温泉チャンピオン 郡司勇の温泉サイト » 2013 » 2月
サイト内検索: 
郡司が実際に行き、観察・記録した湯について書いています。
※これらの写真・文章の版権所有者は郡司勇です。無断でコピーしたり転載したりすると法律で罰せられます。
温泉紀行
2013/02/27 九州 
九州温泉道 別府ほか 

1     山香温泉 風の郷

山香温泉は個性的であった。内湯と露天風呂の浴槽は加水されているが、つるつるの感触があり「つるつるやや強し」と記録した。



源泉浴槽が露天に樽風呂になっており、茶褐色で塩甘味、炭酸味、少刺激臭がある。総計14420㎎の重層食塩泉(Na-Cl,HCO3)でNa 3670 Ca 394 Cl 4340 HCO3 4930 CO2 352というスペックである。



源泉掛け流し浴槽は38.7度の源泉をゆっくりと掛け流ししているため、かなりのヌル湯になっている。しかし浴槽の縁には炭酸とカルシウムによってうろこのような析出物が付き、色もある湯で、炭酸味と匂いがある個性的な湯であった。



CO2は352㎎であるがそれより多く感じた。体感清涼感があり、炭酸味があるので800前後の含有量であろう。しかし重層の含有が半分を占めているので、加水するとつるつるするという個性が出てくる不思議な源泉であった。



 

2 亀川温泉 四の湯温泉

亀川の市街地にある四の湯は小さな共同湯で男女別に楕円形の浴槽が1つある別府の典型的な温泉である。



浴室の中央に1つのみ浴槽があり、楕円形の中央に仕切りがあり温度差が付けられている。適温の浴槽とやや熱めの浴槽である。



透明、無味、ながらえびせんのような噴気臭がある。泉質は単純温泉である。古いままの造りの共同湯で別府第1湯になった。



3 別府海浜砂湯

亀川から別府に向かう海岸沿いに海浜砂湯がある。海岸の波打ち際に砂場があり、2か所が四角く仕切られている。片側は湯が張ってあり、田圃のようであり、片側が砂になっている。



簡素な屋根があるが張っておらず、露天である。砂をかけた人の上には日差し除けの黄色い傘が突き刺してある。源泉としては62.8度の食塩泉である。



これで砂を温めているのであろう。指宿のような足元自噴ではないが昔は自噴していたのであろう。現在は配管で湯を入れている。内湯浴槽もある。

 

 

4 明礬温泉 湯の里

明礬温泉の一番高いところにある露天風呂がメインの温泉施設。湯の花小屋の並ぶ観光地の奥にある。大きな露天風呂と小さな内湯がある。



含硫黄酸性泉で白濁しており、酸味がある。匂いは硫黄臭がある。露天風呂からは明礬温泉の市街が見渡せる美しい景観である。



明礬温泉の中でも酸味のある温泉で個性的である。他には山田屋や湯元館、鶴寿泉などと同系の泉質である。明礬温泉のもう一つの泉質は白濁しているが酸味の無いものでえびすやや岡本屋、豊前屋などである。

 

5 明礬温泉 豊前屋旅館

現在、閉鎖されている地蔵泉共同湯の前にある温泉宿。小さな内湯があるだけである。熱い湯を掛け流しにしている。



小さな浴槽1つである。中性の硫黄泉で白濁、無味、甘い硫黄臭である。





6 さわやかハートピア明礬

大きなホテルの温泉。内湯はCaNaMg―SO4,HCO3で57.3度の湯が使われている。透明、無味、無臭ながら弱いすべすべのある泉質であった。



大きな1つの浴槽である。ここは露天風呂が白濁した硫黄泉で良い。以前は簡素な湯小屋であったが、この度改築され男女別の内湯付き露天風呂が新築されていた。



総計928㎎の単純硫黄泉でHS5.1㎎ H2S 23.4㎎と充分な硫黄分が含有されている。離れになっており、庭先を歩いてゆく。



内湯とそれに湯がつながった露天風呂が付いている。湯の花が多量に浮遊して白濁し、無味、硫黄臭あり、と観察した。





7 照湯温泉

新築になった照湯は妻側に鬼瓦の付いた白い壁の温泉施設になった。昔は浴槽が一つであったが、この度は男女別になった。



今回は昔ながらの石の浴槽があるほうは女湯で新築の浴槽のほうになった。正方形の浴槽が浴室の中心にあるタイプの温泉である。



98.1度の単純温泉で加水掛け流しとしている。透明、無味、かつおぶしのような硫黄臭(噴気臭)であった。



8 鉄輪温泉 渋の湯共同湯

鉄輪の中心部にある共同湯。温泉寺の下である。透明、塩味、噴気臭の鉄輪特有の食塩泉が入れられている。熱い湯である。



JR九州からの依頼で九州内の温泉を88ヶ所選び、別府温泉道のような企画を始めるということで私が選定委員長に選ばれて別府での会合に呼ばれた。九州では1000ヶ所を上回る温泉地に入浴している私は、そのなかでわずかに88ヶ所であればかなりの厳選ができると信じている。



温泉好きの永遠の聖地、別府に行くというのは興奮する。定番の鉄輪温泉の渋の湯から入浴した。

今回の選考委員にも選ばれている斉藤氏の湯雨竹で源泉のまま適温に冷まされている源泉は素晴らしく、塩ダシ味がはっきりと分かった。匂いも湯雨竹の部分から放出されており、鉄輪特有の噴気臭がわかった。87.1度の食塩泉である。

 

9 鉄輪温泉 かんなわ蒸し湯

渋の湯のとなりが蒸し湯である。石蕉を敷いた岩室に入りサウナのようにあたたまる。しかしここの熱さは強烈でいつも短時間しか入れない。



薄い食塩泉の内湯も併設されている。鉄輪温泉で名所のひとつであった蒸し湯が改築されてから2回目の訪問である。すでに4年経っているという。源泉は82.4度の食塩泉である。渋の湯とともに十万源泉で金龍地獄と河野源泉が足されている。しかし浴槽部分は加水されているのか透明、無味、無臭であった。蒸し湯は男女別になり貸し浴衣を着ないと入れなくなっていた。8分入るように言われたが、渋の湯で暖まった身体に8分は強烈で、5分も経たずに出てしまった。床に敷いてある薬草の石菖の香りがよかった。ただしかなりの高温である。

 

10 鉄輪温泉 ひょうたん温泉

別府鉄輪温泉でも特有の酸味のある食塩泉が湧出している温泉。3781㎎の食塩泉で102度である。



湯雨竹で源泉のまま適温に冷まされている源泉は素晴らしく透明、酸味がある塩味、噴気臭となっている。



施設内は温泉が数多くあり、内湯が数か所と大きな露天風呂、さらに名物の19本の打たせ湯が壮観である。





11 別府温泉 ゆわいの宿竹の井

別府温泉の旅館集中地区の北浜の中にあるビルの温泉宿。8階の屋上風呂である。総計1181㎎の芒硝食塩重層泉(Na―HCO3,Cl,SO4)で53度の温泉である。



薄く黄色になっておりモールの含有がわずかであるが認められる。無味、無臭である。しかしよわいつるつるがあった。





12 別府温泉 加賀旅館

別府一の析出物が付着した洞窟風呂には間欠的に噴出する源泉があって、壁にぶち当たりそこら中が析出物だらけになっている浴室が素晴らしいが、今回は湯を張っていなかった。



さらに源泉の湧出口にエルボを付けて壁に直接ぶつからなくなっていた。奥にある内湯に湯が張ってあり、源泉湯口からは以前の通り間欠的にボコッボコッと浴槽の中に出ていた。



湯は透明、甘味、無臭でつるつるの感触がある。別府特有の金気と渋味は無い。

 

13 別府温泉 野上本館

内湯大浴場に入浴した。壁に立てかけられた石は析出物が成長してさらに迫力を増していた。床にも析出物がたまりだんだん風格が出てきた。



総計1225㎎のNaCa-HCO3(土類重層泉)で55.8度である。建物の直下が源泉である。透明、甘味、無臭ですっきりとした温泉である。





14 別府温泉 ちとせ旅館

別府の街中にある民家のような小さな宿。素泊まりで1泊2500円という格安の宿である。独自源泉を持っており。玄関横に源泉があった。



湯は重層泉だと思われる。透明、無味、無臭ながら析出物が多く、浴槽の縁に迫り出して析出している。縁の立ち上がり部には10センチほどの析出物が付着して厚くなっていた。



弱いつるつるのある温泉であった。

 

ページトップへ
2013/02/09 東北 関東 
香草温泉、神流川温泉、小野川温泉、白布温泉など

1軽井沢三笠ホテル温泉 4726温泉地

軽井沢の別荘地奥にある源泉。ポリパイプから流れ出ている。30度ほどの単純硫黄泉で透明+薄黄色、たまご味、硫黄臭ありである。



桶で浴びた。H2S 15~20㎎と推測される。案内していただいた斎藤氏のペットボトルでは白濁したそうである。なかなかの硫黄含有量であろう。浴槽に入れ加熱すれば白濁するであろう。



2御所平温泉 かくれの湯 4727温泉地

小さな日帰り温泉施設で、山の中にあり秘湯と言えるであろう。48.6度の食塩重層泉(Na-HCO3,Cl)で総計3720㎎である。



木製の内湯浴槽と岩組の露天風呂がある。CO2が503㎎と多く含有されており、炭酸泉の痕跡もある。温度が高いので源泉口で炭酸は抜けてしまうのであろう。



内湯、露天風呂ともに湯はフレッシュでささ濁り、エグ味+炭酸痕跡、香ばしい匂いであった。露天風呂は野趣に富んだ造りで、内湯も風雅である。毎分220リットルの湧出量で良い温泉であった。





3香草温泉 4728温泉地

香草温泉は長年の課題で、「一湯入魂温泉」に常布滝下温泉を載せた時に行こうとしたのだった。



その時は20メートルの温泉直下の滝が凍結していて、周囲も登る壁に氷が付いていたので単独行なので断念した温泉であった。この度、みな再訪の仲間たちと一緒に行くことができた。



草津スキー場の下から林道に入り、川沿いに遡上して行く。すぐ終点で、そこからは歩きである。登り約2時間である。



ゆるい勾配の山道を1時間ほど行くと沢に出る。ここが香草温泉の沢である。驚くことに冷たい澄んだ水は強酸性ですでに草津の湯より濃い酸性を示している。



その川に沿って、沢登りである。最初は緩い勾配で石を伝って登ってゆくが、だんだんと高度を稼ぐと小さな滝が連続してきて1.2メートルの段差が出てくる。滑って落ちれば怪我をするくらいの沢になってきた。



だんだん傾斜が強くなってきたところで前回断念した大滝が現れた。20~25メートルの滝で左側は垂直の崖で、右側を巻いてゆく。



適度に足掛かりのある崖を3点確保で登ってゆく。先行した同行者がロープを垂らしてくれた。その先は熊笹の中を50メートルほど進むと滝上に出た。



ここからが香草温泉湧出地帯である。傾斜は強く、上の湯と下の湯がある。真ん中がNo4源泉であろう。岩に大きく4と書かれている。その下に3か所あるのであろうが、2か所は発見できた。



浅い温めの湯溜りと岩が白く染まった壁からの湧出である。No4は湯量があるが熱くて入浴不能である。そのまま川に流れている。浴槽はない。その上に3か所の源泉があった5.6.7であろうか?こちらは適温で緑色の強酸性泉特有の岩がある浴槽と、砂地にある緑白濁した源泉が良かった。湯は強烈な酸性泉で国内では蔵王や玉川の強酸性泉があるがさらに濃いであろう。

 

塚原の薬用鉱泉のH(水素イオン)80㎎というPH1.1のものも舐めたことがあるがそれに匹敵している。硫黄島の東温泉よりもさらに濃い。肌が溶けてつるつるになり、さらに沁みる。この温泉が玉川の塩酸系でなく硫酸系では全国最強の酸性泉ではなかろうかと思った。

 

4入道沢温泉 4729温泉地

香草の手前の沢に温泉が湧出していた。道なき斜面を沢に下ってゆくと大きな川であるが、右側に分岐している沢は小さなもので、赤い水が流れ込んでいる。その分岐に温泉があった。



赤色の析出物の丘がありその上から湯が涌いていた。28度~30度の源泉で赤褐色、エグ味+少塩味、金気臭であった。重層食塩泉か食塩重層泉であろう。



鉄分も20mg以上含有していると思われる。沢の両側に湧出地点があり左側は析出物丘、右側が湯溜りであった。析出物丘の入浴は泥の中に体を埋める感じで全身が泥人形のようになった。



神流川温泉 湯郷白寿

埼玉県と群馬県の県境の埼玉寄りの温泉。赤褐色の強食塩泉で薄めて湯口で計測したという分析表では31.49グラムの強食塩泉で炭酸分も443.6㎎の含有である。



このたび講演会ということで訪問した。源泉を直接みせていただいた。源泉では40グラムくらいの食塩泉で炭酸味も濃いので1000㎎は優に超しているであろう。源泉の再分析を期待したい。



小さ目な日帰り温泉施設で大きな内湯と露天風呂がある。内湯はこの半分でも良いであろう。小さくても良いので源泉浴槽を造ってもらいたい。湯は20度台で熱交換で加熱して掛け流しにしている。



炭酸を含むのでカルシウムと反応して析出物を造るのであろう。露天風呂の床はうろこ状態である。内湯や露天風呂の浴槽も縁は析出物で凝り固まっている。





小野川温泉 小町の湯

小野川温泉の小さな温泉街は川の左側にあり、川を渡って右側にある野趣に富んでいる露天風呂。無人で料金箱に200円入れて入浴する。



小野川温泉の源泉を掛け流しで使っており、特に濃くて熱い4号源泉をそのまま使っているので、尼湯の4,5号混合よりも硫黄臭があり、味覚も塩味が強く小野川一番の良い湯であった。

 

なによりも匂いが良い。かなりの硫黄臭でHS1.7 H2S 2.5の4.2㎎とは思えないほどに硫黄臭がした。塩味も5.7グラムにしては良い味でだしの効いたスープのようであった。



岩組の露天風呂か中央に1か所のみの簡素な施設である。ほかに混合していない4号泉のみの施設は高砂屋、梅屋とここのみである。良い湯であった。

 

小野川温泉 尼湯

今回小野川温泉と白布温泉はテレビ東京の「大人の極上ゆるり旅」という昼間に放送している旅番組の取材で訪問した。



尼湯は小野川温泉の総湯と言ってもよい、中心広場にある共同湯。80度の源泉と温い源泉を混合して入浴可能にしているがまだ45度ほどでかなり熱い。



小さな入母屋造りの建築に小さな唐破風の付いたかわいらしい建築で尼湯という名にふさわしい。小さな四角いタイル浴槽一つの共同湯である。



白布温泉 西屋

3軒並んでいた茅葺きの宿で火事で焼け残った唯一の宿。1300㎎の含硫黄石膏泉で透明、せっこう味、硫黄臭である。熱い源泉の時に加水されているのが白布温泉の残念なところで、源泉はさらに硫黄臭がするであろう。



しかしやや熱めに加水してそれを熱い浴槽に入れ、打たせ湯はさらに加水して掛け流している。厚い切石の浴槽は昔ながらのもので東屋にもあった。



豪快に掛け流され洪水のように溢れて行く。宿は茅葺の部分は使われておらず右側に並んだ木造2階建て部分で全20室である。格子を使った建具で繊細な内装である。



新高湯 吾妻屋

記憶にないくらい昔に来た温泉。根っこ浴槽のみ記憶にある。急坂でバイクの荷物が落ちそうになったのも記憶にある。



いくつかある浴槽群は宿の前面にあり、木を刳り貫いた貸切風呂は薄白濁の単純硫黄泉 玄関下の沢沿いに滝見風呂がある。



下に根っこ風呂と木の刳り貫き風呂がある。さらに下に混浴の大きな露天岩風呂がある。女性用の風呂もあった。湯は単純硫黄泉で透明白湯の華浮遊、無味、微硫黄臭であった。





白布温泉 東屋

白布の火事で新築になった温泉宿。現在は打たせ湯のある昔ながらの浴室と露天風呂がある。含硫黄石膏泉で加水しているが白い湯の華が底に沈殿し、掻き回すとたまごスープのようになる泉質である。









小野川温泉 河鹿荘

小野川では奥にあり、大き目な旅館である。2か所に浴室があり、楕円形の内湯とZ型の露天風呂のある浴室に入浴した。塩味の硫黄臭のする小野川特有の良い湯であった。





ページトップへ
このページの先頭へ
Copyright c 2010 Isamu Gunji All Rights Reserved.