2010/12/31

1 ふだんぎの湯 旧田の中の湯 (再訪) 
 透明、無味、無臭 
以前、田の中の湯として四角い露天風呂のみの温泉で無料開放されていた温泉は、瓦屋根の入口が付けられ、男女別に仕切りも造られ、ふだんぎの湯として改築されていた。



67.4度の単純泉で総計590mgである。(分析表桁違い59mgだと思われる)H2S 0.5mgながら硫黄臭はなく透明、無味、無臭であった。以前は白い湯の華浮遊で、薄く白濁していたが源泉も変わったのであろうか?少し下流の湯坪温泉の源泉である。きれいな個性の少ない湯であった。



2 地蔵原温泉 ペンション山幸   
 透明、無味、無臭 掛け流し 弱いすべすべあり 
宝泉寺温泉や壁湯に下る手前のまだ高原の一角に地蔵原という地名があり、ペンションで温泉を湧出させている。



小さな一軒宿で青い外壁の新築宿である。涌蓋山の眺望が良い。富士山のような三角形の山容である。湯は透明、無味、無臭の単純泉で72.3度である。独自源泉の掛け流しである。含有量が極めて少なく総計99mgである。温泉としての個性は弱いすべすべがあっただけである。



3 宝泉寺温泉 石櫃露天風呂 温泉地再訪  
 貸切り50分1000円 透明、無味、無臭 掛け流し 


宝泉寺温泉は以前竜泉閣に泊まったのが記憶の隅にあり、泊まったという記憶のみで湯の感触はなくなっていた。石櫃露天風呂という施設が温泉街の中心にあり、貸切利用で50分1000円となっている。



川沿いに塀が造ってあり橋を渡って入浴する。石櫃には溜めずに周囲に大きな露天風呂があり、そちらに掛け流しされている。



熱い湯で石櫃に入ろうとしたら激熱であった。奇麗な単純泉であろう透明、無味、無臭の源泉で大きな岩組の露天風呂に湯が入っている。



石櫃の上には神社のような建屋があり神聖な雰囲気である。そこから溢れた湯が露天風呂に満たされていた。



4 壁湯温泉 福元屋露天風呂 (再訪)   
 ここはやはり素晴らしい 湯量がたいへん多いのがわかった 
 足元湧出源泉浴槽 底の岩が見えて野趣に富んでいる



まず福元屋のすこし上流にある共同湯に行く。こちらも足元自噴でコンクリートで覆ってあるが一部、湧出地は玉石になっておりそこから湧出している。


壁湯の前を通ると必ず寄ってしまう。足元湧出の素晴らしい温泉である。上の共同湯も足元湧出でほぼコンクリートの底であるが一部湧出地点が大石が敷いてあり、そこからの湧出である。



下にある川沿いの福元屋の露天風呂が、大きくかつ湧出量も多く素晴らしい天然の妙である。



大きな浴槽一面の底は大石と岩が露出しどんどん湧出している。湯の量は溢れ出る湯が川のようになって下の少浴槽に流れている。その量を見ればわかる。小川のような大湧出量である。



入浴すると底の砂地や大石の割れ目からどんどん湧出し、湯の流れが分かる、印象的な体験ができる。



川沿いの堤防の外側にも露天風呂がありややヌル目の浴槽になっている。湯は単純泉であろう。



透明、無味、無臭で特に湯の個性はないがこの湧出状況と、横穴になった半洞窟のような浴槽の底の石が澄んで見え、透明感のある美しさがこの温泉の全てであろう。神聖な泉であり温泉本来の良さを目の当たりに出来る温泉として貴重なものであろう。







2010/12/29

1 長湯温泉 郷の湯 温泉地再訪 
 長湯一の析出物 ミニまさかり温泉になっている。
黒い瓦屋根の入母屋造りの立派な建築の郷の湯に行った。まず驚くのが浴室棟から川に溢れる湯の部分の析出物の山である。



かつての津軽湯ノ沢温泉のでわの湯のようになっている。いやさらに大きな析出物の山が2つ川に迫り出して茶色い小山が出来ていた。



浴室に入ると床が析出物で真っ白である。大理石のような白い析出物である。うろこ状にならず上から層状に堆積してゆくタイプである。浴槽の縁も15センチから20センチほどの析出物の壁が出来ていて、浴槽が狭くなっている。長湯一の析出物量であろう。浴槽の縁は60センチほどの馬の背状になっており丸い縁を乗り越えて入浴する。



湯はクリーム色に白濁し(透明度10センチ)エグ味強し、少土類臭であった。入浴すると析出物の固化前の白い沈殿物が舞い上がりさらに濃く白濁する。



露天風呂は凄い状況で褐色の析出物の中に湯が少量溜まっているといったほど析出物が周囲を固めており析出物で造られたティーカップのようだ。こちらの湯は長湯一般の緑褐色濁りであった。



湯は塩味や酸味がないので長湯温泉全般に強いエグ味がある。匂いは炭酸臭や土類臭である。49.5度の重炭酸土類泉(MgNaCa-HCO3)で総計5054mgという濃厚なものである。



CO2は176mgと少ない。しかし源泉の状況はさらに多量の炭酸を含有していると思われる。長湯一の析出物の温泉だと思った。



2 小松地獄温泉  野湯 (再訪)  
 九大ロッジの先の湯の川 上流は熱すぎる 
 透明、少酸味+たまご味、硫黄臭多し 


筋湯のすこし上流に小松地獄の源泉地帯がある。近づくともうもうとした噴気で中央に川が流れている。地獄を見学する遊歩道もある観光地である。以前は九州大学の温泉ロッジの浴槽で入浴した、単純泉だと思われるが泥色に濁り、存在感のある温泉であった。



今回は川を探索してみた。この川は温泉で源泉の中心地区から湧出しているものである。上流の噴気地帯に行くと熱くて入浴不能である。すこし下ると適温の川になり入浴可能であった。湯は透明であるが入浴すると泥色に濁り、生成された泥が沈殿している。酸性単純硫黄泉と思われ、透明、たまご味+少酸味、硫黄臭多しと記録した。やや浅い部分での入浴となったが単純泉ではなく硫黄分や酸味もあり良い温泉であった。さらに入浴するとつるつる感も感じられ良い入浴感触であった。



周囲は真っ白な噴気に包まれ、天然の川に入浴できるのは楽しい、野趣溢れる入浴となった。写真も迫力のあるもので天然野湯の川で入浴できるのは全国でも数少ないので貴重なものであろう。

3 筋湯温泉  喜安屋  温泉地再訪   
 瀟洒な造りの離れの宿  
筋湯の温泉街は瀟洒な和風旅館が並び良い風情となった。うたせ大浴場のとなりにある外観の風情がある両筑屋に入浴をお願いするが、あいにくカラであった。次に喜安屋に行った。



温泉街より少し離れ高台に移転して、和風平屋の風雅な離れの部屋主体の宿に変っていた。玄関は土間で薄暗く民芸調の風雅なものである。入浴をお願いすると離れの湯小屋であった。瓦屋根の共同湯のような小さな浴室である。簡素な四角い内湯のみの浴槽で木の壁に天井の高い空間に切り石造りの浴槽がある。



透明、無味、無臭ながらややつるつるする湯で加水掛け流しである。75.7度の食塩泉で総計1508mgの湯である。こげ茶色に塗られた湯小屋は古色を出しており、新築とは思えない風情であった。八丁原地熱発電所の熱水利用と記されていた。



4 川原湯 共同湯 (再訪)  
 透明、無味、硫黄臭多し 
筋湯から下ってゆくと、既訪問のひぜん湯温泉や大岳温泉、の横を通り過ぎる。そしていつも気軽に寄ってしまうのは川原湯共同湯である。白い木造2階の湯小屋があり、無人の共同湯である。



湯は96.3度の単純泉で総計212mgの清澄な温泉である。壁が汚れた鄙びた共同湯であった。透明、無味、硫黄臭多しの湯で硫黄分がかなり含有されている。温度が高いので源泉はゆっくりと入れられていた。

2010/12/23

1長湯温泉 紅葉館 温泉地再訪   
 ガニ湯の目の前の木造の古い宿 風情はあるが 
 炭酸分がほとんど残っていない  宿泊 


長湯は炭酸を含んだ重炭酸土類泉が各所に湧出し、共同湯や宿の湯も施設ごとに泉質が違い楽しい温泉地である。以前から温泉街の中心にある、川原のガニ湯から正面に見える紅葉館に泊まりたいと思っていた。



この度、最初は新館に通されたが川沿いの旧館を希望して替えてもらい、川に面する旧館の2階に泊まれた。嬉しい限りである。またガニ湯の前に天風庵という道後温泉本館のような立派な木造入母屋の建築が建っていた。食事処ながら宿泊もあるとのこと。ここにも泊まりたいと思った。ガニ湯対岸の青い屋根の入母屋造りの古い木造の宿が紅葉館で、浴室は川の裏側にある。



コンクリートの地元専用共同湯のような簡素な造りの浴室で42.6度の重炭酸土類泉(MgNaCa-HCO3)が湧出している。炭酸(CO2)は少なく144mg(H18年 1040mg)である。緑色濁り(50センチ)エグ味多し+渋味残る、金気土類臭のヌル目の湯であった。



掛け流しであるが炭酸分はほぼ抜けており褐色の重炭酸土類泉になっていた。しかしその泉質も好きなもので、長湯一般の良い温泉である。
2 長湯温泉 ガニ湯共同湯 (再訪)  
 CO2 953.2mgながら湯にはほとんど残っていない 


朝一番で長湯の芹川の中にあるガニ湯共同湯に入浴した。ここは長湯の中心にあり、大湯のような存在なので長湯に来ると必ず入湯している、もう5.6回は入っているであろう。無料開放の露天風呂である。黄色褐色の濁り湯で川の中に突き出して浴槽が造られている。芹川の流れの中、晴天の露天風呂に入浴するのは気持ちが良い。露天風呂の石組は湯の部分が褐色に染まり成分の濃さを物語っている。浴槽の左側に源泉が入れられており、炭酸も同時に湧出しボコボコと湯が出ている。右側から垂れ流されている。



37.8度の重炭酸土類泉(MgNaCa-HCO3)で総計5837mgとかなりの成分含有量である。炭酸CO2は953.2mgである。黄褐色濁り、エグ味、炭酸刺激臭と記録した。湯口は炭酸と共に湧出しているが湯の中には炭酸分が少ししか含有されておらず、ほぼ重炭酸土類泉になっていた。少し上流のラムネ温泉は新館になり、個性的な建築になっていた。最近炭酸分が少なくなっているとのことで、心配である。

3 長湯温泉 榎田共同湯 (再訪)  
 黄褐色 表面膜張り 炭酸は少ないが析出物多し 


榎田温泉は地元専用共同湯でこのたび許可を取って入浴した。鄙びた木造モルタルの建築で、モルタルは汚れ、トタンは錆びていて風格があるというよりはボロである。共同湯特有の湯小屋である。内部も壁が析出物と汚れで汚らしくなっているがこの風情は長年の時間の経過を物語っている。



朝一番で入浴者がいなかったのであろう、湯の表面に膜が張りマグネシウムが主成分の温泉であることが分かる。炭酸分と土類金属成分によって析出物も付き、浴槽の縁は白い石のような析出物で固まっている。ここも温度が高く炭酸分は源泉で気化してしまっているのであろう、炭酸分は少ないが黄褐色濁りで、少エグ味、土類臭と観察した。



しづ香温泉と同系の湯であるが炭酸清涼感は少なく重炭酸土類泉の典型になっていた。浴槽も鄙びており貴重な共同湯である。

4 長湯温泉 山の湯かずよ 温泉地再訪  
 珍湯である 表面に硬い氷のような析出物が張っていた
 割って入浴する。マグネシウムと思われる 


奇麗な和風宿のかずよに訪問した。大きな石で男女を分けた豪快な造りの内湯があった。しかし湯面を見て驚いた。浴槽の6割以上の表面に真っ白い膜が張っている。触ってみると硬い砂糖菓子のようなものであった。



また壁から湯を入れている部分は析出物が鍾乳洞のように固まり、白と茶色のグラデーションを作っていた。また床も黄土色のキャラメルのような析出物で覆われておりつるつるした感触になっていた。



入浴すると表面の膜は割れるが表面に重なって片側に寄るだけで手ですくって見ることもできる。硬い薄氷のような表情でパリパリと割れる。湯は掛け流しで緑褐色の色である。エグ味強く、少金気臭と炭酸臭があった。48度の土類重曹泉(NaMg-HCO3)で総計7108mgもある。長湯最高の濃厚さではないかと思う。



Na 812 Mg 376 Ca 232 HCO3 4460という主成分である。CO2は297mgと少ない。しかし温度が48度もあるので湧出直後にかなりの量が一瞬で抜けるか、またはカルシウムやマグネシウムと一緒になり、炭酸カルシウムなどに析出し分量的には減少していると思われる。



浴槽内部は析出が現在進行中でじゃりじゃりとした突起がある。浴槽の縁は10センチ以上の厚みの析出物で覆われており、析出物の多い温泉特有の浴槽になっていた。



表面の白い膜と析出物の床、源泉の流れる壁が個性的で数多くの写真を撮ってしまった。入浴後は砕氷船で氷が割れたように膜は重なり合いさらに白くなっていた。この後もまた膜の成長が始まるであろう。



2010/12/20

1 庄内温泉 ことぶきの湯   
 家族湯付きの日帰り温泉 長宝団地専用温泉と同じ源泉 
 つるつるの黒湯 


国道210号線は湯平を通り湯布院に行くが途中に田淵共同湯や同尻温泉、篠原温泉、小野屋温泉などがある。以前、ブロック造の長宝団地温泉地元専用共同湯に入浴したが黒湯のつるつるモール泉で良い記憶になっている。この源泉を使い国道沿いに家族湯を併設した日帰り入浴施設がオープンした。



総計507mgで45.7度の単純泉であるが、ウーロン茶色の黒湯で、弱いつるつるのある良い湯であった。微苦味と少モール臭のある源泉である。掛け流しの利用法で新鮮で良かった。家族湯の一つを見学した後、共同湯として使う大きな内湯に入浴した。薄い成分総量ながらCO3が18mg含有されており、とろみのある感触が記憶に残っている。



2 某温泉   
 原始的な風情の沢に湧く仮設風温泉 ブルーシート張り 
 沢に落下する未利用の温泉の打たせ湯にして浴びる 炭酸味際立つ新鮮な湯
 迷うが、やっとゲット。


国道210号線から県道に入り長者原方面に向かう。途中阿蘇野白水鉱泉の横を通り、飯田高原に向かう、この地域は長者原温泉や筌の口温泉、寒の地獄温泉や星生温泉、牧の戸温泉などの温泉密集地である。



このうち以前から課題になっていた某温泉個人用浴室にやっと訪問できた。ぼろぼろの古い民家の沢沿いにあるブルーシートで覆われた浴槽である。民家の鄙び具合が激しく木は腐っていて、トタンで壁を造っているがこれも錆び錆びである。



旧湯小屋は木の壁が古く茶色に煮締めたように黒ずみ激しくボロイ、しかしこちらの浴槽は使われて居らず、沢沿いにブルーシートで覆い、入口にゴザを垂らした仮設のような浴室があった。小川の沢の対岸には湯が打たせ湯のように捨てられており、こちらも浴びてみた。湯は使い込まれた茶色に染まった木製の浴槽に入れられており、掛け流しになっている。重炭酸土類泉であろうか、透明、炭酸エグ味強し、土類鉱物臭である。炭酸分をかなり含有しており炭酸泡が身体に付着した。



このように原始的な状態で温泉が使われているのは貴重であり、仮設風の湯小屋が凄い存在感である。湯は炭酸の感触が残り良い湯であった。

3 長者原牧場温泉 まきばの湯   
 褐色の良い湯 渋エグ味 土類重曹泉 Fe 2.2


飯田高原の観光牧場の一角に温泉施設が建ち、このたび入浴してみた。まきばの温泉館と言い、景観の良い高原に建っている。小さな施設ながら浴室は広く大きな内湯と露天風呂が一つ付いていた。



61.4度の土類食塩重曹泉(NaMgCa-HCO3 Cl)で32.6リットルの湧出である。しかし内湯、露天風呂ともに掛け流しで利用されよい温泉であった。露天風呂は石組の四角いもので緑色褐色、渋エグ味、金気臭という個性的な温泉で、良い表現をしていた。



鉄分Feは2.2mgであるが良く出ており、緑色に濁っていて源泉のまま加工されていないのがわかる。弱く加水されているようだが気にならない程度で満足した。筌の口温泉の同系であろう、この地区には良い温泉が湧出する。内湯も露天風呂とほぼ同じ表現であった。また牧場だけあってミルク風呂があり、生臭い白濁した浴槽があった。



4 馬子草温泉 お宿きづな  
 まきばの湯と同系の良い湯 Fe1.9+2.3が良い 山の景観が良い


まきばの温泉館の近くに馬子草温泉 お宿きづなというペンション風の奇麗な宿があり温泉が湧出している。久住連山の山々が眺められる美しい景観の温泉である。内湯と露天風呂があり山々を見渡しながら入浴できる。



3月上旬の山には雪があり、冷たい風が吹いている。49.8度の土類芒硝重曹泉(NaMgCa-HCO3 SO4)で総計2678mgである。茶褐色濁りで、渋エグ味で匂いが良い、金気かつおぶし臭の香ばしい匂いがあった。内湯は浴槽の縁や床が赤く染まり温泉の存在感は大きい。新しい造りの和風宿で奇麗な建築であるが、温泉のほうは、泉質が個性的で鉄分が良く残る濁り湯であった。

2010/12/05

1 六ヶ迫鉱泉 しらさぎ荘 (再訪)  
 源泉は塩味強い炭酸泉であるが、浴槽は加水か、駄目である


六ヶ迫鉱泉は大分の南にあり、別府、大分市内の大温泉地の背後にあるのでなかなか訪問しないが久しぶりに訪問した。過去にはこのしらさぎ荘の湯に入浴したが、赤い湯で源泉は炭酸塩味があり良い記憶がある。今回は以前の通り玄関前に源泉井戸があり、ぶくぶくと炭酸とともに源泉が湧出していた。



飲んでみると塩味の中に炭酸味がある炭酸重曹食塩泉である。鉄分も3.2mg含有し赤くなる源泉である。透明、炭酸塩エグ味、甘い匂いであった。



CO2 1896mgで固形物総量4963mgと記されていた。しらさぎ荘の横に小川が流れており、そこに下ると源泉井戸がある。屋根の付いた新しい木造の門構えがあり、源泉前には薬師堂がある。しらさぎ荘の源泉ではなく共有のものらしい。



この宿は茶色の外壁の入母屋造りの古い木造宿でその源泉に並んで建っている。浴槽は石組の加熱浴槽と2連の源泉浴槽があるが加水で透明、無味、無臭になってしまい残念であった。以前は源泉を使っていたと思ったが加水で白湯のようになってしまっていた。



2 鷺来ヶ迫鉱泉 俵屋 温泉地再訪   
 源泉浴槽あり、加熱浴槽も赤い湯で源泉が生きている
 源泉浴槽の底は析出物の赤い泥で田圃状態 


しらさぎ荘の浴槽が源泉とは程遠い使い方であったので、少し上流にある俵屋にも訪問した。こちらは源泉をいくつか持っており、鷺来ヶ迫鉱泉と称している。



赤い湯の源泉浴槽も2ヵ所あり良かった。まず庭先に冷泉の湯小屋があり、昭和20年築の60年前の建築である。しかし浴槽は1750年に臼杵藩の頃に造られたという。足元湧出源泉だと思われる。



このほかにも庭に地蔵様を奉った源泉井戸が2つある。また内湯の隣にも源泉があり祭壇が奉られている。少なくとも4ヵ所以上の源泉がある。内湯は源泉浴槽と加熱浴槽が並んでいる。



また内湯前にはここが白鷺が浸かったとされる、半露天風呂のような源泉浴槽もある。井戸の源泉は透明であるが源泉浴槽の方は真っ赤に濁り濃い赤褐色になっている。底に赤い泥が沈殿して泥湯のようである。



加熱浴槽はやや色が薄く炭酸は飛んでいる。薄茶褐色で少エグ味、金気臭である。しかし源泉ははっきりと炭酸味がある。15.4度、総計5833mgの含炭酸重曹食塩泉でCO2は1298mgである。



源泉浴槽は炭酸の冷える効果もあり、非常に冷たく短時間しか入浴できなかった。しかし濃い赤色で存在感は大きい。



3 塚野鉱泉 共同湯 (再訪) 
 薄クリーム色の食塩炭酸泉である。

大分市内の近くで個性的な源泉の塚野鉱泉に再訪した。



総計12158mgの等張性の含炭酸重曹食塩泉で15.7度のものである。炭酸分は1170mgで六ヶ迫鉱泉に近いが食塩分は倍以上の含有量である。山手の突き当たりに瓦屋根の飲泉小屋があり、手前にコンクリートの共同湯がある。宿はその周囲に3軒あり、湯治の温泉街の風情である。



飲泉場では透明な湯であるが、共同湯では加熱掛け流しで使われており、珍しい薄いクリーム色、塩甘味、鉱物的な甘い香りであった。飲泉場は入母屋の建物で中に入ると、源泉と書いた石の下から湯が湧出している。驚くのは壁一面に架けられた飲泉のひしゃくである。数多くのひしゃくが架かっていて不思議であった。



共同湯は浴槽1つの簡素なもので、加熱しているが源泉カラン自在で掛け流しにもできる。源泉では炭酸味があるが、加熱で無くなってしまっている、しかし源泉は炭酸が充分に含有されているので掛け流しにすれば炭酸泉の感触も増してくる。重曹を含む食塩泉ながら白濁し、変り種の温泉である。他には石鎚山温泉などもあるが白濁する珍しい食塩泉である。

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