Cl 1773 HS 0.2 SO4 696 HCO3 378 H2SiO3 286 HBO2 163 CO2 270 などである。透明、塩エグ味、少硫黄臭ありと観察した。

 

夏油観光ホテル側から登ったところに洞窟風呂がある。昔は湯が゙張ってあり、入浴できたが現在は蒸し風呂として湯は流れ去っていた。床には析出物が溜まり千枚皿のようになっていた。ここも以前のように入浴できたら良いと思った。

 

4入畑温泉 

 単純泉、透明、無味、無臭 循環 

夏油温泉からの帰りに、8年前に出来た未入浴の入畑温泉に寄った。ダム下の川原にある白い三角屋根の温泉で宿泊2食付で5000円からという安さである。入浴料も300円と安い。40度の単純泉で総計629mgの源泉である。

 

渓谷沿いの内湯のみで簡素な温泉である。しかし透明、無味、無臭、加温、殺菌で個性はなかった。

 

5瀬美温泉 (再訪)

 つるつるの湯 掛け流し 美人の湯はつるつる無し  長寿の湯と夢の湯はつるつる 以前の記憶のまま

 CO3 21.6 総計427mg 

 

以前に訪問して、つるつるの湯ガ記憶にある温泉。今回は新館ができており、浴室も3ヶ所に出来ていた。まず以前からある混浴の露天風呂が付いた美人の湯に行く。45.1度の単純温泉で総計615.5mgを入れており透明、金気味、微金気臭の湯である。つるつるは無く、弱いすべすべ感があるだけであった。

 

四角い内湯の外部には少し下がったところに混浴の露天風呂があり、以前来た時と変っていなかった。しかしもっとつるつるした記憶があったが、と思って2ヶ所目の内湯の夢の湯に行ってみると別源泉で総計427mgの単純温泉である。

 

42.2度、CO3が21.6mg含有されたつるつるの湯であった。夢の湯の先に長寿の湯があり、内湯が素晴らしい。掛け流しの湯が床を流れ波紋が出来ている。つるつるはやや強しであった。長寿の湯に付属の露天風呂は四季の湯と命名され川沿いの石組み露天風呂である。こちらは中程度のつるつる感であった。ほかに総計315.9mgで35.8度の源泉もあり3本の源泉があると思われる。

 

 

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2011/12/21 東北 

山形の名湯、ゆーチェリーと舟唄温泉 

1大井沢温泉 湯ったり館  

月山を高速道路のような良い道で越えると寒河江川の沢に下ってくる。月山湖より朝日連峰のほうに遡ると大井沢の集落がある。この先は黒鴨温泉まで林道が続いているがこの雪では行けない。この奥の古寺鉱泉は雪で閉鎖であった。

 

 





 

大井沢に温泉が出来てから行ってないのでこのたび訪問した。簡素な木造の日帰り温泉で内湯だけの施設である。湯は38.2度の溶存12130mgの芒硝食塩泉で濃いものである。しかし加温、循環、殺菌で残念であった。

 

透明、塩味、無臭の個性の少ない湯になっていた。男湯は木の浴槽で気持ちが良いが源泉掛け流しにして欲しい温泉である。よわいつるつるがあった。

 

2寒河江花咲か温泉 ゆーチェリー  

寒河江に素晴らしい温泉が湧出した。硫黄を含む食塩泉で私の好きな舟唄温泉に似ている泉質である。新しい温泉センターながら掛け流しで利用されており高い評価とした。

 

この源泉は花咲か温泉と命名されている。このほかに新寒河江源泉も使われておりこちらはモール系の単純泉ながら芳香と紅茶色の源泉で市民浴場でも使われている。

 

この源泉のほかに新たに掘削した源泉は花咲か源泉でこれが素晴らしい。59.4度の強食塩泉で総計23910mgである。HS2.1mg H2S1.9mg含有し、新鮮なので匂いと味覚に強い食塩泉ながら硫黄分の感触が良く残っている。

 

成分の骨格は土類食塩泉(NaCa-Cl)で苦味を持った強い塩味である。しかし硫黄のために薄く白濁し、湯からは濃厚な硫黄臭が漂っている。この少ない硫黄含有量にしては匂いがかなり多く新鮮さがわかった。

 

この薄白濁した花咲か源泉と紅茶色の新寒河江源泉が内湯に並んでおり、2色の温泉を楽しむことができる。新寒河江源泉も総計855mgの単純泉で50.7度と立派なものである。モール臭とも言える鉱物的な芳香があり赤褐色で存在感がある良い湯である。しかし花咲か源泉の素晴らしさに圧倒された温泉であった。

 



 

3舟唄温泉 柏陵荘  

舟唄温泉は変っていた。1年以上前に、源泉が温度低下をして成分も薄くなったと電話で私に相談があったのだが、その時は配管の亀裂による差し水があるのではないかと推測し、調査をする必要があると答えておいた。しかしその後どのようになったかは知らなかった。

 

この度訪問すると06年の12月に新源泉を掘削して以前の源泉に代わって使われていた。成分的には強力で、60.6度の含硫黄土類強食塩泉で総計18200mgのものであった。

 

硫化水素イオン(HS)9.6mg 遊離硫化水素(H2S)10.9mgと総硫黄20mg近くの本格的な硫黄分である。カルシウムも多く塩苦味も以前の源泉に似ている。

 

しかし鉄分がなくなり黒く無くなってしまった。今回は薄緑色透明、強い塩苦味+たまご味、硫黄臭であった。この源泉は緑白濁から白濁するそうで、今回は新鮮で透明に近かった。

 

4べに花温泉 ひなの湯   

山形空港から帰る最後に、べに花温泉に行った。大きな温泉センターで入浴料も250円と安い。山形県は全体に入浴料が安く、温泉センターでも300円が相場である。

 

湯は51.1度の食塩泉で総計2288mgの薄いものである。しかし湯の個性ははっきりとわかった。深緑色、少塩味、無臭である。源泉掛け流し浴槽があり高温湯となっている。

 

50度強の湯を掛け流しにしているので熱いのは当然である。薄いながら色と味覚に個性が現れている温泉で掛け流し浴槽もあるので良かった。

 

 

 

 

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