温泉チャンピオン 郡司勇の温泉サイト » 2013 » 8月
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郡司が実際に行き、観察・記録した湯について書いています。
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温泉紀行
2013/08/04 中部 
みくりが池温泉と周辺の3湯 

みくりが池と立山新湯

1みくりが池温泉

立山新湯にアタックしようとして千寿ヶ原(立山駅)に到着した。都内を深夜12時に出発して、朝方に立山駅に着いた。駐車場から成願寺川を見ると上流で降った雨で濁流になっており、堰堤の中央だけでなく全体から茶色の豪流が溢れている。これは登っても徒渉ができないなと、時間稼ぎにまず本日はアルペンルートの室堂付近の温泉に行くこととした。



立山駅からケーブルカーに乗り、バスに乗り代え弥陀ヶ原を過ぎて約1時間で標高2410mの室堂に到着した。途中に直径10mほどもある千年杉や称名の滝などを見ながら登った。室堂は気温10度ほどで半袖では寒く、すぐに合羽の上下を着た。



あいにくのガス模様で展望がなかったが、帰りには立山の稜線以外は晴れた。徒歩12分でみくりが池温泉である。日本一の標高の高い温泉である。青い色の池のみくりが池のほとりにある。



2階建ての長方形のホテルに湯小屋が付いている。木造の湯小屋で内装も木であった。54.3度の単純硫黄泉でPH3.1である水素イオンは0.79㎎で酸性泉にはなっていない。H2Sが2.2㎎で硫黄泉になっている。色は白濁で酸味、湯口少硫黄臭であった。



この温泉は下部にある地獄地帯の源泉で3か所の温泉施設があるがみな源泉が違う、ここは酸味が薄く硫黄がやや多かった。



2 らいちょう温泉  雷鳥荘

みくりが池を過ぎて赤い色の血の池、残雪の残るりんどう池を過ぎて20分ほど行くと大きな3階建てのコンクリートのホテルがあり地階に温泉がある。みくりが池温泉よりは規模が大きく収容人数も多いだろう。



温泉は地階にある、内湯は白湯で、そこから階段を上り展望の良い場所に温泉浴槽がある。63.2度の単純酸性泉である。総計は630㎎である。



水素イオンを7.82㎎含有し濃い酸性になっている。硫黄分はS2O3の0.17㎎とH2Sの1.7㎎である。薄白濁で強い酸味がある。仄かな微硫黄臭がある。



ここも木の内装の浴室で木の枠の浴槽であった。掛け流しで利用されている、硫黄臭は少なく草津のような酸味の強い良い酸性泉であった。



3地獄谷温泉 雷鳥沢ヒュッテ

コンクリートの本館に木造の湯小屋が付いた温泉である。驚くべきことに白濁した湯は泥湯であった。地獄の源泉をそのまま引いていて温度も劇熱である。水栓で加水して適温にして入浴する。



野趣に富んだ温泉である。半露天風呂で景色が良い。大日岳に至る稜線と雷鳥沢のテント場が背景である。



81.3度の温泉で単純酸性泉である。総計918㎎である。水素イオンは6.51㎎と雷鳥荘より低いが、味覚は鋭い濃さの酸味で香草温泉のような強い酸味であった。



この3か所で最強の酸性度だと推測した。H2Sは0.85㎎と少ない。しかし泥による白濁で存在感は大きい。底を探ると泥が沈殿している。



地獄温泉の清風荘のすずめの湯よりは泥が濃いであろう。濃い泥白濁、強い酸味、匂いは少ないと観察した。貴重な使い方で室堂周辺の3か所の温泉で最も気に入った。源泉100%で加水して温度を下げるのであるが満足する。



標高は2300mである。室堂から徒歩40分の距離にある。

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