温泉チャンピオン 郡司勇の温泉サイト » 2012 » 3月
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郡司が実際に行き、観察・記録した湯について書いています。
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温泉紀行
2012/03/31 東北 
夏油温泉周辺の温泉 5か所

7月のレポートです。

1瀬峰坂温泉 宝珠の湯 

 温泉センター系 加水 オーバーフロー循環 総計8379mgもの含Rn-NaCa-Cl 59.5度 

 加水が残念 

 

夏の3連休に湯治宿に泊まって、山の野湯に行こうと出かけた。久しぶりの夏油温泉に向かう途中に新しく瀬峰坂温泉 宝珠の湯という温泉センターが出来ていた。分析表を見ると総計8379mgのNaCa-Cl泉で59.5度という強力な温泉が湧出している。タイル貼りの内湯のみの温泉で大浴槽とヌル湯浴槽の2つだけがあるシンプルなものであった。

 

大浴槽はオーバーフロー循環で少加水していると思われ透明、塩苦味、無臭であった。ヌル湯浴槽は加水が多く薄い湯であった。小さな源泉掛け流し浴槽があれば良いと思う施設であった。

 

2 奥夏油温泉 

 夏油から登山道および林道を約1時間 往復2時間強 豪雨の後で浴槽も源泉もなにも無かった。源泉近くの

 温泉の匂いがするところの川で水浴した。

夏油温泉に10年ぶり以上になるが訪問した。記憶も薄くなり良い湯であった記憶はあるのだがゆっくりと確認しようと思った。その前に夏油温泉の奥にある奥夏油温泉に行こうと出発した。夏油温泉の入り口にある登山道を登り、山の中腹に通っている林道まで急な坂である。すぐに林道に出たのでそれを行くと、天然記念物に指定されている巨大石灰華の天狗岩に行く道であった。350mと書かれていたので見てゆくこととした。

 

高さ30mはあろうかという巨大な石灰華ドームが川の対岸にあった。二股ラジウム温泉のような大きなものであった。さてさらに山道を登り林道に出ると両側から草の生い茂った荒れた道で落石や決壊もあってもう徒歩でないと行けないであろう。林道も結構な登りで、久しぶりの山歩きに全身汗だくになった。

 

途中で右から沢が横切っているところで少休止して、その後10分ほどで林道が終わり川原に出た。元湯夏油で聞いたところ、大雨で崩されて無いかもしれないとのことだったが、やはり何も無かった。上の堰堤までの間をくまなく探したが温泉らしきものは発見できなかった。しかし川原の一部で香ばしい温泉の香りがする地点があり、その近くの川で水浴びをした。

 

3夏油温泉 (再訪)

 1目の湯 足元湧出温泉 炭酸味が感知出来た。濃いNaCa-Cl SO4泉 4100~5400mg 

 2真湯   横に自噴穴のある浴槽 

 3疝気の湯 足元湧出温泉 湯の香が良い 

 4大湯 天然岩の足元湧出温泉 

 5滝の湯 浴槽横の穴から湧出 

 5ヶ所とも混浴 

 6洞窟の湯(蒸し風呂) 以前は入浴できたが、今回は蒸気のみ

 

 夏油温泉に泊まり、ゆっくりしようと思い出かけたが、うまく旅程が合わず日帰り入浴にした。今回は花巻周辺の鉛温泉と後生掛温泉の湯治部に泊まる予定とした。元湯夏油は大きな湯治宿でいくつもの棟が並び、湯治がまだ残っている宿で貴重である。2つの内湯と5つの露天風呂があり露天風呂のうち3ヶ所は足元湧出浴槽である。残りの2ヶ所も浴槽の横に源泉穴があり溢れた湯が゙浴槽に注がれる湧出状況が見える温泉であった。

 

まず一番下流から入浴していった。川の対岸にある目の湯は足元自噴源泉浴槽で天然岩が露出しておりその底から温泉が湧出している。混浴の露天風呂であるが小屋掛けしてあり半露天風呂のようになっている。4から5グラムほどの芒硝食塩泉と思われ重曹分も入っていると感じられた。足元自噴の温泉は新鮮で、透明ながら塩炭酸エグ味が感知できた。

 

匂いもあり特有のえびせんのような香ばしい香りである。特に味覚に清涼な炭酸味が感知できたのは嬉しい。目の湯の向かいにあるのが小屋掛けしてある真湯である。総計4129mgのNaCa-Cl泉で55.1度PH6.4の源泉である。混浴の岩風呂でコンクリートで固められた浴槽が一つある。透明、塩エグ味、無臭で浴槽の隣に自噴の源泉穴がありそこから浴槽に湯ガ流れてくる仕組みであった。

 

少し上流にあるのが疝気の湯で小屋掛けしておらず完全な露天風呂である。岩肌より足元自噴している源泉で渓流側が半円形にコンクリートで固められている浴槽である。夏油温泉の露天風呂の中ではヌル湯で40度前後である。

 

足元より気泡が出続けており、透明ささ濁り、塩エグ味+炭酸味、湯の香あり。と観察した。ここでも新鮮な湯のために炭酸味が感知できて良い。疝気の湯の上に滝の湯がある。ここは露天風呂といいながら内湯のように小屋の中の温泉である。一つの小判型の浴槽が2つに仕切られており熱い湯、ヌル湯になっていた。ヌル湯でも42度ほどあり、熱い湯は46度ほどある。

 

NaCa-Cl泉の54.1度で総計5391mgの源泉である。浴槽の横に源泉湧出口があり自噴の源泉が浴槽に溢れて流れる方式である。やはり新鮮な良い湯で透明、塩エグ味+弱いたまご味、少湯の香であった。一番上流に小屋掛けしてあるのが大湯で天然岩の掘り込み浴槽で足元湧出源泉浴槽である。NaCa-Cl,SO4泉の59.8度で総計5142mgである。夏油温泉は全部の浴槽の湯が微妙に違うが、ほぼ重曹や芒硝を含む食塩泉で総計も4グラムから5グラム強というものである。

 

炭酸も少量含み熱い源泉にもかかわらず感知できる温泉である。大湯の分析表によると様々な成分が何でも適度に含有されているもので、療養効果が高いと推測できる。Na 908 K 143 Mg 56 Ca 457 Cl 1773 HS 0.2 SO4 696 HCO3 378 H2SiO3 286 HBO2 163 CO2 270 などである。透明、塩エグ味、少硫黄臭ありと観察した。

 

夏油観光ホテル側から登ったところに洞窟風呂がある。昔は湯が゙張ってあり、入浴できたが現在は蒸し風呂として湯は流れ去っていた。床には析出物が溜まり千枚皿のようになっていた。ここも以前のように入浴できたら良いと思った。

 

4入畑温泉 

 単純泉、透明、無味、無臭 循環 

夏油温泉からの帰りに、8年前に出来た未入浴の入畑温泉に寄った。ダム下の川原にある白い三角屋根の温泉で宿泊2食付で5000円からという安さである。入浴料も300円と安い。40度の単純泉で総計629mgの源泉である。

 

渓谷沿いの内湯のみで簡素な温泉である。しかし透明、無味、無臭、加温、殺菌で個性はなかった。

 

5瀬美温泉 (再訪)

 つるつるの湯 掛け流し 美人の湯はつるつる無し  長寿の湯と夢の湯はつるつる 以前の記憶のまま

 CO3 21.6 総計427mg 

 

以前に訪問して、つるつるの湯ガ記憶にある温泉。今回は新館ができており、浴室も3ヶ所に出来ていた。まず以前からある混浴の露天風呂が付いた美人の湯に行く。45.1度の単純温泉で総計615.5mgを入れており透明、金気味、微金気臭の湯である。つるつるは無く、弱いすべすべ感があるだけであった。

 

四角い内湯の外部には少し下がったところに混浴の露天風呂があり、以前来た時と変っていなかった。しかしもっとつるつるした記憶があったが、と思って2ヶ所目の内湯の夢の湯に行ってみると別源泉で総計427mgの単純温泉である。

 

42.2度、CO3が21.6mg含有されたつるつるの湯であった。夢の湯の先に長寿の湯があり、内湯が素晴らしい。掛け流しの湯が床を流れ波紋が出来ている。つるつるはやや強しであった。長寿の湯に付属の露天風呂は四季の湯と命名され川沿いの石組み露天風呂である。こちらは中程度のつるつる感であった。ほかに総計315.9mgで35.8度の源泉もあり3本の源泉があると思われる。

 

 

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2012/03/25 中部 
赤倉温泉、燕温泉と源泉登山

赤倉温泉と源泉登山

1赤倉温泉 滝の湯露天風呂 (再訪)

大岩組の露天風呂 51.1度 毎分3400リットル 分析表に硫黄分は無いが感知出来る

温泉ソムリエの会で講演会をした時の温泉行きです。

赤倉温泉は北地獄谷に湧出する源泉を引いて出来た温泉地で、湯量豊富な源泉は毎分3400リットルとなっている。51.1度のCaNaMg-SO4HCO3泉で総計1352mgのものである。

 

温泉街の上にある共同湯のような露天風呂が滝の湯で以前も訪問したが湯の記憶は少なく、白い湯の華が浮遊していたことを思い出す。今回も薄い湯の花が沈殿していた。

 

透明白湯の華浮遊、苦味+弱いたまご味、少硫黄臭と観察した。分析表にはHSもH2Sも記入されていないが硫黄臭を感知することが出来る。苦味を持った硫酸塩泉で赤倉の温泉はみなこの源泉を利用している。

 

2赤倉温泉 ホテルタケダ (温泉地再訪)

小さなコンクリートの浴槽1つ S2O3 0.4mg 弱い掛け流し 

 

洋風の外観の温泉宿、3階建ての白い外壁である。しかし部屋は和室である。地下に浴室があり赤倉源泉が弱く掛け流しにされている。コンクリートの簡素な浴槽で内湯1つのみである。こちらの分析表にはS2O3が0.4mg含有されていた。透明、苦味、少硫黄臭と観察した。

 

 

3 称明滝の湯 

滝壺に湧く、30.~35度 薄白濁 滝の横からも湧出 

翌日は赤倉温泉の源泉地帯に行き野湯を楽しもうと燕温泉から登山道を登った。妙高山の登山道を1時間ほど登ったところにある野湯である。急な坂道を息を弾ませて登った先に大きな滝が見えてくる。光明滝と言い、その横を登ってゆく。さらに奥にさらに大きな称明の滝があり、その滝壺に源泉が湧出している。

 

滝壺自体の右端が白濁しており、足を入れると生暖かい、30度前後の温度であろう。しかし滝の水しぶきが多く湯も尻を浸けるほどの深さで入浴には程遠いが、滝壺のその地点から湧出している源泉で貴重である。

 

早速入浴した。また滝壷の右側の垂直な斜面からも暖かい湯が流れておりこちらは入浴する場所が無い、そのため子供プールに溜めて入浴した。薄白濁、少甘味、硫黄臭の源泉で赤倉に送られている源泉よりも硫黄臭が多い。リトマス紙によると中性であった。

 

4 称明滝下の源泉 

48度 子供プールで入浴 炭酸味 少硫黄臭あり

称明の滝と光明の滝の間に源泉ホースが出ており、48度の源泉が流されていた。これは良い入浴ができると思い、子供プールに溜めて入浴した。温度も適温になり浴槽では43度くらいの温度になり快適である。

 

酸味があり酸性かなと思いリトマス紙で計ると中性であった。炭酸の味覚であろう。薄白濁、炭酸味、少硫黄臭と観察した。

 

光明の滝上で、称明の滝の全景がバックに入り素晴らしい入浴となった。野湯の楽しさは源泉ごとに入浴できることである。この湯が無ければ、滝下のヌル湯のみであったが適温の湯に入浴出来て良かった。

 

5 赤倉源泉の湯  

硫黄分多し、硫黄甘苦味強し、岩組の露天風呂 温泉ソムリエの方々と入浴した。

 

赤倉温泉は毎分3400リットルと豊富な湯量であるがこの源泉は1ヵ所ではなく、光明の滝下に各所の源泉地帯があり、それを集めたものだそうだ。登山道の両側の各所にブルーシートで覆われた源泉が各所にありそれが赤倉に行く源泉とのことである。その1ヶ所からホースで岩組の露天風呂に引いてもらった。

 

細いビニールホースなので時間がかかり、称明の滝付近の源泉で入浴して戻ってきたがまだ半分以下しか溜まっていなかった。硫黄分が多い透明な湯で、硫黄甘苦味強し、少硫黄臭であった。味覚に個性が強い源泉であった。硫黄分の多いまったりとした味であった。湯は新鮮なために透明で匂いも少なかった。

 

6 燕温泉 黄金の湯露天風呂(再訪)

白濁、たまご味、少酸味、焦げ硫黄臭あり 

黄金の湯は妙高山の登山道の始まりにある岩組の露天風呂で男女別に造られている。燕温泉は硫黄臭が多い白濁した源泉で個性的である。白濁、少酸味+たまご味、焦げ硫黄臭ありとはっきりした硫黄泉であった。

 

温度もやや熱めの43度ほどで浴槽の縁の岩から流されている。透明度30センチほどの白濁で白い湯の華が浮遊しているといった湯である。

 

7 燕温泉 河原の湯露天風呂(再訪) 

白濁、たまご味強し、少硫黄臭 3本の源泉を入れている、ヌル湯 

燕温泉街から沢沿いに少し行った渓流にある露天風呂。小川の横に真っ白に白濁した浴槽があり視覚的に存在感が大きい。白濁が強い硫黄泉で素晴らしい源泉である。

 

透明度は10センチ以下である。ゴムホースで3本の源泉を入れておりややヌル目の温泉である。たまご味も最強である。硫黄臭は少ない。

 

しかし身体に染み込んだ硫黄臭は翌日でも抜けずに残っていた。硫黄分は推測だが30mgほどあるだろう?浴槽の縁から溢れる湯の量は多く、立派な掛け流しである。

 

 

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2012/03/11 北海道 
道南の温泉4か所 

1八雲温泉 おぼこ荘  内湯が新鮮で良い 85

ニセコから一気に走り八雲町のおぼこ荘に行った。以前この温泉は暗くなってからの訪問であったので明るい時に入浴したかったのである。

 

内湯は薄褐色に濁り、露天風呂は茶褐色になる湯量豊富な温泉という良い記憶があったが、今回もその通りであった。45.5度の重曹食塩泉で総計3831mgである。鉄分を1.7mg含有し赤くなるのである。毎分600リットルという豊富な湯量である。

 

Na 662mg Ca 171mg Cl 731mg HCO3 1220mgという組成ながら遊離炭酸(CO2)も622mg含有し個性的な源泉である。

 

大きな内湯は大きな岩組の大岩風呂で渓流に沿った露天風呂はすこし下ってゆく。露天風呂の湯が流れた先には只見の湯倉温泉のように析出物の小山が出来ていた。薄褐色、炭酸清涼味+塩エグ味、香ばしい金気臭と記録した。成分以上に塩味があった。内湯は新鮮なために炭酸に拠る体感清涼感も感知出来た。

 

2天然温泉 和の湯   この湯は絶品だ16グラムの食塩泉掛け流し 90

高速道路の八雲インターの近くに出来た温泉施設。ここの浴室の扉を開けたとたん感動した。掛け流しの湯が溢れ御影石の床に奇麗な波紋を作って流れていた。これを見て新鮮な湯だと分かり期待に満ちた。

 

入浴してみると緑褐色の湯で、16グラムの塩味がある。香ばしい金気臭があり良い湯である。新しい民家のような2階建ての小さな施設である。

 

44.5度の強食塩泉で総計16680mgである。入浴してみてさらに良かったのは泡付きがあることである。掘削現場での新鮮な湯に入浴したような気分になった。良い温泉を発見した。

 

1000mの掘削だそうだが名湯である。毎分270リットルの湧出量であるが内湯に多くを使っており、露天風呂も掛け流しであった。この後、魚住金婚湯温泉に訪問したがカラであった。翌日も不可であった。

 

3上の湯温泉 銀婚湯  宿泊8グラム前後の芒硝食塩泉  85

銀婚湯には古くから訪問している。最初は混浴の長い内湯が混浴でその次はその中央部に仕切りが出来て男女別になり、今回15年ぶりくらいだが新たに女性用浴室が出来ていた。

 

さらにトチニの湯やもみじの湯、かつらの湯などが出来ていた。銀婚湯の立派なところはエントランスに至るアプローチの清々さである。下草が刈り込まれた美しい庭が訪れる人の目を奪う、新緑の美しいアプローチが美しい庭園になっており、玄関に到着するまでに素晴らしい演出をする。

 

木造2階の瀟洒な玄関棟がある。今回、この旧館の2階角部屋になり良かった。露天風呂のある庭園も自然風ながら良く手入れさた美しい庭になっている。5本の源泉がありその分析表があるが、使い方でさらに浴槽分析表も3枚ある。

 

内湯や付属の露天風呂などで主に使われている湯は4本の混合で10%加水の6708mgの食塩泉である。トチニの湯は独自源泉で重曹食塩泉で8622mgである。もみじの湯とかつらの湯は2本の混合で7606mgの重曹食塩泉である。どれも芒硝も含む源泉である。

 

つまり食塩泉を骨格に2割ほどの重曹と2割にはすこし足りない芒硝を含む源泉である。温度が高く64度から90度に至っている。トチニの湯の独自源泉のみは濃いが49.9度のものだがそのまま使える利点がある。

 

内湯大浴場は20m近くの長い浴槽で大岩を組んで造られた立派な浴槽である。大きな容積であるが高温の湯のために適温が実現できている。露天風呂は美しく造られた庭に面していて寛げる。薄濁り、塩味エグ味(ダシスープのようで美味い)、油臭あり。と観察した。つるつるの感触も弱いながら感知出来た。

 

この湯は高温の源泉に多い油臭があり個性的であった。4本混合源泉で遊離炭酸(CO2)は242mg含有されている。翌日朝に女湯であったこもれびの湯が男性用になったが同じ源泉である。木枠の内湯と風情の良い庭園露天風呂があった。

 

この温泉宿の雰囲気の良さは庭の造りが良い点であろう、疎林であまり手を掛けないように見せる手法ながら自然林のように美しい。エントランス周囲の林の雰囲気は素晴らしい造形を見せている。盆栽の中に人が入ったような気持ちになる。玉石を敷いた通路に沿って露天風呂に行く。途中にかなり揺れる吊り橋で川を渡りトチニの湯に行った。

 

ここは大きな木の幹を刳り貫いた露天風呂と四角い露天風呂の2つの浴槽がある。渓流に近く川の流れが美しい。さらに途中の林が美しい、白樺林、唐松林などカレンダーの写真になりそうな美しさで、あとで写真を見て美しさに驚いた。

 

トチニの湯は刳り貫きの浴槽には少しながら析出物も付いていた。このトチニの湯は緑色に濁り、塩エグ味は混合泉より多く、湯の香(えびせん臭)があった。

 

かつらの湯は大岩の上に刳り貫きの浴槽があって、その岩に階段で登ってゆく変り種の浴槽である。高いので川が見える。薄濁り、塩甘味で硫酸塩の薬味もある、油臭多しであった。この2本の源泉のどちらかが油臭の元であろう。

 

もみじの湯は川岸の岩を浴槽にするように刳り貫いたもので薄褐色、塩重曹味、油臭であった。それぞれ野湯のような風情で途中の遊歩道の美しさに感動して入浴した。

 

4桜野温泉 熊嶺荘   記憶が薄れていたので再訪  80

銀婚湯のある落部川の一つ北側にある野田生川に沿って遡上する温泉地、渓流に沿った林の中の一軒宿である。55度の食塩泉が毎分140リットル湧出している。等張性には及ばないが総計4307mgのやや濃い目の温泉である。

 

CO2を356mg含有し長年かけて析出物が成長し、内湯の浴槽の縁には10センチほどの厚さで付いている。川に沿った露天風呂もある。ともに掛け流しである。ささ濁り、塩味+少重曹味、ほぼ無臭と観察した。

 

以前訪問した時には露天風呂はなく内湯のみであったが11年前に新設したと言う。それ以前の訪問であったので記憶が薄くなっていたが良い食塩泉であった。

 

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2012/03/07 北海道 
北海道の極上名湯4か所

1小金湯温泉 まつの湯  オーバーフロー循環だが硫黄臭があり良い。 75

小金湯温泉は古い記憶で鄙びた浴槽に入浴した記憶があるが。この度再訪してみると、湯元小金湯もまつの湯も新築になっていた。20年近く行っていなかったことになる。

 

この温泉は硫黄臭のする温泉で今回は湯元小金湯に入浴しようとしたが循環と聞いたので、オーバーフロー循環のまつの湯のほうが少し良いかなあと思いまつの湯の方に入浴した。

 

29度の単純硫黄泉で硫化水素イオン(HS)が2.1mg、チオ硫酸イオン(S2O3) 1.0mgで規定になっている。H2Sは0.1mgである。しかしこれだけ少量のHSながら良く残っており、薄白濁した湯で硫黄臭のする良い温泉であった。内湯が2つの浴槽、露天風呂が一つあるが露天風呂は薄く硫黄分の個性はほとんど残っていなかった。しかし内湯は色と匂い、味覚にもはっきりと硫黄分が残っていた。オーバーフロー循環殺菌ながら薄白濁、たまご味、焦げ硫黄臭ありと観察した。

 

2豊平峡温泉  析出物が凄い 90

木造2階建ての外壁に丸太を並べて貼り付けたアイヌ風の建築の小さな温泉施設、しかし湯が素晴らしく感動的である。52度の食塩重曹泉で総計2613mgの源泉は豊富に湧出し、毎分450リットルの湧出量を誇っている。内湯に3浴槽、大きな露天風呂ともに豊富な掛け流しである。

 

特に凄いのが、内湯の床に析出したうろこ状の析出物である。でわの湯や矢立温泉よりも多く厚く析出しており、足が痛いほどである。遊離炭酸を400.7mg含有し炭酸カルシウムが多量に付いていた。

 

それに比べ大きな庭園露天風呂には石が茶色に変わるくらいの少量の析出物しかない。内湯の床に掛け流される量が多いのであろう。凄い析出物である。生き物のようなうろこの連続で美しい波紋になっていた。

 

露天風呂はたいへん大きい長く造られ30m近くの大きさになっていた。大きな岩組の庭園風露天風呂である。湯は微褐色に濁り、エグ味強く、炭酸味もある。少金気臭で存在感のある湯で良い。

 

源泉からタンクを経由することなく直接掛け流しにしていることを大きく謳っており、新鮮な湯であった。52度という高温ながら炭酸分を残し、味覚に残っているのが素晴らしい。

 

 

3ニセコ昆布温泉 ニセコグランドホテル 湯量豊富で素晴らしい 85

ニセコ昆布温泉は鯉川温泉で入浴したのみで、この度グランドホテルに入浴した。洋風のホテルで分析表の掲示はなく、探してもらったが無かった。68.8度の重曹食塩泉であることだけわかる。

 

茶色に濁った湯で内湯に2つの浴槽。大きな混浴露天風呂が一つある。湯量豊富で露天風呂では次の浴槽に流れるところは小川のようになって流れている。シンプルな内湯はやや大きめな浴槽と高温湯と書かれた小さめな浴槽の2つがありともに豪快に掛け流されている。

 

上の高温浴槽から3段の滝のように湯が流れていた。茶褐色濁り、エグ渋味、湯口香ばしい金気臭と観察した。露天風呂は源泉が熱いので少量加水しているが凄い広さである。大きく3つの浴槽になっており緑白濁、エグ渋味、湯口香ばしい金気臭である。濁り湯の掛け流しで大露天風呂が印象的な温泉であった。

 





4ニセコ薬師温泉   足元湧出の良い温泉は変らず 95

森の中に赤いトタン屋根の薬師温泉は以前と変わらずに営業されていた。ここは5回目である。内湯の濁り湯浴槽、透明浴槽、露天風呂の3ヶ所とも足元自噴温泉で温度もややヌル目ながら適温である。露天風呂はヌル湯である。

 

濁り湯の分析表では36.3度の重曹食塩泉で総計2613mgで遊離炭酸(CO2)507.5mgである。鉄分はFe2+3で0.6+3.1mgである。このため赤く濁るのであろう。茶褐色に濁り(25センチ)炭酸渋味。少炭酸臭、である。

 

底は大きな石がごろごろしており足元がやや悪い。全体から湧出しているのか湯の出口の穴からは多めに流れさっている。一部気泡が立ち昇っている部分もあり法師温泉のようである。

 

透明湯は37度の重曹食塩泉で総計2702mgである。遊離炭酸(CO2)628.9mgと多く透明な湯である。鉄分はFe2+3 2.7+1.1mgと濁り湯よりも多いがFe2が多いのと湯量の多さで新鮮なために透明なのであろう。底が透けて見え大きな石が平滑に埋まっている。その周囲から湧出しているのであろう。湯は片側の縁より溢れ出てざばざばと湯量豊富である。以前は男女別の仕切りは湯の上だけであったが今回は底まで仕切ってあった。

 

濁り湯も透明湯もともに体感清涼感があり、37度という温度であるがより高温に感じられヌルイとは思わなかった。露天風呂はすこし上流の林の中にあり、緑色の湯が流れていた。重曹泉特有の藻のような析出物が浮いていてやや清掃が足りないと感じた。



しかし自然のままの野湯だと思えば充分である。この温泉は全国でも数少ない足元湧出源泉でしかも3つあるという貴重な温泉であり、また泉質もすばらしく高い評価としたい。

 

 

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