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2010/06/21 中部 

妙高山麓の3湯、赤倉、関、燕

1赤倉温泉 遠間旅館  温泉地再訪 
 北地獄谷の引き湯 掛け流し たまご味 硫黄臭あり


快晴の中、野沢温泉から赤倉温泉に行った。妙高山ははっきりと見えて美しい。下を眺めると斑尾の山々が見える。温泉ソムリエの立役者、旧知の遠間氏の遠間旅館に入浴させていただいた。

 

 

 

 

 

 

間口の狭い5階建てのビルのような宿であるが。老舗ですでに5代目とかのことである。ユーモアのある御主人で以前対談をしたことがある。そのときから近くに行く際には遠間旅館に泊まろうと思っていた。今回は入浴だけであるが、貸してくれた5階の部屋の窓からは展望が良く妙高山が美しい山容を見せていた。



湯は北地獄谷からの引き湯でであるが一切加工せず、掛け流しである。

 

 

 

 

土類重曹石膏泉(CaNaMg―SO4・HCO3)で51.1度の温泉である。総計1352mgと清澄な温泉である。HS H2Sとも分析表ではゼロであるが透明ながら白い湯の華多しで、たまご味+少エグ味+芒硝薬味で、少硫黄臭ありと観察した。



 

 

 

 

 

 

硫黄分は3mg程度入っていると推測した。引き湯でちょうど掛け流しにできる湯量と温度で快適な風呂になっていた。その湯量を使い切り露天風呂を造らない潔さも好感した。



 

 

 

 

 

 

 

2関温泉 中村屋  温泉地再訪 80 
 赤い含鉄重曹食塩泉の掛け流し 一番鄙びた旅館で入浴する。


 

 

 

 

 

 

赤倉温泉から国道まで下り、また関温泉まで登ってゆく。下ったところに地元専用共同湯があった。トタンの簡素な造りで入浴しようと思ったがあまりにヌルイので撮影のみにした。関温泉は以前家族で休暇村に泊まったことがあり、赤い湯で記憶に残っている。小さな宿が数軒ある温泉街でその中のどこか良い温泉に入浴しようと思った。



 

 

 

 

 

 

 

新潟温泉大図鑑が遠間旅館にあったので、どこが良いか見てみると中村屋の浴槽が赤く良さそうだったので訪問した。木造の民家のような玄関で奥に鉄骨造の3階建ての宿である。小さな内湯のみの浴室で関温泉の源泉が掛け流しになっている。床は赤く染まり風格がある。昔の分析表(昭和28年)に拠るとFeは18mgになっているが、平成17年の分析表ではFe2 1.4mgとFe3 0.4mgとずいぶん少ない、鉄分の析出後の分析だと思われる。



 

 

 

 

 

 

 

 

湯は赤く濁り(30センチ)、炭酸エグ味+鉄渋味で、金気臭がある。この状況から推測すると20mg前後の鉄分であろう。ほぼ昭和28年の分析表と合致する。タイルと石造りの浴槽であるが赤い析出物がこびりつきコンクリートの浴槽のようだ。48.4度の重曹食塩泉で総計2595mgである。CO2も330mg含有し炭酸系の鉄温泉である。毎分570リットルの湧出量は立派である。関温泉にはもう一本のヌルイ源泉もあるが雪解け用に流しているらしい。掛け流しの良い温泉であった。

3燕温泉 岩戸屋  温泉地再訪  70 
 薄白濁の湯は硫黄析出物の沈殿で新鮮味に欠ける
 隣の針村屋と迷ったがハズレだったか?



 

 

 

 

 

 

 

燕温泉は赤倉温泉の北地獄谷の下流に湧出する源泉で温泉街と黄金の湯露天風呂に引き湯されている。川原の湯露天風呂は独自源泉である。坂道の両側に温泉宿が並び小さな温泉街になっている。岩戸屋は洋風ロッジ風の外観の温泉宿である。上の針村屋とどちらにしようか迷ったが岩戸屋にした。中に観音様が奉ってあり、浴室の中にもある。



 

 

 

 

 

 

 

 湯は44.8度のS-CaNaMg-HCO3・SO4・Clという何でも入っている温泉である。総計1580mgで平成17年の分析表に拠るとHS ゼロ H2Sが2.2mgである。毎分758リットルと記載されている。平成3年の分析表に拠るとHSが4.1mg H2S11.1mgと多量になっている。実際の湯は両者の中ほどだと感じた。



 

 

 

 

 

 

 

 

薄白濁、白湯の華多数浮遊、たまご苦味、焦げ硫黄泉あり。と観察した。観音様のある内湯と小さな露天風呂が付いている。硫黄分の表現はしっかりとあるが、やはり引き湯の劣化は否めない。掛け流しであるが新鮮さは感じない。硫黄分が湯の華になって浮遊しているのは劣化の証拠である。他の旅館でも入浴してみたい。

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2010/06/17 中部 

仙仁温泉と野沢温泉の清風荘 

仙仁温泉と野沢温泉の宿 

5仙仁温泉 岩の湯 (再訪) 95 
 洞窟風呂の湯量と天然の妙は素晴らしい。宿も良い造り 


仙仁温泉岩の湯は全国でもトップクラスの人気宿である。このたびも2.3候補を挙げて予約しようとしたが、平日にも関わらず満室であった。



過去に平日で無理を言ってやっと1泊できたのはすでに11年ほど前である。ここは宿の風情が良く、風雅な数奇屋風である。最近はやや洋風のイメージも入ってきて、純な和風ではなくなった。



特にパブリックスペースが充実しているので客室以上の面積を書斎やティーラウンジ、休憩所などに充てている。また食事が絶品で、東京で食べたらここの宿泊費以上だと思わせる感動ものである。



さらに温泉が天然記念物的な存在である。天然岩の洞窟の奥から温泉が湧出し、滝となって時には淵を造りながら流れ出している。



2本の洞窟があり、最深部では足元や岩の割れ目から湯の湧出がはっきりとわかる。それらが川となり洞窟の中を流れ入口部分の浴槽の縁から溢れている。



以上のような奇跡的な湧出状況である。34.2度の単純泉であるが洞窟のためにサウナ的な効果があり、ヌルく感じない。



新鮮なために洞窟奥の源泉では透明、微たまご味苦味残る、微硫黄臭と硫黄を感知できた。分析表には硫黄分は記載されていない。



洞窟は2本に別れており混浴である。一方は30メートルほどの深さがあり、滝や淵のような場所もある。もう一方は10メートルほどで奥に砂地の足元湧出源泉がある。



暗い洞窟の中に温泉があまりあるほどに湧出しており感動的である。貸切り風呂も4ヵ所ほど凝った造りで設置されているが、やはりここの白眉は洞窟風呂であろう。素晴らしい温泉である。









 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 

6野沢温泉 清風荘  (再訪) 80 
 薄白濁の麻釜源泉一般の表現であった。浴室の造りが素晴らしい



 

 

 

 

 

以前、野沢温泉の宿巡りをしている時に、湯小屋の風情が良いので入浴させていただいた温泉。入口はコンクリートの建築であるが、裏にある木造の浴舎が大湯や「さかや」にあるような立派な湯屋造りで、この浴室を目指して入浴した。



 

 

 

 

 

 

 

そのときは湯の熟成が一番良い時であったのか、緑色透明で美しい記録となった。今回宿泊してみると、湯が新鮮だったと思われるが薄白濁で麻釜源泉の一般的な表情であった。



 

 

 

 

 

 

 

前回の濃い緑色透明はうそのようであった。しかし20mgほどの硫化水素イオンの含有量から薄白濁、たまご味、焦げ硫黄臭という立派な硫黄泉の表情が出ていた。男湯はひょうたん型の瀟洒な浴槽で天井の高い湯気抜きの付いた浴室建築が素晴らしい。良い温泉であった。

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2010/04/09 中部 

愛知県の東部の温泉、4ヵ所

1天然温泉 アサヒの湯 
根尾川温泉のローリー 純重曹泉 36.6度 
総計1801mg 循環、殺菌ながらつるつるあり 

根尾川温泉のタンクローリーによる輸送のスーパー銭湯の温泉。国道1号線沿いに大きく天然温泉と表示されていたので寄って見たが、ローリー輸送温泉でカウントしていないので残念である。根尾川温泉のどの源泉であるが不明であるが、総計1801mgの純重曹泉で36.6度である。つるつるの温泉で循環、殺菌である。露天風呂のみに温泉が使われており、透明、微エグ味、無臭と記録した。

2一畑山薬師寺温泉 
22.4度 鉱泉(規定泉か) CO3 46.8mg OH 0.5mg 
透明、少甘味、無臭 オーバーフロー多し 良い使い方 
つるつるの湯 

小高い山の上にあるお寺の温泉。立派な本堂の前に入浴棟が建っており、1500円で入浴できる。22.4度の既定泉と思われるが何で既定されているかは不明。温泉法の温泉ではないかも知れない。しかしCO3 46.8mgと多量に含有されておりつるつるの良い入浴感触であった。重曹分はNa110mg HCO3 204mgで314mgと少し足らない。ほかにHS 0.3mg OH0.5mgでともに規定ではない。総計399.7mgである。鉱泉ながらオ-バーフローの多い使い方で加熱掛け流しと言って良いであろう。湯口は全て源泉で、良い使い方である。透明、少甘味、無臭と観察した。三河の低い山々を眺める展望の良い浴室で、遅い紅葉が綺麗であった。ほかに5連の壷風呂が並び凝った造りである、浴槽も黒御影の立派な造りで、特にヌル湯浴槽があり長湯に最適である。鉱泉としてはこれ以上を求めるのが難しいほどの良い温泉であった。
3ラグーナの湯 
CaNa-Cl(塩化土類泉) 37.9度 総計11290mg 
海沿いのマリーナ近くにある。眺望良し。透明、塩苦味強し、微臭素臭残る
循環 
海岸に大きな施設が再開発され巨大な観光スポットになっている。広い駐車場に次々と車が入って行きヨットマリーナと各種施設が揃いラグーナ蒲郡として観光客に人気がある。その片隅に小さめな温泉入浴施設が建っていた。ラグ-ナの湯と言い。海を眺める内湯と小さな露天風呂が付いている。37.9度の塩化土類泉(CaNa-Cl)で総計11290mgの高張性の温泉である。カルシウムが主成分のため苦味が際立っており、成分含有量以上の味覚を発揮していた。Na 1790mg Ca 2320mg Cl 6610mg SO4 4590mgの成分のほかに臭素Br 22.9mgを含有し仄かに匂いに残っているのは好感した。海のかなたに渥美半島が見える絶景で美しい景観の温泉であった。透明、強塩苦味、微臭素臭と観察した。循環が残念である。

4幸田くりすの温泉 単純泉 25.8度 pH8.9 
透明、無味、無臭 弱いつるつるあり、加温、循環、殺菌ながら
源泉オーバーフロー 源泉水風呂あり 

蒲郡のとなり、幸田町にある温泉施設。小さな木造の日帰り温泉で25.8度と温度で規定になっている単純泉である。加温、循環、殺菌ながら湯口は源泉を入れ浴槽内部で加熱循環をしている。弱いオ-バーフローになっている。また源泉浴槽の水風呂もあり良い。総計350.3mgの重曹系である。CO3 は14.8mgと少々含有されておりよわいすべすべがある。透明、無味、無臭ながら源泉をうまく使っており温泉の個性は感じられた。鉱泉に近い温度の温泉でも、このようにうまい使い方の温泉施設が近年造られるようになり喜ばしいことである。

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2010/04/06 中部 

愛知県と三重県の温泉 3ヶ所

1尾張温泉 
単純泉 50.3度 総計623mg 分析表4枚あり、大湯量掛け流し

名古屋近郊にある温泉。川の両側に温泉施設とホテルが建ち、大きな橋で繋いでいる外観である。長島を初め、飛島、永和、木曾岬など名古屋の四日市寄りには温泉が数々湧出して温泉郷とも言える地域である。この尾張温泉は4本の源泉を持ち湯量豊富で千人風呂のような大きな内湯にふんだんに湯を使っている。大きな岩風呂で床に湯が流れていて掛け流しなのがすぐ分かった。1.2.4号泉の混合で50.3度で総計623mgの立派な温泉である。3号泉は50.7度で総計727mgである。食塩重曹系の単純泉である。新鮮なため匂いが良く残り好感した。湯は仄かな緑色で無味ながら弱い苦味が残り、新鮮な香ばしい湯の香がある。露天風呂は小さく湯量も少ないので、ここは内湯がベターであった。

2永和温泉 みそぎの湯 
重曹食塩泉 48.5度 総計1291mg 透明、少エグ味、微たまご味、無臭 
コンクリート3連浴槽 ボロ鄙び強烈 

入り口に白衣のマネキンと宗教的な祭壇がある温泉施設。奥に浴室があるが古い造りのままで鄙びている。というよりボロさが際立っている。至るところに貼り紙や注意書きがあるのもこういったボロイ施設特有である。屋根と壁は塩ビ波板が1枚張ってあるのみで、所々に隙間があり、雨の日は雨漏りがするであろうが、気にしていない。簡素なコンクリートの3連浴槽で高、中、低温浴槽に分かれている。48.5度の重曹食塩泉(Na-Cl,HCO3)で総計1291mgで湧出量は毎分1300リットルにもなる。永和温泉の源泉からの引き湯である。透明、少エグ味、微たまご味、無臭で味覚に湯の表情が出ている。重曹食塩のエグ味と硫黄分のたまご味を感知できた。弱いながら一つの浴槽に掛け流しにしており、順に中温、低温浴槽に流れるようになっている。しかし湯よりも温泉施設の存在感と宗教的な雰囲気があまりにも強烈で、全国的に見ても珍湯の一つであろう。


3片岡温泉 
アルカリ性単純泉 43.6度 透明、無味、かつおぶし臭 
ややつるつる 掛け流し 

湯ノ山温泉の下にある一軒宿の日帰り温泉施設。コンクリート造の2階建てで43.6度のアルカリ性単純泉が毎分530リットル湧出している。pH8.5で総計497.5mgである。加温もしていないで掛け流しで使われ素晴らしい。透明、無味、かつおぶし臭と観察した。重曹系の単純泉のため弱いつるつるのある温泉である。露天風呂のほうが掛け流しが多く、周囲の床に湯が溢れて流れている。しかし内湯ではそっと湯を入れているので、湯口では少しながら身体に泡付きが見られた。匂いが新鮮さを物語っている良い温泉である。

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