温泉チャンピオン 郡司勇の温泉サイト » 2010 » 5月
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郡司が実際に行き、観察・記録した湯について書いています。
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温泉紀行
2010/05/23 関東 
群馬の秘湯と混浴掛け流し温泉

3漣温泉 のぞみの湯 (再訪) 80
 プレハブの浴室に木の浴槽にヌル湯掛け流し 
 変らずに存在していた。
国道沿いにある漣温泉を思い出した。ちょっと寄ってみた。プレハブの湯小屋に湯気抜きが付いていて、前に雨除けがある外観は以前と変らずに存在していた。なんと解放されていた。以前は夕刻で写真の良いのが取れなかったので入浴した。34.8度のアルカリ性単純泉でPH 9.31 総計720mgである。中には木枠の浴槽が一つポツリと置かれているだけである。HS 0.4mgの含有量で透明、たまご味、微硫黄臭と硫黄分が感知できたのは嬉しかった。加熱していない源泉のままであったのが幸いしたようだ。CO3も25.2mg含有しているがつるつるは無かった。食塩芒硝系で、重曹分が無いためだと思われる。貴重な地元専用のような温泉が健在であったのは嬉しいことである。ただし加熱していないので入ると出られないほどのヌル湯であった。

4大塚温泉 金井旅館  (再訪) 85 
 ヌル湯大掛け流しで豪快である。全国屈指の湯量 混浴内湯
群馬の温泉でこの温泉は素晴らしくかつ貴重である。ヌル湯の大掛け流しと混浴内湯が残っている。最初の訪問時から強く記憶に残っている。約10年ぶりに訪問すると新館が出来ていたが、以前の混浴内湯は健在で浴室を開けるとドバドバの湯量が掛け流しになり、床が洪水状態である。これこれ、この通りと満足した。横に小さな加熱浴槽もあるが、この大きな内湯に大掛け流しの豪快なヌル湯がこの温泉の圧巻である。壁に岩を配し、タイル張りの浴槽で縁は御影石である。扇形の浴槽の縁から湯が流れ床一面は3センチくらいの厚みで湯が流れて川のようだ。素晴らしい景観である。横の加熱浴槽は大理石貼りである。32.8度のアルカリ性単純泉で総計500mgである。透明、少エグ味、無臭と個性は少ないが湯量に圧倒される。混浴なのも貴重である。32.8度ながら寒さを感じないのは湯の流れがあるためであろう。この浴槽が素晴らしい。吾妻渓谷にある松の湯温泉もヌル湯掛け流しで川古温泉と並んで群馬のヌル湯の双璧であろう。良い温泉であった。

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2010/05/13 関東 
猿ヶ京温泉と湯宿温泉

1猿ヶ京温泉  湖城閣  温泉地再訪  75 
 独自源泉掛け流し 庭の露天風呂は釜風呂、木の刳り貫き風呂など
 多彩 
翌日の朝は雪で、法師の湯小屋の屋根は白く雪が積もっていた。山を下り猿ヶ京の温泉に着くと雪はなく、曇天の空になっていた。猿ヶ京温泉も訪問は久しぶりで湖城閣は多種の浴槽がある露天風呂で独自源泉の宿である。鉄筋の3階建ての古い宿である。毎分652リットルも湧出し、掛け流しで利用されている。62.8度の石膏食塩泉(NaCa-Cl・SO4)で総計1710mgのものである。しかししっかりとした薬味と湯の香があり存在感はある。混浴の露天風呂には大きな樽風呂があり、ほかにも鉄釜風呂が2つと木の刳り貫き風呂が2つと庭園石組露天風呂がある。透明、弱塩石膏苦味、微湯の香と記録した。

2 湯宿温泉  小滝湯共同湯  温泉地再訪 75
鄙びた風情が良い  松の湯 竹の湯 窪湯とも施錠 
国道17号線沿いの湯宿温泉は小さな温泉街で宿の数は5軒ほどであるが、共同湯が4ヶ所あり充実している。まずモルタル造トタン屋根の鄙びた松の湯共同湯に行くが施錠されていた。ここが一番地元に密着した共同湯であろう。次に板の壁と白い破風に瓦屋根の立派な竹の湯も施錠であった、3つ目のこの湯宿で大湯とも言える窪湯は白壁の造りで瓦屋根の立派な木造であるが、ここも施錠で午前中に空いている共同湯は無いのかなあ?と思い隣の小滝湯共同湯に行くと開いていた。小さな木造の湯小屋で、天井の高い風情のある造りである。小さなタイル張り浴槽1つのみに湯が掛け流しになっていた。入浴にはかなり熱く少々加水した。芒硝泉ということだけ分かるが分析表の掲示がなかった。透明、少苦味、無臭と観察した。熱めの湯が掛け流しで良い共同湯であった。

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2010/05/09 関東 
沢渡温泉 共同湯・まるほん旅館

8沢渡温泉 共同湯  (再訪) 75 
 天草石の床に伊豆石の浴槽 良い風情掛け流し 
沢渡温泉は少し不思議である。山の登ったところにあり、峠に近いところに湧出する。こじんまりとした旅館街で、中央に共同湯とまるほん旅館がある。共同湯は平屋の小さなもので、白い建物である。隣がまるほん旅館の浴室になっている。天草石の床に伊豆石の底の浴槽が2つ並んでいて色の取り合わせと雰囲気がたいへん良い。食塩石膏泉(CaNa-SO4・Cl)で総計1120mgの清澄な泉質である、HSを0.6mg含有し、透明、たまご味と苦味、微硫黄臭と成分は少ないながら良く個性を発揮している。55度の温度で2つの浴槽に弱く掛け流しにしている。良い共同湯であった。

9沢渡温泉 まるほん旅館  温泉地再訪  85 
 ここの浴室は良い、湯も新鮮  
沢渡共同湯の隣に緑色のトタン屋根の浴舎が建っているがこれがまるほん旅館の浴室である。小さな旅館の玄関を入り、渡り廊下で浴室に行く。階段で浴室の中央に下ってゆく造りである。その階段の両側に浴槽があり、放射状の木の床が良い風情である。木造りの浴槽であるが底が青石で、きれいな湯を通してはっきり底まで見える。石櫃の源泉口から湯が出るL形の浴槽と木の湯口から温泉が出る四角い浴槽の2つがある。壁の腰までは石を張ってあるが上部が板張りである。木造の階段が中央に下りてくる不思議な浴室であった。この浴室の雰囲気がたいへん良く、昔ながらの浴室を良く残したものだと好感した。食塩石膏泉(CaNa-SO4・Cl)の源泉で総計1120mgの共同湯と同じ泉質である。透明、たまご味、苦味残る、少湯の香と記録した。

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2010/05/05 関東 
川原湯温泉4ヵ所 

4川原湯温泉  山木館 (再訪)  70
 内湯が掛け流し 露天風呂は循環 
近い将来、八つ場ダムによって湖水に沈む温泉地の川原湯に久しぶりに訪問した。みよしやに入浴をお願いしたが、断られ、和風の瀟洒な玄関の山木館に入浴した。分析表に拠ると元湯・新湯混合泉で71.6度の高い温度の源泉である。総計1960mgでHS 1.2 H2S 1.0の硫黄含有量である。仄かな硫黄臭のする含硫黄石膏芒硝食塩泉(S-CaNa-Cl・SO4)である。内湯はムササビ覗きの湯と称され掛け流しである。御影石の縁のタイル浴槽である。透明、少苦味、湯口少硫黄臭と記録した。露天風呂の水車の湯はオーバーフロー循環で硫黄臭は抜けていた。

5川原湯温泉 王湯 (再訪)  75 
 透明、たまご味、少硫黄臭   
川原湯温泉で一番大きな共同湯が王湯である。木造の立派な造りで、壁の一部が石張りになっている。内湯の棟と露天風呂が離れており、別の脱衣場になっている。湯は新湯源泉で含硫黄食塩石膏泉(S-CaNa―SO4・Cl)で山木館の食塩泉が硫酸塩泉に変わっている。総計1539mgである。食塩と石膏が拮抗しているので少しの差で入れ替わるのであろう。H2Sが2.0mgの含有量である。78.9度という高温のため少加水している。透明、たまご味、少硫黄臭と硫黄分の感触がはっきりと分かる温泉である。石張りの露天風呂と伊豆石の底の小判型内湯の2つがある。ともに掛け流しで使い方は良い。

6聖天様露天風呂  温泉地再訪  75 
 透明白湯の華浮遊 たまご味苦味残る 少硫黄臭 
川原湯温泉の山の斜面を登ったところにある共同湯で、露天風呂のみの施設。浴槽が1つで混浴である。瀟洒な脱衣小屋が建っており、露天風呂の上にも屋根が掛かっている。石張りの四角い浴槽で湯が少量加水されながら掛け流されている。源泉は良いもので硫黄分が含有されているのが良く分かる。透明の湯ながら白い溶きたまご状の湯の華が多数浮遊している。たまご味で苦味が残る。少硫黄臭であった。無人の開放施設なので、マナーを守って利用して行きたい。

7川原湯温泉   笹湯共同湯  温泉地再訪  80 
 鄙びた良い風情の共同湯  
温泉街の下方にある鄙びた共同湯。木造の古い造りのままの外観は風情があり、茶色に染まった板の壁が古さを物語っている。天井の高い空間にタイル張り浴槽がある。床は四角いタイルであるが、浴槽はモザイクタイルで2色に張り分けられ奇麗である。湯は加水ながら掛け流しで透明、少苦味、微硫黄臭と観察した。新湯源泉ながら王湯に掲示されていたものと違う。総計1890mgでS―CaNa―Cl ・SO4である。HS 2.6 H2S 1.5という硫黄含有量が多くなっていた。脱衣棚と浴槽が同じ空間にあるタイプの浴室で木の壁とタイルの浴槽、高い天井の醸し出す風情が良く、3箇所の共同湯の中で一番気に入った。写真をたくさん撮ったが良い出来であった。

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2010/05/04 関東 
鹿沢、新鹿沢、嬬恋温泉 3ヶ所

1 鹿沢温泉 紅葉館   (再訪) 80 
 重炭酸土類泉の掛け流しで個性がしっかりとある
新幹線の佐久平にて下車して、レンタカーを借りた。ここからのコースとしたのは群馬と長野の温泉に行くのに都合が良いからである。100体観音のある地蔵峠を登って行き、曾遊の奈良原温泉の横を過ぎて湯の丸高原にある鹿沢温泉に入浴した。100番目の観音像がこの鹿沢温泉の前にあり終点である。ここは記憶が薄くなるほど昔の訪問で20年近く行っていない。しかし一軒宿の紅葉館は同じように佇んでいた。浴室も以前のままでやや低くなった半地下のような位置である。浴槽の横に飛天のようなレリーフがある古い浴室である。雲井の湯源泉と命名され44.5度の源泉である。源泉は湯小屋の道路側にあり、毎分500リットルほど湧出しているが、ここではそのうち61リットルを使い男女別に30.5リットルずつ掛け流しにしている。簡素な四角い浴槽一つでその容量には充分な量で適温である。残りは新鹿沢に引き湯している。総計1390mgの重炭酸土類泉(Mg・Na-HCO3)で成分の量が比較的少ないながら、湯の表現は多彩でしっかりとある。薄緑濁り、甘渋エグ味、土類金気臭(香ばしいかつおぶし臭)と観察した。鉄分が1.2mgであるが色と匂いに良く出ている。木枠の浴槽に木の床で掛け流しになった湯がゆっくりと流れている。良い湯であった。

2 新鹿沢温泉 鹿沢館   75 
 立派な木造入母屋御殿風旅館  湯は紅葉館と同じ源泉
鹿沢の引き湯ながら別温泉地名を名乗る温泉。この新鹿沢温泉で素晴らしい建築が鹿沢館である。昭和9年の創業当時の建築であろう。以前入浴をお願いしたことがあるが、入浴のみは不可であった。今回は雑誌の取材ということで入浴させて頂いた。入母屋の大屋根に千鳥破風の玄関の付いた立派な本館である。窓の欄間や格子が繊細で軒下の飾り金物がレトロである。しかし2階建てとは思えない階高の高さで大きく見える。2階が大きな広間になっているので天井が高いのである。玄関の内部は磨かれた廊下で円形の透かし障子が凝った木組になっている。2階は格天井の大広間で立派な造りである。この建築は1階が玄関で2階が広間という造りで客室は両側に3室ほどである。今は奥の棟が客室になっていて、やや新しい造りである。浴室は新しい造りで御影石造りの内湯のみである。透明、エグ味、少湯の香と観察した。元湯の鹿沢温泉に比べ濁りがなく、匂い、味覚共に減少していた。同じ重炭酸土類泉の源泉である。引き湯のうちに鉄分が析出してしまうと考えられる。しかし掛け流しで利用されており新鮮さは問題ない。立派な建築をこれからもうまく使ってほしいと思う宿であった。
3 嬬恋温泉 つまごい館  (再訪) 75 
 新築になっていた。ヌル湯の掛け流し 
吾妻線の終点、大前駅の隣にある温泉宿。以前は仮設風の簡素な施設であったが、このたび訪問すると新築の奇麗な宿になっていた。吾妻川のほとりにあり、浴室からの川の眺めが美しい。四角い木の内湯と、同じく木の露天風呂がある。35.5度の土類重曹泉(NaMgCa―HCO3)で透明ながら、エグ甘味、香ばしい土類臭と微硫黄臭がある。内湯は少加熱して掛け流しにしている。露天風呂は源泉のままでヌル湯になっていた。総計1830mgながら個性的な源泉でありNa 223(47.1%)Mg 67.5(27%)Ca 97.3(23.6%)と土類系の成分が適度に入っているのが良い。炭酸も141mg含有されているが感じられなかった。しかし源泉のままで利用されており良い使い方である。

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