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九州
2012/09/17 九州 

九州温泉道 佐賀、長崎 2

1満越温泉 国民宿舎いろは島

かなり以前に宿泊したことがある温泉。透明、無味、無臭ながらつるつる強しの温泉で高串温泉の引き湯である。



海岸の高台に立っており、湾の眺めの良い浴室で景観が美しい。29度のNa-HCO3、Cl(食塩重曹泉)でCO3が58.7mg含有されつるつるの感触になっている。





2高串温泉 肥前町福祉センター

コンクリートの町営公民館のような施設。内湯1つであるがつるつるの強い湯が使われており評判の温泉である。



私が以前行ったときの分析表だとCO3が110mgにもなっており凄いつるつる感があったが今回の分析表ではNa-HCO3、Cl(食塩重曹泉)で総計1391mg Na377mg Cl 173mg(25%)HCO3 631mg(53%)CO3 58.7mg(10%)であった。



大きな内湯が一つのみの簡素な施設でオーバーフロー循環の温泉であった。



3平戸たびら温泉 サムソンホテル

平戸の島と海岸を挟んで建つ風光明媚な地点にあるホテル。含鉄-Na-HCO3泉(含鉄純重曹泉)で総計7234mgという濃厚な成分である。



そのため薄く白濁し、エグ味があり、少金気臭の湯であった。鉄分は23.6mgもあるが循環のために除鉄されていて赤くにごっていなかった。しかし濃い重曹分が残り存在感を出していた。



とろとろの湯でつるつる感は強い。浴室からの景観も海に突き出したようになっており美しい。内湯と露天風呂がある施設で循環ながら存在感のある湯であった。



4させぼ温泉 ホテル万松閣

佐世保の街中にあるホテルで5階の屋上の露天風呂と3階に内湯が離れてある。



純重曹泉で総計2546mgで陽イオン720mgのうちNaが712mg 陰イオン1761mgのうちHCO3 1680mg CO3 38.4mgと95%ほどの重曹分が含有されており最強のつるつる感である。



オーバーフロー循環で使われている。



5武雄温泉 元湯

辰野金吾が設計した楼門と一棟の建築が残る温泉。49.6度と45.3度2本の源泉を持っている。単純温泉ながら掛け流しで使われており、熱湯45度ほどあり、ヌル湯でも42度であった。





元湯に入浴したが天井の高い木造の共同湯でタイルの大きな内湯が2つある。総計829mgながら重曹系でCO3が18.4mg含有されておりすべすべの感触もある。



この温泉は貸切の殿様湯や家老湯などもある。ほかに共同湯の蓬莱湯もある。



6古湯温泉 鶴霊泉

綺麗な湯のアルカリ性単純温泉が湧出しており総計192mgの36度である。透明、無味、無臭で弱いつるつるがある。



有名な足元自噴の砂湯は底が砂で足元から温泉が湧出している。



しかし上からも樋で湯を足している。こちらが源泉浴槽でタイル浴槽が隣にあり、こちらは加熱浴槽である。



7熊の川温泉 熊の川浴場

小さな共同湯ながら激しい掛け流しで素晴らしい温泉。総計179mg、32.9度の単純弱放射能泉で透明、無味、無臭である。



源泉浴槽はヌル湯で大量に掛け流しされている。隣に弱く加熱した36度くらいの浴槽があり、もう一つ小さな40度くらいの浴槽もある。



タイルの3つの浴槽があり、掛け流しの温泉であった。32度だと加熱湯に入った後はプールの水のようでヌル湯であった。

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2012/09/16 九州 

九州温泉道 開始イベント 熊本、佐賀

1辰頭温泉

九州温泉道が始まり88ヶ所の温泉を廻ると泉人となれるという企画である。企画委員長として賞状には私の名前が書いてある。



そのオープニングセレモニーとして26日に別府を出発した、その日は参加できず翌日の熊本の辰頭温泉から参加した。



ここの湯は総計2745mgの食塩重曹泉(Na-HCO3,Cl)で43.8度である。源泉のまま加工せずに掛け流ししているため極めて新鮮な湯が浴槽に入れられている。内湯は気泡に拠って白濁しており、祖谷温泉のようである。



H2Sが0.2mg含有されており匂いも良い。新鮮な香ばしい匂いに、透明泡による白濁、エグ味、少硫黄臭ありと観察した。内湯は激しい泡付きで身体がすぐ真っ白になる。露天風呂でも少々弱いながら泡付きがあった。



気泡に拠る擬似つるつる感があり、身体をこすると気泡が立ち昇りつるっとする感触がある。すばらしい温泉の一つである。



2不二の湯

以前はコンクリート工場の中にある鄙びた湯小屋であったが、綺麗な施設に改築されていた。40.8度の食塩重曹泉で総計2242mgの温泉である。



透明、少薬味、無臭の湯が掛け流しされている。以前は泡付きもあったが今回は感知できなかった。



改札のような入口で100円入れるとひとり入れる仕組みになっているのは以前のままであった。

 

3山鹿温泉 桜町温泉

山鹿温泉は湯量豊富で掛け流しが多く良い温泉地である。その中で鄙びた建築の共同湯がこの桜町温泉である。



木造の平屋でオレンジ色の屋根である。3段階の湯温に分かれた浴槽になっており、源泉直と少加熱、加熱の3つであった。



山鹿の湯、特有のつるつるの湯で透明、無味、無臭ながら感触に特徴のある湯である。



4二日市温泉 博多湯

博多湯は改築されていた。以前の柱はそのままに内装を綺麗にしてあった。1階の浴槽は掛け流しの3メートル角ほどのものが1つになった。



以前の一人用の小さな浴槽が3つあったタイル風呂が懐かしい。今回は岩風呂になった。43.8度の単純温泉で硫黄分の含有は無いが味覚と匂いに硫黄分が表れている。浴室のドアを開けると硫黄臭がはっきりとわかった。



源泉は多量に掛け流しされていて満足である。味覚もたまご味があった。この湯もつるつる感があり。山鹿と似ている。改修して残念なことが多い中、ここは掛け流しも多くよかった。



5寺浦温泉 (現在 廃業後)

佐賀県には純重曹泉のつるつる湯が多くここもその一つである。湾に面した岬の先端にあるホテルでこの地で湧出する温泉ながら塩分は含まず純重曹泉(Na-HCO3)である。総計1020mgで28.2度である。今回はここに宿泊した。料理も良く廃業が残念である。



Naが277mgで98.4%を占めHCO3が618mgで78.4%、CO3が37.9mgで9.8%と重曹分は陰イオンでは88.2%と純粋なものである。



そのためつるつるが強く現れている。源泉を少量掛け流しして加熱源泉もカラン自在になっている加熱掛け流し方式である。透明、無味、無臭ながら温泉から出た後はさっぱりとして重曹泉の本領発揮であった。

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2012/08/12 九州 

別府の名湯と湯布院の御三家 

1鉄輪温泉 渋の湯

JR九州からの依頼で九州内の温泉を88ヶ所選び、別府温泉道のような企画を始めるということで私が選定委員長に選ばれて別府での会合に呼ばれた。

九州では1000ヶ所を上回る温泉地に入浴している私は、そのなかでわずかに88ヶ所であればかなりの厳選ができると信じている。

夏は高速道路で別府に近づいても湯煙が少なく迫力に欠けるが、温泉好きの永遠の聖地、別府に行くというのは興奮する。

昨年の冬に宇宙船地球号なるテレビ番組で訪問して以来である。まず久しぶりの鉄輪温泉の渋の湯から入浴した。今回の選考委員にも選ばれている斉藤氏の湯雨竹で源泉のまま適温に冷まされている源泉は素晴らしく、塩ダシ味がはっきりと分かった。

匂いも湯雨竹の部分から放出されており、鉄輪特有の噴気臭がわかった。87.1度の食塩泉である。

 

2鉄輪温泉 鉄輪蒸し湯

鉄輪温泉で名所のひとつであった蒸し湯が改築されてから初めて訪問した。すでに4年経っているという。源泉は82.4度の食塩泉である。渋の湯とともに十万源泉で金龍地獄と河野源泉が足されている。

しかし浴槽部分は加水されているのか透明、無味、無臭であった。蒸し湯は男女別になり貸し浴衣を着ないと入れなくなっていた。

8分入るように言われたが、渋の湯で暖まった身体に8分は強烈で、5分も経たずに出てしまった。床に敷いてある薬草の石菖の香りがよかった。ただしかなりの高温である。

 

3浜脇温泉 二幸荘

浜脇で古い遊郭のイメージを残し現在も使われている宿はこの二幸荘しかなくなってしまったそうだ。東大博士の別府を研究している女性に聞いて訪問したが、外観はすっかり改築され古い造りではなくなっていた。



しかし浜脇のほとんどの源泉が枯渇して雲泉寺源泉の引き湯である現在、独自源泉はここと新玉旅館くらいしか無くなっていたのは残念である。



この湯は透明、無味、無臭ながら驚くことに上からの湧出口が無く足元湧出源泉だと思われる。



4浜脇温泉 山田温泉

浜脇の茶房たかさきに行くのにかなり迷った。そのときに発見した小さな共同湯が山田温泉であった。すぐ前の駐車場に泊めて入浴した。



透明、無味、無臭の雲泉寺源泉で小さな浴槽が中央にある別府特有の共同湯であった。



5浜脇温泉 茶房たかさきの湯

おしゃれな喫茶店の個人宅の温泉。このたび温泉道に入会して私は初めての訪問である。



個人宅のリビングのような喫茶店である。別棟に透明、無味、無臭の雲泉寺源泉で岩風呂のような内湯があった。



6別府温泉 ホテルニューツルタ

いつもお世話になっている鶴田氏であるがまだ泊まったことが無く、この度初めて泊めていただく。別府温泉カルテによると浴槽内部分析表では重曹食塩泉で食塩泉がメインになっていた。



よわいツルツルもあり重曹泉の良さも持っている。敷地内独自源泉の宿である。浅い地点からの湧出ながら近くの竹瓦などと違って金気臭が少なく個性は弱いが薄くささ濁りになっている。



湯口から源泉掛け流しになっており、私の意見ながら源泉掛け流しをもう少し宣伝しても良いと思われた。



7的が浜温泉 共同湯

つるつるの重曹泉

国道10号線沿いの北浜の近くにある共同湯。2階が北的が浜公民館で1階が共同湯の温泉である。鄙びた外観の共同湯である。



中央に浴槽が一つの一般的造りの温泉である。49.5度の独自源泉で素晴らしい源泉である。総計2116mgのNaMg-HCO3で重曹分の含有量が多いのでつるつるの感触がある。



別府北浜周辺では金気によってつるつる感がなくなっているがここはつるつるである。また浴槽周囲に少ないながら析出物が付き素焼きの陶器のようになっていた。



もとは地元専用温泉であったが最近、温泉道にも入った。薄緑色、甘味、無臭と観察した。



8別府北浜温泉 加賀旅館

ポンプのせいだと思われるが間欠泉、別府一の析出物

国道の海岸際にある北浜の温泉街の一角にある木造の旅館。ホテルニュー松美の隣である。ここの洞窟風呂がすごい。



源泉が壁から間欠的に湧出して、反対側の壁に当たっている。湧出口も湯が当たっている方もキャラメルのような析出物がたくさん積層して壮観である。別府ナンバーワンの析出物であろう。



浴槽の周囲にも10センチほど析出物が付いている。そして掛け流しで溢れる部分は小山になっていてその上を湯が流れている。



ゴーという音とともに湯が噴出し、壁にバシャと当たる。強力な個性的な浴室を発見した。湯は透明、甘味、無臭でつるつるの感触がある。別府特有の金気と渋味は無い。



 

 

9湯布院温泉 乙丸温泉館

湯布院特有の温泉。特に個性なし、コンクリートの共同湯で透明、無味、無臭の単純温泉が掛け流しで使われている。56.1度の源泉で総計691mgである。



 

 

10湯布院温泉 玉の湯

玉の湯は泊まらないと良さがわからないのだろうか?普通の旅館に思われた。特に立派な外観でもなく、ただ広さはあるので平屋の建築で落ち着くであろう。



広報の担当者は私を良く知っており親切で対応が良く好感した。浴槽はやや小さめで一般的であった。明るいティールーム「ニコル」がある。



修善寺の「あさば」のラウンジも同じような家具で明るい雰囲気であった。山里料理の葡萄屋という食事処もある。きっと食事がおいしいのであろう。



私はいままで一番と思ったのは仙仁温泉「岩の湯」の食事で10年以上それ以上に感動した料理が無かったものである。



岩佐氏の絶賛する修善寺「あさば」の料理も数多く出てくるが、特に感動までには至らなかった。きっと玉の湯は料理が良いのかなあと推測した。

 

11湯布院温泉 無量塔

湯布院の坂の上にある高級旅館、庄屋の館の上に位置する、その噴気がすぐ下に見える。しかしこちらの温泉は60度台の単純温泉で個性は無い。



この旅館は一棟を一組で使う、ベットルームのほかに4.5室あり、広すぎて2人では落ち着かないであろう。大浴場はなく、客室専用の浴槽しかないのは残念。



しかし建築は太い柱と大きな梁で豪放で素晴らしい。しかし黒川温泉でもたまに感じる、「演出」を大きく感じてディズニーランドを連想してしまった私である。「タンズ」バーというところに音楽が流れていてスピーカーはJBLのパラゴンがあった。



無量塔の白眉だと思われた、明治館を見せてもらったが綺麗に移築されていて新築のようである。ここも5室ほどある大きな1棟であった。



茅葺きの屋根で総玄関の前にある。この宿は古民家の移築ながら雰囲気が出るのはまだ時間がかかりそうである。新潟の龍言も古民家移築ながら、奇麗過ぎて、無量塔と同じく新築のように感じた。



玄関は時代劇に出てくる居酒屋のような小さな障子の出入り口で、横に薪が積んであり演出された雰囲気が分かってしまう。支配人が丁寧に対応してくれた。





12湯布院温泉 亀の井別荘

前にも訪問しているが、ここが御三家では一番好きである。エントランスにある小さな門構えが絶妙である。これほどの結界を造り出す門を私はここしか知らない。



以前冬枯れのときも凛としたその門から、ここから中が亀の井別荘の別世界があるのだなあと思わせてくれた。このたび夏ながら気品の高さは同じであった。門の手前に彫刻の凝った物置があり、茅葺きの屋根で雰囲気を盛り上げていることも忘れてはいけない。



雑貨屋の「鍵屋」と料理処の「湯の岳庵」は結界の門の外にあり、観光客も入れる。以前も寄ったが天井の高い民家の造りで梁がむき出しの湯の岳庵で5千円ほどのコース料理を食べた。



少量であるが染み渡るように美味く、満足した。食べ終わるまで1時間半掛かる、前菜3品(アスパラの焼き物、おひたし、もう一つ)からしいたけの焼き物、肉料理(冷しゃぶ)、トマトとチーズの茶碗蒸し、ご飯、汁、デザートで生ビール2杯は満足であった。



隣の席は有名建築家の磯崎新氏だった。昼間の大浴場は私のために清掃を遅らせ独占させてくれた。支配人が対応してくれた。

 

13湯布院温泉 下ん湯共同湯

温い湯になっていた。金鱗湖が見渡せた露天風呂側には生垣が造られ景観が悪くなってしまった。観光客が多すぎるのが原因である。





 

 

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2012/07/14 九州 関東 

埼玉の温泉センター4か所と北九州1か所

埼玉センター4ヶ所

1 早稲田温泉 めぐみの湯  85

埼玉県でも東寄りにある三郷市に温泉が湧出した。常磐自動車道と外環自動車道の交差する地点に三郷ジャンクションがあるが、その近くの温泉である。武蔵野線三郷駅の近くである。住宅街の中に四角い鉄骨造ALCの外壁の温泉センターである。



湧出量が多く毎分300リットルあり、内湯2ヶ所、露天風呂2ヶ所ともに源泉掛け流しで利用されている。



湯の色が濃い茶褐色の強食塩泉である。見た目は有馬温泉のような源泉である。強い塩味と弱い金気臭がある。45.4度の強食塩泉で総計24440mgである。成分量の割りに塩辛さが強かった。



塩分のほかに土類金属のマグネシウム338mg、カルシウム491mgを含有しているため苦味が加わっていて塩辛いのかもしれない。赤褐色の色は透明度10センチで鉄分の8.3mgが良く残っている源泉であった。入浴料が1300円と高くお客は少なくガラガラであった。



2 上尾温泉 花咲の湯  80

岩槻インターチェンジで降りて国道16号線に沿って上尾市に入ると新しい温泉センターが出来ていた。アメリカのショッピングモールのような外観の建築で内装はアジアンテイストとも言える、やや中華風になっていた。



38.5度の食塩泉で総計6114mgの低調性の源泉である。露天風呂のみ温泉を利用しており四角い東屋の付いた石風呂が掛け流し浴槽である。そこから流れ出る下湯は循環である。掛け流し浴槽は一つである。



ほかにつぼ湯2ヶ所や寝湯は循環である。源泉の個性ははっきりと残っており良い。褐色濁り、塩甘味、かつおぶし臭であった。



透明度は15センチほどで鉄分の2.3mgがよく残っている。下湯は循環されて褐色透明になっていた。源泉浴槽は新鮮で良いと思った。



3 羽生温泉 華の湯 75

東北自動車道の羽生インターチェンジで降りて羽生温泉 華の湯に行った。東武伊勢崎線羽生駅の近くでホテルルートインに併設されているスーパー銭湯である。



44度の食塩重曹泉(Na-HCO3、Cl)が毎分460リットルも湧出し、内湯のヒノキ風呂と露天風呂の2ヶ所で掛け流しで使われている。



総計1426mgの単純温泉をやや超えた湯であるが良く個性を残しており黄緑色透明(緑茶色)、少エグ味、薬品臭+少硫黄臭であった。内湯は大きな浴槽で桧の枠である。露天風呂の岩風呂の2ヶ所も源泉浴槽であった。



弱いつるつる感もあり最近の温泉センターはかなり湯の使い方が良くなったと思う。浴槽内部で循環殺菌していると思われ源泉を追加するタイプである。浴槽の縁から湯が溢れているのでオーバーフローは多い。

 

4 深谷温泉 花湯の森 70

羽生から埼玉県を横断して花園インターチェンジに近い深谷温泉に行く。和風の民家のような入口で天井の高い玄関は黒い梁が交差していて、まさに囲炉裏のある民家のように造られている。



廊下は濃いべっ甲色に塗られたもので雰囲気は良い。土壁の意匠や細い格子を使った建具も田舎屋のイメージである。



温泉は26.5度の食塩泉で総計7025mgである。しかし浴槽では加水されているのか半分くらいにしか感じない。掛け流しと謳っているが殺菌、循環で少量の源泉を追加しているだけである。大きな内湯1つと庭園風に大きな石で造り込まれた立派な露天風呂が温泉であるが加水、循環で温泉自体の評価は上がらない。



しかし建築や造園の評価はしたい。露天風呂につながる庭園は池や滝が見える。良く造りこまれている。湯は透明、少塩エグ味、無臭で浴槽では殺菌臭があった。4630温泉地に数が増えた。



北九州  輝泉 くさみ温泉  60

北九州に社員旅行があって、みんなで入浴した温泉。海上にある新北九州空港から国道10号線に入ったところに位置する。くさみ温泉は朽網と書く。難読地名であろう。地下960メートルから25.8度の温泉が湧出している。総計29914mgの強食塩泉で毎分64リットルの湧出量である。



鉄分を22.8mg含有し正式名は含弱放射能Fe―NaCaMg-Clである。特記成分はFeの22.8mg Brの94mgである。透明、強い塩辛い味、カルキ臭であった。



大きな内湯と円形の露天風呂があるが、どちらも加温、循環、殺菌である。除鉄もしている。建築は民家のような入母屋の屋根に唐破風の入口で板壁が雰囲気がある。しかし湯の使い方が駄目で残念である。

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2012/05/27 九州 

別府の個人宅温泉や野湯と大御所、竹瓦温泉

1湯山温泉 東温泉下野湯

湯山温泉は国道を境に上に西共同湯、下に東共同湯がある。明礬小屋の連なる坂道の上には西共同湯があり、風情のある外観で過去にお願いして入浴したことがあるが、綺麗な透明の湯がドバドバの掛け流しで良い記憶になっている。



東共同湯は沢筋に下って行く。10年以上前から使われておらず廃墟のようになっている。湯山温泉の野湯は山中にあり発見は困難であろう。川沿いに小さな露天風呂があるだけの施設で、横にブルーシートで覆われた脱衣場がある。地元専用共同湯のような使われ方で許可なしでは入浴不可である。



ここの湯が個性的である。赤褐色でえぐ味と薬味があり、金気臭と少硫黄臭である。コンクリートの浴槽1つで湯口から49度の源泉が掛け流しされ浴槽では42.2度の適温になっている。赤い湯が少ない別府では珍しい存在であろう。



2血の池地獄 個人宅温泉

別府の鉄輪から柴石に至る地獄群は観光名所となっているが、これらの存在は非常に貴重で世界遺産にも匹敵すると思っている。その中で赤い湯で有名な血の池地獄の湯に入浴した。



近年、足湯が出来て湯に触ることはできるが入浴施設はない。以前にも入浴させていただいたが、社員用の個人宅に入浴させていただいた。小さな家庭用のポリバスである。



ここに血の池地獄の泥とともに赤い湯が入れられている。この赤さは一般の鉄鉱泉のような赤褐色ではなく、より血の色に似た濃い赤色である。ともに酸化鉄の表現であるが、ここの湯は赤さが鮮明である。66度の酸性芒硝食塩泉(H-Na―Cl、SO4)である。



PH2.8の酸性の湯だ。鉄分(Fe)は0.9+3.3で少量だがマグネシウムを49mgカルシウムを56.7mg含有しており相互作用であろうか?色が特徴的である。赤褐色(3センチ)、少酸味+渋味、粉っぽい、少金気臭であった。入浴感触は泥を混入しているためかキシキシしている。個性的な湯だ。なお近隣でも小さな個人宅の湯でこの湯を使っている場所を知っている。



3別府温泉 竹瓦温泉

日本一の温泉はまちがいなく別府で市内に160ヶ所以上もある共同湯の盟主は堂々たる外観の竹瓦温泉でしょう。国内でも道後温泉本館と並んで屈指の共同湯である。このたび国指定有形文化財に指定された。昭和13年建築のこの共同湯は豪放華麗な建築でまるで寺院のような風格である。



このたびゆっくりと建築を見学し、入浴した。外観の写真を撮っていると観光客は必ずといってよいほど正面で記念写真を撮っていた。この建築の立派な外観に感動するのでしょう。



入母屋造りの2階建てで瓦の屋根であるが、正面には銅版葺きの唐破風が付いて立派である。向かって左側は砂湯浴室でこちらは寄棟造りになっている。2階の窓には高欄が廻り白い壁と黒い柱や桁が際立っている。窓は縦長で1層の階高が高い造りである。



屋根裏は肘木の木組みと垂木が重厚さを演出している。左側の棟には裳階が付けられ気品に溢れている。玄関を入ると広い格天井のホールで、右側が浴室である。2階も格天井の公民館になっている。以前ここで講演会を行ったことがあり感慨無量であった。



湯は2つの源泉があり1号泉は土類食塩重曹泉(NaMg―HCO3,Cl)で総計1637mgの湯 57.9度である。2号泉は純重曹泉で総計1436mg 55度である。浴室は半地下のようになっており1階部分の1段高くなったところが脱衣場である。階段で浴槽に下りてゆく仕組みである。



湯はささ濁り、少苦味、微金気臭で以前より渋味と金気臭が少なかった。温泉は生き物であるため、再訪時に違った感触のことも多くある。浴槽は半円形の大きなものが一つだけで簡素なものである。半地下の浴室のため、天井が高く気持ちが良い。折上げの格天井になっている。



砂湯棟も1階よりは低く造られている。入り口を入ると砂落とし用の浴槽がありその奥に砂湯がある。半分ずつ交代で砂の上に湯を張り、砂を暖めるのと同時に清掃して残りの半分で砂蒸しをする人工的な砂風呂である。以前、別府の砂浜は天然の蒸し湯があったことの名残である。





 

4別府温泉 別府ステーションホテル

駅前のシーウェーブホテルに泊まったが温泉は付いておらず、温泉は提携のステーションホテルに入りに行く。2階が浴室で透明、無味、無臭の単純泉で特に個性は無かった。掛け流しで使われている。

 

5同尻温泉 個人宅

大分市のとなりの挾間町にある個人宅の温泉。3回目の訪問である。近くには残念ながら枯れてしまった田淵温泉共同湯もあった。



川沿いの敷地に源泉が自噴して流れている。炭酸を含む土類食塩泉でオリーブ色に濁った良い源泉である。炭酸を含む源泉特有の析出物が堆積し、川には10メートルほどの大きな山になって析出物が積み重なっていた。毎回行くごとに大きくなっている。



味覚は炭酸清涼味に塩苦味がある。花山温泉のような感触である。少金気臭もある。含炭酸土類重曹食塩泉だと思われる。総計は15グラムくらいと推測する。



自噴掛け流しである。温度がやや低めで41度の源泉で浴槽では38.5度ほどになっていた。しかし素晴らしい源泉で良い泉脈があると思った。以前行った近くの観音温泉は泥沼状ではなく配管で川に捨てられていた。30度前後の湯であった。



 

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