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中部
2012/07/29 中部 関東 

東京の黒湯と高山の炭酸泉、名古屋の温泉など

1弘城温泉 SPA和

都内の黒湯の温泉の中でも良い使い方で泉質もかなり濃い温泉である。17.8度の食塩重曹泉(Na-HCO3,Cl)で毎分200リットルの湧出量である。



内湯が加熱掛け流しで露天風呂は循環である。水風呂が掛け流しで使われている。総計1486mgで腐植質が124mgと多めである。黒褐色で透明度は4センチほどであった。



2      久松温泉

久松温泉に久しぶりに行った。池上駅の近くである。ここの温泉は規定泉で重曹とメタ珪酸によって規定されている。16.8度の鉱泉で総計が950mgなので重曹泉や食塩泉に入らないのである。



しかし源泉のままでは存在感があり黒色濃い(5センチ)少エグ味、無臭(循環でわら臭)以前より黒さが濃いような気がした。有機物は57.8mgである。またつるつる感もあり良い源泉である。



3      ヌーランドさがみ湯

蒲田温泉の近くにある大きな温泉センター。銭湯のほかに食事処も付いている。内湯の一つと露天風呂が温泉である。循環が残念である。カランだけでも自在にしてほしい温泉である。



源泉のポテンシャルは高く、総計2283mgで17.5度、毎分182リットルの湧出量である。純重曹泉で腐植質(有機物)が215mgと多量に入っている。黒色(6センチ)えぐ味、循環わら臭であった。



4      某マンション温泉

大田区の巨大なマンションに付属している温泉。入居者しか利用できないが、特別の許可で入浴した。源泉は黒い食塩泉で珍しい。



総計27400mgの強食塩泉で40度、黒褐色で透明度は30センチ、塩味、少臭素+少アンモニア臭である。循環、殺菌が残念である。



分析表には淡黄色、塩味、鉱物油臭、ガス発泡、ガス湧出ありと特別な記述が目立った。PH7.3で毎分100リットルの湧出量である。



分析表では特記成分にFe(鉄)が12.2mg NH4が109.4mg Br 64.5mg I 30.8mgなどである。大深度掘削の温泉としては黒味が強く珍しい。



近くのよこやまユーランドや平和島温泉などは薄い褐色なのであるが。ここは黒いのが珍しい。



5      荒城温泉

高山から新穂高寄りの丹生川に温泉が湧出した。この温泉が特別に個性的であるというので新幹線日帰りで行って来た。



1つの温泉でレンタカー代も含めると3万円を越すのは最高に高価な温泉とも言えるであろう。



高山郊外の丘陵地帯で小さな木造平屋の施設がある。分析表の数値は強力で二酸化炭素―土類重曹泉(CO2-NaCa―HCO3)である。炭酸の含有量は1158mgと立派である。



総計4744mgの源泉で温度は25.5度加温して掛け流しで使われている。



カルシウムと遊離二酸化炭素が融合して早速、浴槽の縁や洗い場は析出物で覆われていた。年々巨大な析出物となるであろう。



湯は茶褐色、炭酸えぐ味、炭酸臭で源泉は微硫黄臭も感知できた。



味覚ははっきりとした炭酸味があり、湯口からは炭酸の刺激的な匂いがしている。なかなかインパクトのある温泉でこのまま加熱掛け流しを守ってもらいたい温泉のひとつである。





6      一宮温泉 グランドビラ

ラブホテルの温泉、別棟形式の一軒宿方式のホテルである。最高に高い温泉に行ったついでにさらに散財した。満室で園内をぐるぐる廻るが空いていない、少し経って和室のかなり高価な部屋が空いた。



エイヤと入室した。これも温泉雑誌やコラムなどの報酬があってできることである。分析表があり湯は29.9度のCaNa-Cl(塩化土類泉)というナトリウムよりもカルシウムのほうが多い温泉であった。



熱海や伊豆山などで散見できる源泉である。総計8798mgでちょうどダシスープのような味覚である、しかしカルシウムが多いので苦いのが不味い。



透明、塩苦味、無臭という熱海温泉に来たような気分になった。加温された湯が自在に使える方式で、まず湯を溜めた。ポリバスの2人用くらいの大きさである。Feが1.1mg含有されているが特に源泉の色は無かった。

 

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2012/07/16 中部 関東 

渋温泉と養老温泉 

1角間温泉 越後屋

角間温泉は長野県に2ヵ所あり、一つは上田に近い山際で、褐色の炭酸泉が湧出している。もう一つは渋、湯田中温泉郷の中にあり、志賀高原に続く渓流の右側の山の中腹にある。



立派な造りで野沢温泉の大湯を小さくしたような繊細な造りの共同湯の大湯を中心として越後屋、ようだ屋、高島屋、和泉屋などが小さな温泉街を形成している。



風情の浴槽温泉地でどの宿も木造で温泉地全体で文化財に指定したいような温泉である。大湯の前にようだ屋と越後屋があり木造3階建ての古い造りで貴重な建築である。



桁や垂木の出た建築で細かい装飾のある外観である。玄関を入ると大きな木の階段と、装飾の凝ったガラス戸で仕切られた空間である。浴槽はモザイクタイルの造りの浴室が2つと木の浴槽が1つの3箇所でどこも適当に貸切り使用できる。



73.2度の弱食塩泉で総計1542mgである。自噴掛け流しで動力を使っていないのが良い。透明、少エグ味、無臭の奇麗な湯であった。



2渋温泉 臨仙閣

渋温泉で立派な宿といえば金具屋や旧本陣のつばた屋や大湯前の湯本屋などがあるが、以前は御簾を掛け下げた立派な建築の臨仙閣も代表であった。



しかし臨仙閣は廃業し、あまりにも立派な建築のみが残った。ここに入らなかったのを惜しんでいたが、この度渋温泉で温泉音楽祭りを行い、その会場に臨仙閣が選ばれ、関係者は泊まれると聞いて喜んで参加した。40分ほどの講演会である。



しかしここの離れの浴槽にも入れるすばらしい機会であった。各部屋も見学できて3階の角部屋などは立派な格天井で素晴らしい建築であった。



廊下は城郭風の白壁造りで凝っている。浴室は母屋の隣に立派な浴室棟が建っており、野沢温泉のさか屋のような湯屋造りの浴室であった。天井の高い浴室に太い柱である。岩の露出した岩風呂浴槽があった。

 

湯は63.4度のNaCa-Cl.SO4で総計1083mgとほとんど単純泉に近いものであった。しかし湯の個性はしっかりと分かり透明、少薬味、香ばしい香りあり。と記録した。



3渋温泉 大湯

渋温泉の9ヶ所の共同湯のうち個性的な湯で記憶に強いのが大湯である。久しぶりに訪問してみた。金具屋の前にある大湯は半地下のような造りで、木枠の浴槽が1つである。中で2つに板で仕切っている。



59.6度のNaCa-SO4,Clで総計1263mgであるが鉄分を4.2mg含有し金気臭と薄褐色になっている。PHも4.5で弱酸性である。



この湯は熟成すると赤くなるが新鮮なときは薄緑白濁で渋味があり、金気臭であった。まさに渋温泉の名前の通り味覚が渋い。過去に入り比べたときにはここと金具屋の鎌倉風呂と浪漫風呂の3ヶ所が特に渋いと思った。

 

 

1      養老温泉 滝見苑

養老温泉は千葉の山中にある温泉で、過去にホテル岩風呂で入浴したが、このたび廃業し少し離れた滝見苑に入浴した。しかしここの湯はハズレで総計588mgの規定泉で透明、無味、無臭、循環であった。



メタ珪酸の63.7mgと重曹での規定で養老温泉特有のすべすべした黒湯でなく、失敗であった。内湯と、2つの露天風呂があった。



2      養老温泉 喜代元

ホテル岩風呂の前にある、老舗旅館と思われるのがこの喜代元である。なんと黒湯が敷地の道路側に自噴していて触れることができた。湯は薄褐色でたまご味があり硫黄分を含有していることが分かった。



つるつるする良い源泉で素晴らしい。浴室は内湯が1つだけで循環が残念であったが黒湯であり触感もつるつるした良い湯である。



総計2710mgの重曹食塩泉で黒褐色(40センチ)塩エグ味、少わら臭のつるつるした湯であった。とろろ芋と鮎の塩焼きとうなぎの蒲焼の付いた食事をした。

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2012/07/01 中部 

白馬鑓温泉と戸倉上山田温泉 

白馬鑓温泉と戸倉上山田温泉に行きました。

 

懸案の白馬鑓温泉に行きました。登り5時間と聞いていましたが3時間半で着きました。途中雪渓もあり、山岳美を満喫しました。下りは3時間でした。湯が素晴らしく新鮮な硫黄泉で大湯量が掛け流しされています。新鮮なため大きな露天風呂ではまだ白濁する前で匂いで新鮮さがわかります。そして足元湧出なのも素晴らしいです。42.7度の適温の湯が豊富に湧出し豪快に溢れています。たまご味と硫黄臭がはっきりと分かるよい湯でした。内湯と足湯は白濁していました。戸倉上山田は千曲館、かめの湯、つるの湯、国民温泉に行きましたが、特に国民温泉が素晴らしく新鮮な湯が掛け流しされ身体に泡付がありました。

 

1白馬鑓温泉

白馬岳の登山口、猿倉から登り5時間と言われている白馬鑓温泉に行くこととした。白馬三山のうち南の鑓ヶ岳の直下にあり、途中杓子岳から流れる杓子沢の雪渓を渡り到着する。新幹線で長野駅へ行きレンタカーで猿倉入りをした。



標高1250mの猿倉から鑓温泉が2100mなので標高差は850mである。比較的ゆるい斜面を登ってゆく。11時40分に出発して12時に昼食とした。13時に中山沢を過ぎ、13時半頃に小日向山のコルを越えた。



この先は水平道になるはずだが道が変わっており、かなり下り再度登らされた。14時に小沼のある低地を過ぎ14時半頃に杓子沢の雪渓を過ぎた、その後3回の雪渓を渡り、鑓温泉に到着したのは15時10分であった。



この温泉は夏季のみの営業で冬季は解体してしまってしまう。7月18日から9月までの2ヶ月半ほどの短期間の営業だ。ついに湯の川が現れ、黄色いコンパネで造られた小屋に到着した。



小屋の下に大きな露天風呂がありここが源泉である。沢側が堰き止められ中央から大量の温泉が川のように溢れている。2100mの標高では日本一の天然湧出量と書かれていた。



展望が良く妙高や戸隠などが雲海の上に望まれる。足元湧出温泉で山側の壁および一部砂地になっている底からの湧出がわかった。やや熱めの42.7度の温泉で素晴らしい新鮮さである。



含硫黄MgCa-HCO3(含硫黄重炭酸土類泉)である。硫黄分はHSが1.1mgH2Sが4.0mgとそれほど多くないが硫黄の匂いははっきりとわかる。透明、たまご味、硫黄臭多しと記録した。



新鮮なため白濁する前で透明であるが内湯と足湯は仄かに白濁しておりもう少し時間が経つと白濁すると思われる。温度も泉質も良い湯が大量に湧出し非常に恵まれた温泉であった。翌朝はご来光が眺められた。周囲は雪渓とお花畑で別天地のような良いところである。



内湯は白濁している。豪快に掛け流しされていた。

天候にも恵まれ最高の温泉行きとなった。下りは3時間であった、下るにつれて白馬三山が見渡せるようになり美しい光景であった。猿倉に下り、白馬八方温泉の小日向の湯に行ってみる。

入浴はしなかったが分析表をみると49.7度のアルカリ性単純泉でOHイオンの含有量が36.1mgとかなり多く、PH11.6となっていた。以前の分析表では11.3だったので日本一の高いアルカリ性の温泉となっていた。

 

戸倉上山田温泉 千曲館

戸倉温泉は千曲館に行った。以前旧館の浴槽が2色の色で美しかったので再訪した。今回は右側の浴槽に上山田温泉会社の源泉が入り薄白濁で左側の浴槽に千曲源泉が入り薄灰色であった。



千曲源泉のほうは以前とあまり変わりがないが上山田源泉のほうがきれいに緑色だったのが今回は白濁であった。



新館の大浴場に行ってみると上山田源泉が緑色透明になっていた。私が角川新書で毎日の全量交換のお湯張りは止めており、数日掛け流しにする方式にしたそうだ。旧館も改装されきれいになっていた。



戸倉温泉 かめの湯

戸倉温泉街の中にあるかめの湯は綺麗に改築されていた。黄色い外壁の木造の共同湯である。



上山田源泉利用でHS15.3 H2S 0.3となっているが透明、たまご味、少硫黄臭で個性は少なかった。しかし少量ながらも掛け流しでよい温泉である。



上山田温泉 つるの湯

上山田のつるの湯はなまこ壁の城郭のような造りの立派な施設に改築されていた。湯も掛け流しが多めで良い。源泉名は無く、9つの源泉の混合泉でHS12.8 H2S0.6という含有量である。



薄い緑色透明、たまご味、少硫黄臭で良い温泉である。またつるつる感があり入浴感触が良いのも特記したい。



新戸倉温泉 国民温泉

国民温泉は良い。以前も感動したが今回も良かった。透明、少たまご味、少硫黄臭の仄かな個性の湯であるが掛け流しで使われており、清掃用に床に流れている湯もシャワーも温泉である。



HS1.4という硫黄泉にはならない含有量ながらはっきりと硫黄を感知できるのが素晴らしい。湯が新鮮である。湯の感触もつるつる感があり良い、また身体に気泡が付く、新鮮な湯の掛け流しが良いのであろう。



鄙びた外観の共同湯ながら綺麗なタイル貼りの内湯だけであるが湯が良いので記憶に強く残る。良い温泉であった。



新戸倉温泉 二人のメルヘン



ラブホテルに付属の温泉。湯は1回ごとに入れる方式で新戸倉の仄かな硫黄臭が漂い、弱いつるつる感もあり良い温泉である。透明、たまご味、少硫黄臭で大きめなポリ浴槽に掛け流しにして入浴した。

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2012/05/06 中部 

別所温泉、花屋。田沢温泉、ますやほか  

1別所温泉 花屋

長野県の温泉で中規模の別所温泉は信州の鎌倉とも言われ、神社仏閣と温泉街がある。共同湯は石湯、大師湯、大湯の3ヵ所にありそれぞれ凝った造りで良い。



別所温泉の宿は十数軒あるが第一の宿は花屋でしょう。6500坪の広い敷地に離れが点在し、中庭の池を囲んで渡り廊下で続く造りで国指定文化財になっている。内部は繊細な数奇屋の造りであるがエントランスはうって変わって白壁の城郭の造りである。白壁の塗り込めで2層の城のような外観の建築が玄関前にあり瓦屋根にはしゃちほこが載っている。豪快な印象のエントランスである。



隣の玄関は瀟洒な入母屋の破風である。その右側には食堂棟が白壁で続いている。玄関を入ると一転、白木造りの数奇屋風である。玄関中には格天井のラウンジがあり中庭に面して椅子が置いてある。2階は食堂で大正初期の建築のままである。



広い空間は船底天井で曲がりくねった梁が露出し、民家のような意匠であるが天井、壁が白なので洋風になっている。中庭に出ると渡り廊下が縦横に走り各棟や離れを繋いでいるが、これは繊細な造りである。細い柱に垂木の見える小さな屋根である。



室内を見て歩いた。80番の部屋は離れの部屋で続きの2間に掛け流しの内湯が付いている。81番も離れの部屋で欄間の透かし掘りや書院の化粧格子が精密である。照明器具がレトロで良い。



次にこの宿の白眉である21番の部屋に行く。ここは格天井に絵が書かれているので有名である。書院の化粧格子も凝っている。欄間は花鳥風月の襖絵である。次の見所は23番の部屋である。天井は格天井の端正なものであるが、書院の格子が繊細で素晴らしい。



網を打った絵が格子で造られこの宿随一であろう。また床柱にはかたつむりと竹が彫刻され楽しい。浴室は大理石風呂が圧巻である。



以前は男女別の浴室だったのだろうが一つにされて使われている。2つの浴室がある。左側が四角い浴槽と楕円形の浴槽で右側が四角い浴槽1つである。白いビアンコカラーラとピンク色のローズオーロラとグレーの大理石が主に使われ、緑色の蛇紋石も縁取りに使われている。



床は各種の石の張り分けで浴室全体が大理石で造られている。脱衣室との間にはステンドグラスが使われ、2つの浴室の隔ての上にもステンドグラスがある。湯は浴槽内部で循環しているが常に新湯を掛け流しで入れている。



透明、たまご味、硫黄臭ではっきりとした単純硫黄泉である。よわいすべすべもある。ほかに展望風呂と露天風呂がある。71番の部屋に泊まった。前室のある10畳間で欄間の造りが凝っていた。つつじの植えられた裏庭と玄関前の広場が見える部屋で快適であった。



2別所温泉 柏屋別荘

別所温泉で木造4階の宿が残っている。柏屋別荘である。玄関前の棟が4階の建築で、裏山にも2階建ての建築が続いている。内装は全て改修済で奇麗なレトロな空間になっていた。



しかし梁は古いままで風情のある宿である。浴室は畳敷きの内湯と小さな露天風呂が付いている。透明、たまご味、少硫黄臭の湯が掛け流しされていた。HS 12.4mgの単純硫黄泉で石湯や大師湯とも同じ源泉である。





 



 

3別所温泉 石湯共同湯

柏屋別荘の隣にある共同湯。木造平屋一部2階ながら屋根が積層していて、玄関前には唐破風と千鳥破風が連なり、奥に切妻の屋根が控えている。立派な凝った建築である。



浴室は半地下のように下ってゆく。大きな岩が露出した浴槽で以前は掛け流しであったが、循環になっていた。新湯を加えているのでオーバーフロー循環ということであるがカルキ臭があり残念であった。



4別所温泉 大師湯共同湯



トタン屋根の2層の造りになっている共同湯が大師湯である。湯は小さな円形のモザイクタイル浴槽に掛け流しで利用されており、良い使い方であった。透明、たまご味、少硫黄臭の温泉は別所特有の源泉である。



5太朗山温泉 4578湯

上田でレンタカーを借りて少し温泉巡りをした。地図を見ていると太朗山温泉という未湯が発見できたので行ってみた。国道沿いの日帰り温泉センターでカラフルなパチンコ屋のような外観である。湯はよかった。



22.3度の単純硫黄泉ながら加熱掛け流しにしており特に露天風呂の壷風呂がたまご味と硫黄臭が感知出来る。HS 2.4mg H2S 0.2mgながら新鮮な湯ははっきりと硫黄臭がわかり良いものであった。内湯と露天風呂は硫黄臭は消えていた。



6田沢温泉 ますや

以前訪問しその豪快な建築に驚いた宿。一度宿泊もしたことがある。今回3回目ながら、文化財の宿の資料を集めているため各部屋と外観の写真を撮影がてら入浴した。木造3階建ての大きな棟が2棟並び手前に1段下がって3階建ての建築がある。ここに藤村の間があり現在でも使われている。



この間に玄関があり小さなロビーがある。藤村の間は2部屋続きの和室で華美な装飾はないがしっかりと造られた和室である。次に木造3階奥の棟の角部屋51番が良い。書院の透かし彫りの彫刻と化粧欄間が凝っている。高台の3階にあり眺望が一番の売りであろう。



いまだに木製建具で文化財になったのが分かる。障子を開けると欄干の付いた廊下が廻っておりガラス戸が付いている。驚いたことに手前の棟の3階はガラス窓が入っておらず室内と外部は吹き放しの欄干である。障子1枚だけの部分がある。ここは夏のみ使うとのことである。全体では、古さを持った風格があるが各部屋は結構傷みがきている。しかし大きな宿で全て使えばかなりの部屋数になるであろう。



浴室は一番奥に新築の内湯と露天風呂があるが手前の棟の地下に家族風呂として小さな浴室がある。昔に泊まった時はここしかなかった。モザイクタイルの浴槽に38.5度の単純硫黄泉が掛け流しになっている。湯量が少なくヌル湯であった。





 



 

7田沢温泉 有乳湯共同湯

田沢温泉は湯量豊富である。ヌル目の湯であるが豊富に使われヌルさを感じないほどである。有乳湯は新築の共同湯で立派に造られた。外観は山田温泉の共同湯や野沢大湯までは至らないにしても、木造の凝った造りだが内部はタイル貼りの簡素なもので現代的なのが妙にマッチしていない。しかし豪快に溢れる掛け流しの湯は感動的である。



浴槽の手前にある掛け湯の色が薄く緑がかっているのが不思議である。湯は透明、たまご味、硫黄臭の単純硫黄泉で39.5度の源泉である。総計229mgと少ないがHSイオンが7.1mg含有され存在感が増している。大量の湯が掛け流しされており湯に浸かると湯中の気泡が付着する。身体が真っ白になり素晴らしい体験ができる。その気泡を取り去るときにつるつるの感触があり面白い。



驚いたのは外にある洗濯場にも太いパイプから大量に湯が流されておりもったいないほどである。この共同湯から溢れた湯は前の下水にゴーゴーという音を立てて流れている。湯量豊富なことは素晴らしいと思った。



8沓掛温泉 小倉の湯共同湯

沓掛温泉に久しぶりに訪問した。小倉の湯共同湯は新装されていた。湯が大量に掛け流しされており、浴槽の縁の側溝は湯が流れている。浴槽は2つに分かれ、片方は1号泉の自噴源泉で36度ほどである。しかしそちらにじっと浸かっている人がいるのはヌル湯の特徴である。



隣に39度ほどの4号泉の浴槽がありこちらは700mの掘削自噴である。ともにアルカリ性単純温泉でHSイオンが1.5mg含まれている。透明、少たまご味、無臭の湯である。しかし豊富な湯で掛け流しが多く良い共同湯である。



9      しなの木温泉 ひな詩の湯

4579湯



上田市内に出来た日帰り温泉施設。メタ珪酸の規定泉で17.4度の源泉である。透明、無味、無臭、循環、加温、殺菌である。内湯と露天風呂のみ温泉であるが特に個性は無かった。

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2012/03/25 中部 

赤倉温泉、燕温泉と源泉登山

赤倉温泉と源泉登山

1赤倉温泉 滝の湯露天風呂 (再訪)

大岩組の露天風呂 51.1度 毎分3400リットル 分析表に硫黄分は無いが感知出来る

温泉ソムリエの会で講演会をした時の温泉行きです。

赤倉温泉は北地獄谷に湧出する源泉を引いて出来た温泉地で、湯量豊富な源泉は毎分3400リットルとなっている。51.1度のCaNaMg-SO4HCO3泉で総計1352mgのものである。

 

温泉街の上にある共同湯のような露天風呂が滝の湯で以前も訪問したが湯の記憶は少なく、白い湯の華が浮遊していたことを思い出す。今回も薄い湯の花が沈殿していた。

 

透明白湯の華浮遊、苦味+弱いたまご味、少硫黄臭と観察した。分析表にはHSもH2Sも記入されていないが硫黄臭を感知することが出来る。苦味を持った硫酸塩泉で赤倉の温泉はみなこの源泉を利用している。

 

2赤倉温泉 ホテルタケダ (温泉地再訪)

小さなコンクリートの浴槽1つ S2O3 0.4mg 弱い掛け流し 

 

洋風の外観の温泉宿、3階建ての白い外壁である。しかし部屋は和室である。地下に浴室があり赤倉源泉が弱く掛け流しにされている。コンクリートの簡素な浴槽で内湯1つのみである。こちらの分析表にはS2O3が0.4mg含有されていた。透明、苦味、少硫黄臭と観察した。

 

 

3 称明滝の湯 

滝壺に湧く、30.~35度 薄白濁 滝の横からも湧出 

翌日は赤倉温泉の源泉地帯に行き野湯を楽しもうと燕温泉から登山道を登った。妙高山の登山道を1時間ほど登ったところにある野湯である。急な坂道を息を弾ませて登った先に大きな滝が見えてくる。光明滝と言い、その横を登ってゆく。さらに奥にさらに大きな称明の滝があり、その滝壺に源泉が湧出している。

 

滝壺自体の右端が白濁しており、足を入れると生暖かい、30度前後の温度であろう。しかし滝の水しぶきが多く湯も尻を浸けるほどの深さで入浴には程遠いが、滝壺のその地点から湧出している源泉で貴重である。

 

早速入浴した。また滝壷の右側の垂直な斜面からも暖かい湯が流れておりこちらは入浴する場所が無い、そのため子供プールに溜めて入浴した。薄白濁、少甘味、硫黄臭の源泉で赤倉に送られている源泉よりも硫黄臭が多い。リトマス紙によると中性であった。

 

4 称明滝下の源泉 

48度 子供プールで入浴 炭酸味 少硫黄臭あり

称明の滝と光明の滝の間に源泉ホースが出ており、48度の源泉が流されていた。これは良い入浴ができると思い、子供プールに溜めて入浴した。温度も適温になり浴槽では43度くらいの温度になり快適である。

 

酸味があり酸性かなと思いリトマス紙で計ると中性であった。炭酸の味覚であろう。薄白濁、炭酸味、少硫黄臭と観察した。

 

光明の滝上で、称明の滝の全景がバックに入り素晴らしい入浴となった。野湯の楽しさは源泉ごとに入浴できることである。この湯が無ければ、滝下のヌル湯のみであったが適温の湯に入浴出来て良かった。

 

5 赤倉源泉の湯  

硫黄分多し、硫黄甘苦味強し、岩組の露天風呂 温泉ソムリエの方々と入浴した。

 

赤倉温泉は毎分3400リットルと豊富な湯量であるがこの源泉は1ヵ所ではなく、光明の滝下に各所の源泉地帯があり、それを集めたものだそうだ。登山道の両側の各所にブルーシートで覆われた源泉が各所にありそれが赤倉に行く源泉とのことである。その1ヶ所からホースで岩組の露天風呂に引いてもらった。

 

細いビニールホースなので時間がかかり、称明の滝付近の源泉で入浴して戻ってきたがまだ半分以下しか溜まっていなかった。硫黄分が多い透明な湯で、硫黄甘苦味強し、少硫黄臭であった。味覚に個性が強い源泉であった。硫黄分の多いまったりとした味であった。湯は新鮮なために透明で匂いも少なかった。

 

6 燕温泉 黄金の湯露天風呂(再訪)

白濁、たまご味、少酸味、焦げ硫黄臭あり 

黄金の湯は妙高山の登山道の始まりにある岩組の露天風呂で男女別に造られている。燕温泉は硫黄臭が多い白濁した源泉で個性的である。白濁、少酸味+たまご味、焦げ硫黄臭ありとはっきりした硫黄泉であった。

 

温度もやや熱めの43度ほどで浴槽の縁の岩から流されている。透明度30センチほどの白濁で白い湯の華が浮遊しているといった湯である。

 

7 燕温泉 河原の湯露天風呂(再訪) 

白濁、たまご味強し、少硫黄臭 3本の源泉を入れている、ヌル湯 

燕温泉街から沢沿いに少し行った渓流にある露天風呂。小川の横に真っ白に白濁した浴槽があり視覚的に存在感が大きい。白濁が強い硫黄泉で素晴らしい源泉である。

 

透明度は10センチ以下である。ゴムホースで3本の源泉を入れておりややヌル目の温泉である。たまご味も最強である。硫黄臭は少ない。

 

しかし身体に染み込んだ硫黄臭は翌日でも抜けずに残っていた。硫黄分は推測だが30mgほどあるだろう?浴槽の縁から溢れる湯の量は多く、立派な掛け流しである。

 

 

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